ドラマ『生徒が人生をやり直せる学校』ネタバレと感想│生徒の気持ちにとことん寄り添う!こんな実話があったんか~!

にこ

2021年8月21日に24時間テレビで放送された『生徒が人生をやり直せる学校』のネタバレあらすじと感想をまとめました。

出典:日本テレビ 公式ホームページ

このドラマは、“無気力生徒の吹き溜まり”と呼ばれた高校の教師たちが、生徒たちに寄り添い、奮闘する姿を描いた、実話をもとにした物語です。

 

平野紫耀さんが初めて教師役に挑戦!浜辺美波さんが英語教師として出演されています。

 

田辺桃子さんのカメレオン女優ぶりも話題ですね!

それではさっそく、ネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

 

『生徒が人生をやり直せる学校』のネタバレあらすじ

桜舞う春。

新任体育教師の樹山蒼一(平野紫耀)は期待に胸をふくらませ、槇尾高校へ!

 

ところがいきなり掃除をしている校務員さんに『なんかちょーだい』と絡んでいる生徒たちを目撃。

やめさせようと声をかけると、それは校務員さんではなく、校長の吉岡(國村隼)だった!

 

一方、同じく新任教師の岡部薫子(浜辺美波)は、職員トイレでメイクをする茶髪の相良ルル(田辺桃子)緑川姫希(河合優実)小嶋岬(桜田ひより)と遭遇。

岬がタバコを吸おうとしているのを見て、あ然とする。

 

しかしそんなのはまだ可愛いものだった。

始業式で新任の挨拶をすることになった樹山と桜子は目を疑う。

生徒たちはお菓子を食べたり寝っ転がったり踊ったり、誰も話を聞いていない。

 

何より驚いたのは、そんな状況でも誰も注意しないこと。

そして笑顔で迎える校長。

『みんな、よく来てくれた。今日から新学期だ。私からはひとつだけ。

明日も来てくれ。以上』

 

いったいこの学校はどうなっているのだろう?

 

そのとき、バイクで体育館に乗り込んでくる生徒が!

ケンカ、タバコ、器物破損など問題ばかり起こしている、3年の木の葉陸也(道枝駿佑)だ。

 

『木の葉!』

教頭の原田(伊藤英明)が立ちはだかると、面白いとばかりに木の葉は原田に向かってバイクを走らせる。

原田がそれを受け止め、樹山は『うそ~っっ』

 

『バイクはダメだろ!』

これはさすがに怒られると思いきや、寝坊しちゃったんでお隣さんのバイクを借りちゃいましたという木の葉に、早く置いてこいと教頭は冷静に対応。

 

木の葉は目を丸くしている樹山に微笑み、行ってしまった。

 

槇尾高校の方針

その後も、教頭に『ケンティ~!』と抱きつき、友達のように話しているルルを見かけ、樹山と薫子はあ然。。

 

『この学校はどうなってんすかね?

バイクで学校に来たら普通もっと注意しません?』

 

樹山は職員室で薫子にひそひそ話しかけるが、話はだだ漏れ!

それを聞いた校長たちは

『やるか』『やります?』『やっちゃいます?』

と”ミーティング”という名の飲み会を開催!

この高校のやり方を樹山たちに伝える。

 

槇尾高校には、たしかに困った生徒がたくさんいる。

でも彼らには、そうなってしまう原因がある。

必要なものが買えない、

希望する進路に進む金がない、

家計を支えるために働かなければならない、そういう子が増えている。

 

『よ~く見ていたらわかります。

困った生徒たちは本当は“困っている”生徒なんだって』

 

そんな生徒が、どうしたら教師に心を開いてくれるか考えた結果、

槇尾高校では校則をひとつやめてみた。

 

学校さえ来てくれれば、あとは自由。

ピアスも化粧も、ご自由にどうぞ。

 

厳しく締めつけて学校に来なくなったら元も子もない。

他に行くところがなくて槇尾高校に来ているのに、ここを追い出されたらどこへ行く?

 

なにはともあれ、学校に来てくれたら「よく来てくれた」

そして願わくは「明日も来てくれ」

まずはなにはともあれ、「おはよう!よし!」

 

樹山たちにしてほしいのは、

生徒たちの心に徹底的に寄り添い、支援すること。

 

『なにがあっても諦めない!』

『諦めない』

教頭たちが次々とジョッキをかかげ、樹山と薫子もジョッキを合わせ、乾杯する。

 

こうして樹山と薫子の勤務初日は終わった。

 

前途多難

翌日。

さっそく樹山は、校長たちに言われたことを実践!

 

『おはよう!よし!今日もよく来てくれたな』

と、屋上でたむろっていた2年の乃木翔(板垣李光人)堺虎太朗(水沢林太)田島湊斗(青木柚)に満面の笑顔で挨拶するが、『誰?』と言われ、がっくり…。

 

『相談にのるぞ』と木の葉に言ってみるものの、見事にウザがられてしまう。

 

一方、偶然、岬が妊娠していることを知った薫子は、『生徒に寄り添ういい機会だ』と教頭に言われ、岬を担当することに…。

 

異星人

だがそうは言うものの、廊下でお菓子を食べながら歩いてるような生徒たちにどう寄り添えばいいのか。。

 

『わけわかんねぇ』

と思わず、樹山がつぶやくと、

『その気持ち、よぉくわかります!異星人を相手にしてるような感じ?』

と突然、三田先生(井之脇海)が現れ、樹山はびっくり!

 

別の学校に移れるまで、最短で4年。

三田はまだ2年あるが、ダメもとで異動願を出しているという。

 

樹山が帰ろうとすると、なぜか下駄箱の中の靴が外に。。

不思議に思いながらも履いてみると、靴が接着剤でくっつけられていて、勢い余った樹山は棚に頭をぶつけ、流血!

 

翔たちに大笑いされ、頭にきた樹山はある決意をする…。

 

手痛い洗礼

翌日。

薫子は職員トイレに岬を呼び出し、

『もしかしておなかの中に赤ちゃん、いるんじゃない?よかったら相談にのるよ

と話を切り出す。

 

『じゃあ、ここに入ってもらっていいですか?顔見られると話しづらいんで』

 

岬は個室トイレを指さし、

薫子が中に入るとほうきでドアが開かないようにし、上からホースで水をびしゃー!

 

びしょびしょになった薫子は職員室へ行き、

『原田教頭、他の学校に異動させてください。こんな目にあわされて私…』

と泣きそうな顔で訴える。

 

すると『森井先生は牛乳でしたよ』山野先生(北村有起哉)がハンカチを差し出し、他の先生も生徒から手痛い洗礼を受けたことがわかる。

 

でも、1番きつかったのは三田先生。

無視というより、存在自体ないものにされて…(;´д`)

 

その点、水をぶっかけるというのは「反応してくれた」ということ。

彼らは思ったことをうまく言語化できず、行動で伝えてくる。

なにかしら感情が揺れ動いたから、水をかけたのだ。

 

『まだこれからじゃない?』

教頭はそう笑って言うが、薫子にはなんで先生たちがそんなに平然としていられるのかわけがわからなかった。

 

試し行動!?

その後、実は樹山が異動願を出そうとしていたことを知り、

教頭は『そりゃあ悪かったな。いちおう預かっておこうか』と笑って受け取ろうとする。

 

でも人のふり見て、我がふり直せ。

樹山はすっかり異動願を出す気がなくなっていた。

 

『樹山先生は、翔に試されてるんじゃないの?』

 

教頭曰く、ここにいる子たちは今まで大人に愛情をうけていない子が多いという。

大人は信用できない。だから、樹山が信用できるかどうか試している

 

現に翔は樹山の授業をさぼっていたが、本当は体育が好きだという。

中学までは陸上をやっていて、好きな漫画は「進撃の巨人」。

教頭の頭には、だいたいの生徒の情報がインプットされていた。

 

『なんか刑事みたいじゃないですか!』

樹山が感心すると、

『お?じゃあ行ってこい、樹山刑事!』

と教頭は、翔のあとを尾行するよう指示を出す。

 

わかろうとする努力

一方、ジャージに着替えた薫子は、正直、あの子たちの気持ちがわかるとは思えないと校長に弱音を吐く。

 

すると『そうですね。神様にもわからないかもしれない』と校長。

でも、わかる努力を怠ってはいけないという。

 

うちの学校には、相談できる大人がいない生徒が多い。

だからせめて教師が親代わりになってあげられたら…。

そういう思いで、校長たちは生徒たちのプライベートな部分にも関わっていた。

 

生徒たちの抱える事情

一方、翔のあとを尾行していた樹山は、翔に小学生の弟妹がいて、4人きょうだいなことを知る。

 

唐揚げをせがまれてもお金がなくて買えず、代わりに校長からもらったおにぎりを弟たちに渡す翔。

 

家に着くと、翔は幼い弟妹のめんどうを見ながら、干してあった洗濯物を取り込み、夕食を作る

 

翔の現状を目の当たりにし、樹山は生徒1人ひとりに事情があることを思い知る…。

 

その後、薫子と一緒に帰る途中、樹山は木の葉と遭遇。

 

木の葉は口元に殴られた痕があり、『ケンカしたのか?』と樹山は心配するが、

『転んだだけで~す』と、はぐらかされてしまう。

 

自分たちにできること

翌日。

教頭に聞かれ、樹山は翔の家の様子を報告。

すると、翔は今増えている「ヤングケアラー」だという。

 

翔の母親はシングルマザーで、ダブルワーカー。

4人の子供を食べさせるのは決して楽ではないだろう。

そんな翔のために、何ができると思う?

教頭は、樹山に問いかける。

 

それから樹山は、木の葉が顔にケガをしていたことを報告。

薫子も、木の葉はかなり動揺していたし、単なるケガではないと思うと言う。

 

実は木の葉の家も、母1人子1人で生活保護を受けていて、教頭たちはチームでフォローすることに。

 

まず山野は『このままでは卒業できなくなる』と、木の葉の遅刻を免除。

 

すると今度は森井先生(横内亜弓)がやってきて、

『木の葉く~ん!ケンカしたんだって?きれいな顔傷つけたのは誰よ。こう見えて先生、柔道5段なんだからやっつけてあげる』

と木の葉の笑いを誘う。

 

三田先生も木の葉に話しかけるが、お約束の『誰?』

『ちょっと俺、君の副担任なんだけど。三田だよ、三田~』

 

それぞれができることをやっている姿を見て、薫子は勇気を出し、岬を職員トイレに呼び出す。

 

ただ、それだけ

『あんたもしつこいね~。また水ぶっかけられたいの?それとも仕返し?』

 

『私にそんな度胸ありません。1人で抱え込まないで相談してくれませんか?』

しかし『知らねぇよ』と岬は目をそらす。

 

『わかりました。顔を見られると話しづらいんですよね』

薫子は自らトイレの個室に入り、

岬の体調を気遣い、不安なこと、心配なことがあったら話してほしいと頼む。

 

『岬さんはどうしたいですか?

私は先生として、あなたの力になりたい。

私にできることは、あなたを応援することです』

 

それを聞き、岬は涙を流し、『子どもを産みたい』と教えてくれた。

 

翔が体育に参加しなかった理由

一方、今日も翔は体育の授業を見てるだけ。

『本当は体育好きなんだろ?なんで嫌いになったの?』

樹山が話しかけると、

グ~と翔のおなかが鳴り、体育に参加しなかったのはお腹が減るからだとわかる。

 

樹山はすぐに焼きそばパンを買ってきて、水で空腹を紛らわしていた翔に渡すが、翔はそれを払いのけ、拒否する。

 

でもそんなことでは樹山はめげない。

『早く食ってこいよ。後半戦行くぞ』

 

翔はむさぼるようにパンを食べ、涙した。

 

偽善者?

しかしその直後、事件が発生!

 

「腹が減ったら、体育の樹山まで!声をかけたら、パンあげます」

という落書きがすべての教室の黒板に書かれ、

樹山は『なんか食べさせてよ!』と生徒たちに追いかけられる羽目になったのだ。

 

いったい誰が黒板に書いたのか?

樹山が落ち込みながら帰ると、その途中で木の葉が現れる。

 

『あのさ、腹減った生徒にパン与えて満足?』

声を荒げる木の葉を見て、

『おまえか?黒板に落書きしたの』

と樹山は問う。

 

木の葉はそれには答えず、樹山の前に立ち、見下ろす。

 

『恵んでもらう生徒の気持ちなんてわかんねえだろ。

底辺の俺らをバカにすんなよ。

あんたみたいな偽善者、1番ムカつくんだよ』

 

木の葉が家に帰ると、母親(酒井若菜)は酒を飲み、酔っぱらっていた。

 

『母さん。飲みすぎだよ、もうやめなよ』

木の葉は母親から缶ビールを取り上げようとするが、

『やめてよ!だから帰ってくるなって言ってんじゃん。出てけ!』

と追い出され、公園のベンチで夜を明かす。

 

偽善者と言われても

翌日。

職員会議で、薫子は岬が子供を産みたいと思っていることを報告。

 

すると過去にも同じケースがあり、1人は中退したけど、1人は無事に出産と卒業を両立させたという。

その時は、なかなか子供を預かってくれる保育園が見つからず、大変だった。

 

そのとき、『木の葉の財布が公園に落ちていた』と連絡が。

木の葉は学校に来ておらず、携帯もつながらないため、代わりに樹山が財布を受け取り、家へ届けることに。

 

すると『出てけ!』という叫び声と何かが割れるような音がして、木の葉が顔を押さえて飛び出してきた。

 

木の葉が顔から血を流しているのを見て、

『殴られたのか?虐待じゃないのか?』

と樹山は家の中へ。

 

ゴミだらけの部屋に驚きながらも、

樹山は『息子さんのケガのことで話があります』と母親に伝える。

 

しかし木の葉は、

『この傷は転んだんだ。部屋もたまたま散らかってるだけで、いつもはちゃんとしてるんだ』

と母親をかばい、樹山の手を引いて外に出る。

 

どんなひどい目にあわされようと、母親は母親。

子供は母親のことを嫌いになれないのだ。

 

それを知った樹山は

『なんか腹減ったな。ラーメン食いにいかない?おごるよ』

と木の葉をラーメン屋へ連れていく。

 

権利

木の葉の母親は肝臓が悪く、酒を控えなければならないのに毎日酔っ払い、病院でもらった薬を飲んでいた。

 

『なんとかしなきゃな。このままでいいわけないだろ?少しでも変えていかないと』

樹山はそう言うが、

『変わんねぇよ。俺らみたいな底辺には権利がない』

と木の葉は悲しく言う。

 

明日を考える権利、将来を選ぶ権利、自分で行動する権利。

木の葉たちには何もない。

全部諦めるしかないという。

 

『なに言ってんだよ。そんな寂しいこと言うなよ』

明るく笑う樹山の笑顔と、温かいラーメン。

木の葉は少し救われたような気持ちになり、家に帰った。

 

『どこに行ってたの?』

母に尋ねられ、

『ラーメン屋。バイト代が入ったら母さんも一緒に行こう』

と木の葉は誘う。

 

しかし木の葉がラーメンをおごってもらったことを知ると母親は、

『そんなことしたら責められるのは私なんだよ。ちゃんと飯食わしてないとか、母親失格とか』

と怒り出し、謝る木の葉に当たり散らす。

 

でも本当は、そんなことを言いたいんじゃなかった。

そんなふうにしたいわけではなかった。

 

その夜。

母親は申し訳なさそうにそっと木の葉の寝顔をうかがうと、大量の薬を服用し、自ら命を絶った。

 

母の本当の気持ち

翌日。

木の葉から連絡をもらい、樹山は病院へ駆けつけた。

 

そのとき、木の葉は母親の携帯に残されていた自分宛ての未送信メールを見つける。

そこには母親の本当の気持ちがつづられていた。

 

ラーメン美味しかったの?よかったね。

 

今度一緒に行こうって言ってくれて嬉しかった。

 

それなのにごめんね、嫌な思いをさせて。

 

私がいなくなればもう陸也に迷惑をかけずに済むから、もう終わりにします。

 

陸也。こんなひどい母親だけど、あなたのこと大好きだった。

 

ごめんなさい。

 

それを読み、木の葉は初めて涙を流す。樹山は木の葉に寄り添うように、背中に手を添えた。

 

木の葉との別れ

その後、木の葉は栃木のおばさんの家へ行くことになり、転校することになった。

樹山はこのまま転校させていいのかと訴えるが、

『じゃあ、何か?木の葉がここにいたいと言ったら、おまえがめんどうを見るのか?』

と言われ、何も言い返すことができない。

 

引っ越しの日。

『何もしてやれなくてごめんな』

と涙ぐんで頭を下げる樹山に、

『しっかりしろよ。槇尾にはまだ俺みたいなやつがいっぱいいるから』

と木の葉は告げ、樹山に背を向け歩いていく。

 

『木の葉!・・・陸也!頑張れよ!』

 

樹山はただ、声をかけることしかできなかった。

自分の無力さを思い知った。

 

それでも容赦なく、時は過ぎていく。

 

新兵器投入!

校長は図書館司書として立花久美子(篠原涼子)を招き、新しい槇尾のやり方を模索することに。

 

立花はさっそく図書館を開放し、ひだまり図書館と命名。

健康なこころはまず食事からということで、みんなにパンやおにぎりを提供する。

 

文化祭は樹山の提案で、槇尾レンジャーに扮して踊ることに。

はじめは嫌がっていた校長たちだが、生徒たちに大うけし、大成功!

 

進路希望

そんなこんなでまた春がやってきて、樹山は3年の担任になった。

 

樹山はみんなに進路希望の紙を提出させるが、まじめに書いているものはほとんどいない。

生徒たちの中にはバイトして家計を支えている者も多く、夢があっても口にできないのだ。

 

槇尾高校の進学就職率は60%。

残りの40%の生徒も、アルバイトや家事手伝い、何もせずにフラフラしている子が多い。

しかも槇尾高校の評判はすこぶる悪く、槇尾出身だというだけで断られるケースも多かった。

 

そんなある日、立花はルルたちがある本を読んでいるのに気づき、樹山をお茶に誘う。

 

みんなの夢

15年前、立花は教師をしていて、吉岡校長に世話になったことがあった。

その時いた学校も評判の悪い学校で、退学になったり切り捨てられる子がいた。

けど立花はなにもできなかった。

だから槇尾にリベンジにきた。

 

でも今の子たちには元気がない。心が疲れている。

生徒たちの心の声をもっと聞いてあげなきゃ。

 

立花の話を聞き、樹山は放課後に「スペシャル相談」の時間を設け、生徒たちの話をじっくり聞くことにした。

 

翔は今、レストランで皿洗いのバイトをして家計を支えているので、第1志望は「バイト」。

そんな翔に『じゃあ、そこで働かせてもえらないのか?』と樹山。

でもシェフなんて無理だという。

 

一方、ルルは美容師、姫希には保育士になりたいという夢があった。

 

けど、ルルの家は貧乏で専門学校には行けないし、姫希の家は生活保護を受けている。

なんで世の中、こんなに不公平なんだろうと言われ、樹山は何も言うことができなかった。

 

そんな中、出産を終えた岬から『育児が大変なので学校を辞めたい』と電話があった。

 

薫子は岬に会い、高校を卒業したほうがいいと説得するが、

『いい高校に入って、いい大学を出た先生に私たちの気持ちはわからないよ。住む世界が違うもん。

槇尾みたいな高校を卒業しても意味ないよ』

と言われてしまう。

 

槇尾のプライド

そんなある日、山野の息子・洋介(山時聡真)がバスケ部に入部。

教師みんなで応援に行くことに。

相手はバスケの強豪・常高。薫子の母校だった。

 

試合を見にきた常高の生徒が、槇尾をバカにしているのを耳にし、

森井先生は『行け~!槇尾~!常高、ぶっ倒せ~!』と叫ぶ。

 

その瞬間、常高の生徒がファウルをかまし、槇尾の生徒は激高!

すかさず山野先生がタイムを取る。

 

『そういうのやめよう。そんなだから槇尾はってバカにされるんだよ』

洋介の訴えを聞き、

『正々堂々と戦って、槇尾の底力を見せてやれ!』

と山野先生は生徒たちをコートに送り出す。

 

試合は接戦になり、声に出して応援できなかった薫子も立ち上がって叫ぶ。

『頑張れ~!槇尾高校~!負けるな、槇尾~!』

それをきっかけに樹山たちも立ち上がって応援!

試合は槇尾が勝ち、洋介はガッツポーズを決める。

 

その帰り道、薫子はもともと常高の教壇に立つはずだったが、熱を出して採用試験に行けなくて、槇尾しか行くところがなかったことを樹山に打ち明ける。

 

それ以来、薫子もどこかで「槇尾なんて」と思っていた。

でも試合で頑張ってる生徒はかっこよくて、自分が情けなく思えた。

 

『たしかにかっこよかったですね』

樹山が言うと、

『負けてられませんね』

と薫子は気合いを入れ、いきなり走り出す。

 

その顔は笑顔で輝いていた。

 

インバイト作戦開始!

それから樹山と薫子は以前にもまして、生徒たちの進路指導に力を入れるように。

 

そんな中、槇尾市が高校卒業後、2年以上働けば、保育士の国家試験を受けられるプロジェクトを始動!

これならお金の事情で進学できない生徒も保育士を目指すことができる。

 

そのためには在学中にインターンとして5日間働く必要があり、

姫希はさっそく夏休み中、保育園で働くことに。

 

でも夜もバイトしている姫希は居眠りばかり。

樹山が土下座してなんとか乗り越えたものの、無給のインターンというのは槇尾の生徒には厳しかった。

 

そこで立花は、無給のインターンシップと有給のアルバイトを合体させた「インバイト」を提案

たとえば、美容師になりたいルルの場合。

お金がないので専門学校には行けないし、卒業後は家にお金を入れなければならない。

 

なので働きながら技術を学ばせてくれる店を探し、5日間、インターンとして働かせてもらう。

問題がなく、そのまま働いていいということになったら、アルバイトとして契約。

在学中はインターンとして給料をもらいながら働き、卒業後もそのまま働かせてもらい、美容師の試験を受ける。

 

さっそく樹山は受け入れ先を探すが、

「あの槇尾の生徒だろ」となかなか受け入れてくれる店は見つからなかった。

 

そんな中、槇尾市地域活性親睦会で、槇尾高校を代表して樹山がスピーチすることに!

 

槙尾高校の生徒は、夢があってもお金がなくて進学をあきらめている子が多い。

そういう子たちが自立するには、多くの大人の温かい支援が必要だ。

子供に親は選べない。

けど、貧困から抜け出す道は選べる。

インバイトは、そのためのプロセスだ。

 

『どうか若者たちを助けてください。彼らに希望を与えてください』

樹山が頭を下げると、薫子が立ち上がって拍手し、会場から拍手が起きた。

 

その後、美容室を経営している男性や、翔がバイトしているレストランのオーナーが声をかけてくれ、ルルたちを受け入れてくれることに!

 

君に届け

でも生徒たちにとって社会はそんなに甘いものではなく、

ルルは『店長怖いし、厳しいし、もうやめたい』と泣いて訴える。

『大丈夫、相良ならできるよ』

教頭はそんなルルを励まし続けた。

 

いずれ生徒たちはここを卒業し、社会に出ていく。

樹山たちにできるのは、生徒たちを応援すること。それだけだ。

 

そんなある日、樹山は翔から嬉しい報告を受ける。

 

『樹山!俺、シェフになることにした』

『決めたのか!』

『母さんに言ったら、やってみろって。

ありがとな!

 

『おう!』

樹山はこみ上げる涙をこらえ、笑顔で答えた。

 

その後

樹山が教師になって3度目の春。

吉岡校長が定年退職し、原田教頭が校長になった。

 

岬は学校を辞めた後も、成長した子供の顔を見せに来てくれる。

それだけで薫子は嬉しかった。

 

ルルはすっかり雰囲気も変わり、校長になった原田先生をシャンプーする。

 

原田にほめられ、『誰かにほめられたの初めてかも』と喜ぶルル。

原田は感動してポロリ。

 

『もしかして泣いてます?』

樹山たちはそんな原田をからかいながら温かく見守った。

 

樹山が生徒たちから学んだのは、

嬉しいことも楽しいことも悲しいことも苦しいことも辛いことも、

あらゆることから目をそむけず向き合うこと。

 

そのたび、いつも樹山は心の中で、木の葉に話しかけてきた。

 

今、木の葉はどうしているだろう?

樹山は伝えたいことがあって、木の葉が働いている自動車修理工場を訪れた。

 

車の下に入って修理していた木の葉は樹山を見つけると、

『おう、よく来たな』

と笑顔で樹山の前へ。

『樹山!…先生よ、腹減ったから、ラーメン食いに行くか』

 

木の葉が初めて「先生」と呼んでくれたことも、前に自分が言ったことを覚えていてくれたことも嬉しくて。

 

『そうだな、ラーメン食うか』

と樹山は涙をぐっとこらえ、笑顔でうなずく。

 

『おごってやるよ』

『おぉ~~~!』

 

2人の未来を照らすように太陽はさんさんと輝いている。

これからもずっと。

 

 

──ありがとう。

 

 

『生徒が人生をやり直せる学校』の感想

最初は生徒たちが何を考えているのかわからず、異動願まで出そうとしてた樹山が、生徒たちの事情を目の当たりにし、変わっていく。

その姿が自然で、いつの間にか見入っていました。

 

そして何より、そんな樹山と薫子を見守る先生たちの温かくてたくましいこと!

もう校長も教頭も、森井先生も山野先生も素敵すぎる!

 

でも何をしても怒らず、来てくれるだけでありがとうってすごい。

あんなに生徒たちと向き合ってたら、自分の時間はないだろうな…。

山野先生は家族がいるけど、他の先生はどうなんだろう。

とつぜん校長に呼び戻された立花先生も、いったい今まで何をしてきたんだろう?あまりにもハイスペックで、スーパーハケンの大前春子かと思いました(;^ω^)

 

生徒役の田辺桃子さんのカメレオン女優ぶりもすごかったですね!

ケンティー♡と教頭に甘えるとことか、後半は髪型も化粧もなじんでルルにしか見えなかった。

そこから美容室で働くようになり、ルルもいろいろあったんでしょうね。

教頭のシャンプーをしてあげる時には、髪をすっきりまとめ、メイクも上品になって清潔感あふれる素敵なお姉さんになっててびっくり!

ルルの成長ぶりにジーンとしまいました。

 

そして木の葉のお母さん役の酒井若菜さんも、途中まで全くわかりませんでした。

酒におぼれて息子に当たってしまい、チラリと見せる苦しげな表情。

だけど最後に遺書を書いているときはとても優しい顔をしていて、木の葉を本当に愛しているのが伝わってきました。

 

あんな別れ方をして、普通だったらその後どうなったのかわからないもの。

でも樹山はずっと心の中で木の葉に話しかけ、どんなに忙しくても木の葉のことを忘れなかった。

 

その思いが伝わってたんだろうなぁ。

最後に木の葉に会いにいくところは感動でした!

何も言わなくてもお互いに頑張ってきたことが全部伝わるような…。

 

見終わったあと、心が温かくなるドラマでした!

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました(=^・^=)

またの〜。