今回は、2020年4月3日放送『猫探偵の事件簿』のネタバレあらすじと感想をまとめました。
どうやらこの作品は、2018年に放送されたものをリメイクしたもののようです。当時は4エピソードだったのが、今回はエピソードが2つになっています。
冒頭と、ドラマとドラマの間に、猫探偵ご本人である藤原博史さんの実際のお仕事の様子が紹介されています。
猫探偵・藤原博史さん
東京、神奈川を拠点に活動する猫探偵の藤原博史さん。
この道なんと20年!
これまで3000を超える依頼を受け、70%以上の猫ちゃんを見つけ出してきたという、猫探しのエキスパートです。
藤原さんは、常に猫の目線で世界を見ることを意識しています。
そして、精神的にも猫になりきる!
この猫ちゃんなら、こんなとこが好きそう。こういう性格だから、これは苦手だろうとか。
そのために、まずは入念に飼い主さんに猫ちゃんの情報を聞きます。
それから捜索方針を決めて、チラシを作り、猫を探し始めるのです。
猫ちゃん目線で探すので、常に低姿勢が多い藤原さん。
その姿勢は、藤原さんが少年時代に身につけた感覚だといいます。
なんと藤原さん、中学生になるとしょっちゅう家を抜け出し、外で野宿をしていたそうなんです。
別に嫌なことはなかったそうなんですが、外の世界が好きで、自由気ままに生きたかったのだそうです。
これはまさに、猫ちゃんそのものですね(笑)
朝になると、出勤する大人たちの靴が見え、それが横になって寝てる藤原少年にはとても大きく感じたそうです。
下から見上げると、人ってとても大きく見えますよね。
私はトイプードルを飼っていますが、横になっていると犬が近寄ってきて『デカッ』と思いますもん。
猫にとって、人間はどれだけ大きく見えることでしょう。
藤原さんは、時に暗視カメラやファイバースコープ、特製の捕獲器などを駆使して、猫を探します。
そして、飼い主さんの元に送り届ける…。
今回は、そんな藤原さんが手がけた膨大な依頼の中から、興味深いエピソードを2つご紹介したいと思います。
事件簿♯1 天井裏に消えた猫
2016年11月。依頼人は、野呂瀬 清さん。
野呂瀬さんはマンションのオーナーで、その一室に、娘の絵理さんと愛猫・バニラちゃんと一緒に暮らしていました。
でもマンションが老朽化してきたため、改装工事をすることになり、一時的に引っ越さなくてはならなくなりました。
そこで、絵理さんはバニラと一緒に荷物をまとめていたのですが、ちょっと部屋から離れた間に、バニラはいなくなってしまったのです。
その部屋の天井には、工事のため、点検用の穴が開けられていました。
野呂瀬さんは、バニラがそこから中に入ったと思い、絵理さんと名前を呼んだり、キャットフードを置いて誘いだそうとしましたが、見つかりませんでした。
近所にチラシを300枚配り、毎日探しても見つからず、猫探偵・フジワラ(甲本雅裕)のところに来たのです。
バニラは、絵理さんのお母さんが病気で亡くなってからやってきた猫でした。
絵理さんは、バニラのおかげで元気を取り戻したそうです。
『娘のために、バニラを探してください』という野呂瀬の依頼を、フジワラは引き受けることにしました。
マイペースなフジワラ
翌日、さっそくフジワラは、改装工事中のマンションへ。
脚立にのぼり、バニラが入ったと思われる天井裏を懐中電灯で照らすと、近くにバニラの毛が付着していました。
バニラはいなくなって2、3日は上から鳴き声がしましたが、それから足音も何もしなくなったそうです。
絵理さんは、もうこの家にはいないと思うといいますが、フジワラはマイペースに家の周囲を調べ続けます。
そんなフジワラに、絵理は『あの探偵さん大丈夫なの?』とイライラ。
バニラがいなくなって1ヶ月。
バニラのことが心配でたまらない絵理は、1人外に探しに出かけました。
あくまで天井にこだわるフジワラ
翌日、フジワラは天井を壊すと言い始めました。
それを聞き、清と、工事現場を取り仕切っている田坂はびっくり。
するとフジワラは、今まで得た情報から、バニラの居場所を説明し始めました。
・このマンションの近辺には、猫のステッカーや猫に関するものを貼っている家が多く、猫好きな人が多い。
しかしチラシを配っても、バニラの目撃情報はなし。黒猫は数も少なく、1度見たら記憶に残るはずなのにだ。
・また、バニラは警戒心が強く、工事の音や知らない人の声がする今の状況は恐怖でしかない。
だから、バニラが外に出るとしたら、工事の人がいなくなる夜。
だが、外に出るための通気口にはほこりがつもっていて、バニラが通った形跡はなかった。
・猫は過度なストレスを受けると、過剰に毛づくろいをして、毛を引きちぎってしまうことがある。
フジワラは、清と田坂に天井裏にあったバニラの毛を見せると、『おそらくバニラはストレスで胃腸炎を起こしたのでしょう』と言いました。
その場合、2週間ほど何も食べなくなってしまうこともあるのです。
すると、田坂が『気になることがある』と、フジワラを他の部屋に連れていった。
見ると、天井の隅に、赤く血のようなものが滲んでいた。
『バニラの血だ!ストレスで胃の粘膜から出たんだ!もう限界なんだ!』
フジワラは天井を壊そうとハンマーを振り上げましたが、ムリ…。
見かねた田坂が、天井を壊してくれました。
バニラは憐れなほどやせ細っていましたが、無事に保護されました。
学校から急いで帰ってきた絵理は、バニラと涙の対面。
バニラはそんな絵理の涙をペロペロ舐めるのでした。
事件簿♯2 癌の父のために
それはフジワラにとって、最も思い出深い事件…。
2005年4月。
東京杉並区に住む70代の斉藤 弘さんは、胃がんの手術を受けるため、都内の病院に入院することになりました。
そこで、長女の小林 恵さんが愛猫・ルンを預かることになったのですが、ルンは逃げてしまいました。
恵がルンを預かるのは、これが初めて。
ルンは、弘と亡くなった母にしか懐かず、臆病だということくらいしかわかりませんでした。
フジワラは、もっとルンの特徴がわかる写真がほしいと、弘の家に行くことにしました。
恵によると、父・弘は5年前に母が亡くなってから、ルンを子どものように可愛がっていたそうです。
でも、ルンがいなくなったことを恵の息子が話してしまい、弘は元気をなくしてしまいました。
それで恵は『父の手術の前に、ルンを見つけてほしい』というのです。
手術まではあと2日!明後日の朝9時には手術が始まってしまいます。
『ルンが見つからないと、父も助からない気がするんです!どうか父の命を助けてください!!!!!!!』
フジワラは、人の生き死にが関わる大仕事に内心ビビリながらも、依頼を引き受けたのでした。
家に帰ろうとしたルン
フジワラは、ルンは自分の家に帰ろうとしたのだと推測。
猫には自分が生まれた家に執着する習性があり、弘と過ごした家が、ルンにとって1番安心できる大切な場所なのです。
猫にも帰省本能があるんですね!
弘と恵の家は、直線距離で2キロくらい。
家に帰るには、どうしても大通りを通らなくてはなりません。
でも臆病なルンはそこを通れずにいるのではないか?
そう考えたフジワラは、ルンが潜伏していると思われている地域を絞り、チラシを1000枚配ることにしました。
チラシも、ただ作ればいいというものではありません。
名前といなくなった日付、特徴のわかる全身写真などをわかりやすく入れます。
ルン発見!
翌日、フジワラと恵はチラシを各家庭のポストに入れたり、近所の人に配り始めました。
すると恵が、近所の神社で猫のけんかがあったという情報を入手。
フジワラは、発情期でもない猫がけんかするということは、よそ者がなわばりに入ったということ。それはルンに違いない!と辺りを探し始めました。
すると、ルンの好きそうな、弘の家の縁の下と同じような家を発見。
フジワラは、縁の下をファイバースコープで調べました。
そして奥の方に、ルンらしき猫がいるのを見つけたのです!
大喜びする恵ですが、焦りは禁物。ルンは警戒心が強いので、下手に刺激をすれば逃げてしまいます。
そこで、フジワラは恵にあるお願いをしました。
父と娘
それを聞き、恵は弘の病室へ。
5年前に母が亡くなってから、2人は疎遠になっていました。
弘はルンを心配するあまり『おまえが逃がすからだ』と言い、恵と言い合いになってしまいます。
恵は弘の服をさっと持つと『私、猫は苦手なの。お父さんが最後まで面倒みてくれないと困る。だから、元気になってよ』と立ち去りました。
慎重に慎重に待つフジワラ
その後、恵はフジワラの元に戻ると、弘の匂いのついた服を渡しました。
するとフジワラはそれで捕獲器全体を覆い、入念に位置や向きなどを決め、設置しました。
捕獲器は1度失敗したら、もう2度と入ってもらえないのです。
ルンは弘と離れて、今とても心細い…。そんな時1番安心するものは、弘の匂いのするもの。
フジワラは『ルンとお父さんの絆を信じましょう』と言うと、車の中で待つことにしました。
ルンが出てくるとしたら、みんなが寝静まる頃。
フジワラは、先に帰るよう恵を促しますが、恵は『1分1秒でも早く、ルンを父のところに連れていきたい』と一緒に待つことにしました。
翌朝、辺りが白みはじめた頃、ようやくフジワラは捕獲器を見に行きました。
再会
手術の時間になり、弘は手術室へ向かおうとしていました。
すると『お父さん!』
窓の外から恵の声がしました。
慌てて弘が見下ろすと、『見つかったよ、ルン!よかったね!見つかったよ!』と笑顔でルンを抱っこする恵がいました。
手術は成功。
その後、弘さんは、ルンと共に、穏やかな最晩年を過ごされたそうです。
そして、猫探偵・藤原博史さんは今日もどこかで猫を探している…。
『猫探偵の事件簿』の感想
いなくなった猫や犬を探してくれる人がいるのは知ってましたが、こうして実際に猫探偵として活躍しておられる方がいるんですね!
知りませんでした〜。
私も、前にハスキーを飼っていたことがありまして、その子が逃げる逃げる。
街中を爆走し、お洒落な服屋に飛び込み、鏡にぶつかったこともありました…。大迷惑…(;^ω^)
名前を呼ぶと戻ってくるんですが、素通りして『わ〜、たっのしい〜〜!!!!!!!』と走ってしまうんですよね。
でも猫ちゃんの場合、姿をくらましてしまうんだから大変です。
そんな時、猫目線で猫のきもちになって探してくれる藤原さんの存在は、すごく頼もしいと思います。
しかもそれが、中学生の時に身につけた感覚だというのですから、天職としか思えませんね(>ω<)
ドラマも、2話めの話はウルッとしてしまいました。
父と疎遠になってしまっていた娘さんの気持ちもわかったし、ルンと娘さん、双方を思うお父さんの気持ちも伝わってきました。
手術までにルンが見つかって、本当によかったです!
手術も成功して、後日談も実話だから、感動半端ないです。
みんな笑顔でよかったですね〜。
甲本さん演じるフジワラさんも、ご本人のワイルドなイメージとは違いましたが、ひょうひょうとして憎めない感じがよかったです。
ナビゲート役の飼い猫のフィリップの声が、『魔女の宅急便』の黒猫ジジの声の方(佐久間 レイ)で、ほのぼのとした気持ちになりました。
以上、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。