世にも奇妙な物語’21夏『三途の川アウトレットパーク』のネタバレあらすじと感想│未練があるとすれば1度きりの恋…。木村が選んだ最後とは…

にこ

今回は、2021年6月26日放送『世にも奇妙な物語’21夏の特別編』の1編「三途の川アウトレットパーク」のネタバレあらすじと感想をまとめました。

出典:フジテレビ

『世にも奇妙な物語’21夏の特別編』で放送された『三途の川アウトレットパーク』。

 

何度見てもすごくいいお話で、録画しておけばよかったと後悔するほど…。

 

なのでここでご紹介させていただきたいと思います。

 

原作は、漫画アプリ『サンデーうぇぶり』に掲載された寺田浩晃氏の読切です。

 

観たあとはしばらく、虫が殺せなくなるかもしれません。

『三途の川アウトレットパーク』のネタバレあらすじ

ある夜。

マンションの1室にカナブンが入る。

野球観戦中の男は、森野選手がサヨナラホームランを打ち、大興奮!

 

『やだ、虫!やっつけて!』

彼女に頼まれ、男はメガホンでカナブンをやっつけようとするが…。

 

ここで場面は切り替わり、1人の男(加藤シゲアキ)が川のそばで目を覚ます。

河原には積み石が並べられ、

「三途の川」と書かれた古ぼけた木の看板が立っていた。

 

『死んだのか…』

しかしその近くには、どーんとそびえ立つアウトレットモールが…!!!

 

そのとき、白い着物を着て角をはやした案内人・サイノ(芋生悠)が現れ、男に声をかける。

 

『木村孝さま。この度はご愁傷さまです。

ようこそ三途の川アウトレットパークへ』

 

ここはあの世で唯一のショッピングモール。

 

前世でためた徳を使って、来世のお買い物ができる。

 

エリアごとに様々な生物(人間、動物、昆虫、植物)に対応したありとあらゆる商品が取りそろえられ、

 

才能、見た目、環境など来世に必要なものが手に入る夢のショッピングモールなのだ♪

 

だが木村のポケットに入っていたのは、たったの6文

 

『どうやら死ぬ前に犯した罪がそうとう重かったようですね』

 

サイノに言われ、木村は女性からバッグを奪って逃げたことを思い出す。

 

すると『え〜!?わしの来世、レッサーパンダなの?』と嘆く老人の声が聞こえた。

 

見ると向こうの方で、福引大会が行われている。

前世で何になるかは、抽選でランダムに決められるのだ。

 

中には前世で徳を積んで大金を得たのに、来世が「虫」で怒り出す人も。。

 

木村は「人間」を引き当て『おめでとうございます!』と祝福されるが、

『別に・・・』と言ってその場を去った。

 

春と野球

三途の川アウトレットパークにはいろいろな店があり、500年に1度の決算セールということもあり、たくさんの人で賑わっていた。

 

「お悩み解消108」に「容姿屋Beauty」、「運命屋」。

来世でモテモテになりたい男性のための店もあったが、木村は興味なし。

中には「ノーベル文学賞受賞」なんて高額なモノまであり、こんなものまで買えるのかと木村は感心する…。

 

そんな中、木村は「野球の才能」800,000文と書かれたボールを取ろうとしている少年と出会う。

 

パジャマ姿の彼の名前は、田中春(潤保)

病気で運動ができなかったため、せっかく人間に生まれ変わるなら野球が上手になりたいと思ったのだ。

 

でも自殺は重罪

貯めていた徳も全て0になる。

なので春はお金を全く持っていなかった。

 

春の病気は外国で手術するしかなく、大金が必要だった。

両親はいつもお金のことでケンカしていて、春は全部自分のせいだと思った。

それで点滴が抜けているのに気づいてもナースコールを押さず、自ら命を絶ったのだ。。

 

『木村のお兄ちゃんは来世でどんなふうになりたい? 変わりたいとかない?』

 

春に尋ねられ、

『しいて言えば、目かな』

と木村は答える。

 

もう少し綺麗で、キラキラした目だったらもっとマシな人生を送れた気がしたから。

 

『ふーん。でも僕は好きだな、お兄ちゃんの目』

 

その時ふと木村の脳裏に、同じ言葉を言ってくれた女性の姿がよみがえった。

 

『やるよ、俺には必要ない』

木村は春にお金をすべて渡し、去ろうとした。

すると春は木村を「容姿屋 目玉館」に連れて行く!

 

木村の目

そこで春が持ってきたのは、緑色の綺麗な目だった。

 

試着もできると聞き、『つけてみてよ』と春はねだる。

木村はしかたなくその目をつけ、鏡で見た。

するとなぜか急に涙があふれ、頬を伝って落ちた。

 

木村はずっと目つきの悪さで苦労してきた。

 

ただ歩いているだけで『死んだ虫みたいな目で見てんじゃねーよ』と因縁をつけられたり、

仕事をクビになったり、

どこに行っても何をしてもその繰り返し。

どうしようもない人生…。

 

そんなときだった。彼女と出会ったのは…。

 

芽生との出会い

病院に給食を届ける仕事をしていた時のこと。

その日も配達が遅い、なんだその反抗的な目は…と文句を言われ、木村はイライラしてタバコに火をつけようとした。

 

すると『ここ、禁煙ですよ』と女性に話しかけられ、木村は舌打ちしてその場を去ろうとした。

 

でも『それってどんな味なの?私、吸ったことないから…』と言われ、それがきっかけだった。

仕事の合間のほんのわずかな時間、

木村は入院中の大原芽生(島崎遥香)と屋上で話をするようになった。

 

私は好き

『ねぇ、なんで目をそらすの?』

『・・・別に』

木村が目をそらすと、

『ほらまた目をそらした』

と芽生は言う。

 

木村は『目つきが悪いとよく言われるから…』と正直に話した。

 

『嫌いなの?自分の目』

『・・・・・・・』

『私は好きだけど、あなたの目。

ひねくれものの哀しい目だけど』

 

初めてそんなことを言われて木村は戸惑う。

 

子供の頃から入退院を繰り返していた芽生は、何かあるたびに『なんで私だけ…』と悲しい気持ちになったり人を妬んだりしていた。

初めて木村の目を見たとき、芽生は自分にどこか似ていると思ったのだ。

 

『それで俺に声をかけてくれたのか?』

『なんでだろ…? なんとなく…』

 

それでも木村は嬉しかった。

 

芽生の病気

そんなある日。

木村は珍しく配達を早く済ませ、花を持って芽生の病室に向かった。

 

すると中から母親のすすり泣く声が聞こえ、

芽生の家にはお金がないので手術が受けられないことがわかった。

 

『私はもうじゅうぶんだから…』と気丈に母親をなぐさめる芽生。

 

その時初めて木村は、芽生の病状が深刻なことを知ったのだった。

 

芽生を助けるために

その夜、木村が街を歩いていると、

『500万円もらったので、これで3人でフランスに行きましょう』

と興奮気味に電話で話している女性がいた。

 

それだけあれば芽生の手術代になる。

木村は女性からバッグをひったくり逃げた。

 

女性は泣きながら『お願い!返して!』と叫んでいた。

 

でも芽生の命と、他人の海外旅行。

天秤にかければ、答えは明白だった。

 

木村は病院に電話をかけ500万寄付するので、大原芽生の手術代にしてほしいと頼み、電話を切った。

 

すると刑事が現れ、木村は逃げる途中で歩道橋から転げ落ち頭を打って亡くなった。

 

別に自分が死んだことなんてどうだっていい。

たいした人生でもないし、やり残したこともない。

心残りがあるとしたら芽生のことだけ。。

彼女は元気になったのだろうか?

 

芽生との再会

すると『木村君…』と呼ぶ声がして、見ると芽生が立っていた!

 

『なんであんなことしたのよ、バカ…!』

 

芽生は怒って木村の肩をどつき、抱きしめる。

『ごめんね、私のせいで…』

 

どうやら手術はうまくいかず、芽生は亡くなってしまったようだ。。

 

でも芽生の来世は「人間」で、運命屋という店で「前世の縁を引き継ぐ御守り」を全財産をはたいて買っていた。

そうすれば、また来世で木村と会えると思ったから…。

 

そう微笑む芽生を見て、木村はなぜ自分がさっき泣いたのかわかった。

 

「私は好きだけど あなたの目…」

 

そう愛する人が言ってくれた、この目が。

大嫌いなこの目が…、大切だとわかったから。

 

木村は涙が止まらなくなり、芽生の前で泣きじゃくった。

 

来世への希望

それから春も加わり、3人で一緒にアイスを食べた。

木村は見てるだけだけど…

 

『生まれ変わったら、外で遊びたいな』

『私も』

と、前世の暮らしに夢をふくらませる芽生と春。

そんな2人を見ていたら、木村はなんだか来世が楽しみになってきた。

 

その時、「来世人間行き」の船が出るというアナウンスがあった。

 

船に向かう途中、春は家族で撮った最後の写真を落としていき…、

なにげなくそれを拾った木村はがく然とする。

 

なんと木村が500万円を奪った相手は、春のお母さんだったのだ…!

 

あの500万円があれば、春はフランスで手術を受けられたはず。

俺が殺したようなもんじゃないか…!

 

木村の決断

そう思った木村は、先に行っててくれと2人に頼む。

しかしいくら待っても木村は来ない。

出発時間が近づき、春と芽生は心配になった。

 

でも船の出発を遅らせることはできない。

その時、木村に頼まれサイノが緑色の眼球と野球の才能をのせた御盆を持って現れた。

 

『こんな80万文もするものをどうやって…!?』

 

2人が疑問に思っていると、

来世は「虫」だったはずの男が慌てて船着き場に走ってきた!

 

80万文で「来世は人間」と交換してくれるというやつがいたので、交換してもらったのだ!

 

それはおそらく木村のことだろう。

野球ボールの下には木村からの手紙が挟まれていた。

 

2人とも許してくれ。

 

俺はみんなと同じ船に乗ることはできない。

 

どうしても前世で犯した罪を償いたくて…。

 

そのためにはこうするしかなかったんだ。

 

それを読み、春は木村のもとに駆け出した。

 

『船に乗り遅れたら、人間に戻れなくなる』

 

そう言われても芽生は春を追わずにはいられなかった。

 

俺ができることなんてほんのわずかだけど、

 

少しでも来世の役に立ってくれたらとても嬉しいよ。

 

芽生は春をつかまえると、泣き叫ぶ春を抱きしめた。

 

俺の大切な2人の友よ。

 

来世でどうか幸せに…。

木村はアウトレットパークから2人が乗った船が出るのを見送った。

 

前世の縁

そして話は冒頭のシーンに戻る。

 

男が虫をメガホンで叩こうとしたその時、

『待って!やっぱり逃がしてあげない?』

緑色の目をした彼女が言った。

 

『なんで?いつもはすぐにやっつけろって言うくせに』

 

『なんでだろ…? なんとなく…』

 

彼女はこの虫は殺してはいけないような気がしたのだ。

 

テレビでは、勝利を決めた森野選手が感謝の言葉を述べている。

 

彼女はコップでふたをして捕まえたカナブンを覗き込むと、

テレビの中の森野に微笑みかけ、夜の空に向かってカナブンを放した。

 

 

カナブンはまるでお礼を言うように彼女の方に向かって1度近づくと、夜空の向こうへ消えていった。

 

 

──おしまい──

 

 

『三途の川アウトレットパーク』の感想

くぅー!いい話でした。

三途の川アウトレットパークの設定も面白く、前世で積んだ徳で来世に役立つ才能や容姿などが買えるなんてすごい。

 

来世がレッサーパンダになったおじいちゃんがちょっとうらやましかった。

もし生まれ変われるなら、私は来世は人間じゃないほうがいい。

 

春は前世の時とは全然違って、たくましい野球選手に。

芽生は緑色の瞳がきれいな娘さんになっていました。

 

そして芽生が買った前世と縁のある御守りのおかげで、虫になった木村は導かれるように芽生の住む部屋に入ります。

 

一瞬、叩かれてピンチの木村でしたが、虫の知らせか、間一髪のところで彼女が『やめて!』と。

 

前世の芽生と同じように、

『なんでだろ…?なんでかな…?』

というところが泣けました。

 

会えるまでに20数年かかったのかと思うとその間、木村は何してたのかな…と思ったりもするけど、ずっとアウトレットパークにいたのかな?

あちらとこちらの世界では時間の流れも違うのかもしれませんね。

 

このドラマを見たら、なんか虫が飛んできてもバシンと殺せなくなった。。

 

この世で会う人はみな、前世で縁があった人だといいますもんね。

そう思うと、ただその日すれ違っただけの人でも、なんだかすごいことのように思えます。

 

木村が人間ではなく、虫になった理由にも驚かされました。

まさか木村が奪った500万が、春の手術費用だったなんて。

 

短いストーリーの中に人生の悲喜こもごもが詰まっていて。。

春のお父さんお母さん、芽生のお父さんお母さんも2人に会いたがっているだろうから、どこかで会えていたらいいなと思いました。

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました(=^・^=)

またの〜。