『天使にリクエストを』最終回あらすじと感想│“さすらい”が心地良い!この上なく上機嫌なエンディング!

にこ

今回は、2020年9月19日放送『天使にリクエストを〜人生最後の願い〜』最終回【聖母バラッド】のネタバレあらすじと感想をまとめました。

救急車で運ばれてきた和子(倍賞美津子)。

 

実は彼女もまた末期がんだった。

 

自分の死期が近いことを悟った和子は、財団を寺本(志尊淳)に託す…。

 

一方、島田(江口洋介)は、和子に身寄りがないか調査するうち、

 

和子の本当の願いに気付き…!?

それではさっそく、最終回のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

 

その他のあらすじ
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『天使にリクエストを』最終回【聖母バラッド】のネタバレあらすじ

和子(倍賞美津子)が駅で倒れて救急車で運ばれた。

和子は半年前にも末期の胃ガンで入院しており、肝臓と腹膜にも転移していた。

 

サイレントエンジェルの事業を始めるにあたって、

看護師の寺本(志尊淳)は和子に連れてこられたため、当然和子の病気のことも知っていると思っていた。

 

でも寺本は和子に誘われただけで、和子の病気はおろか、どこに住んでいるのかも知らなかった。

 

以前、亜花里(上白石萌歌)が和子を尾行したことがあったが、

和子は1億もの資産を持っているのに5万6千円のマンションに住んでいた。

 

和子の素性

島田(江口洋介)がバー山猫のマスター・今久保(螢雪次朗)に調べさせたところ、

和子はもともと「オモチャのさわや」という関東に何十店舗もあった会社の社長だった。

 

練馬の駅前にあった小さなおもちゃ屋だった「さわや」を、娘が継いでチェーン店にしたらしい。

その娘が和子だったのだ。

 

でも「さわや」は90年代に大手ディスカウントショップに吸収合併され、

その時和子もリタイアしたという。

 

財団のお金は、自分の家や土地を全部売って作ったものだった。

 

和子には子どもがいることを知った島田と亜花里は、調査を開始した。

しかし息子さんは、「さわや」がなくなる前に自殺してしまっていた…。

 

寺本の夢

一方、寺本は和子のお見舞いに。

和子は、絵を描いている寺本をじっと見つめると

あなたはどうしてそんなに優しくなれるの?

と尋ねた。

 

でも寺本は『僕は優しくなんかないです。弱いだけです』と答える。

 

それを聞き、和子は急に目頭を押さえて泣き出した。

 

『どうしたんですか?』

『あなたの心があんまり綺麗だから、自分が汚く見えて…』

 

『なに言ってるんですか。和ちゃんはすごいことしてるじゃないですか。

僕、ずっとこういう活動をするのが夢だったんです。

だからそれを叶えてくれた和ちゃんは、僕の救世主なんです』

 

寺本はそう言うと、描き上げた絵を和子にプレゼントした。

そこには夕日に向かって走っていくエンジェルカーが描かれていた。

 

誰もが臆せずに最後の願いを口にできて、

こちらもそれを臆せず聴けるような、そういう社会にしたいんです

と、キラキラした瞳で夢を語る寺本を見て、

和子はサイレントエンジェルの活動のすべてを託すのだった。

 

寺本の素性を探る島田

その頃、島田と亜花里は寺本の母・尚子(羽野晶紀)が経営する訪問看護ステーションへ。

 

島田は尚子に、前から和子と面識があったのか尋ねるが、

尚子は『活動を始めてからですよ』と答える。

 

そこに寺本が帰ってきた。

島田がサイレントエンジェルの活動を広めたいと思って来たと誤魔化すと、

寺本は『今、和ちゃんともそのことを話してきたんです』と嬉しそうに声を弾ませた。

 

一緒に暮らさないか

一方、島田とやり直すことを決めた時恵(板谷由夏)は、島田の活動を支えようと思っていた。

 

時恵の父・三井(山本學)の49日法要の後、

島田は『また一緒に暮らさないか』と時恵に言う。

 

聖哉もきっとそれを望んでいるよね…

 

時恵はふたりが眠っているお墓の前で、今までのことを詫びると、

島田と再出発を誓い合うのだった。

 

ミニカーと和子

そんなある日、退院した和子は島田たちと一緒に家に帰った。

すると部屋の片隅に、古いミニカーの立体駐車場のおもちゃが飾られていた。

 

昔、僕もこういうの持ってたんですよ〜

寺本はそう言うと、童心に帰って遊び始めた。

その様子を和子はそわそわしながら見つめていた。

 

その夜、寺本はミニカーのおもちゃの空き箱を母・尚子に見せた。

ねぇ、このおもちゃってお父さんが死ぬ前に買ってくれたんだよね?

僕にとって、お父さんとの思い出ってこれだけだから…』

 

『だからなぁに?』

仕事の手を緩めない尚子に向かって、寺本は思い切ったように告げる。

佐藤和子さんが持ってたんだ。

年代はもっと古いものだけど、大事に飾ってて』

 

すると尚子は一瞬、驚いたように手を止めた。

 

この箱さ、“さわや”の袋に入ってたんだ。

佐藤和子さんが経営してたおもちゃ屋さん。

これって偶然だよね?』

 

それを聞いた尚子は観念したように、佐藤和子が寺本のおばあちゃんだと認めた。

 

和子が財団を作った理由

一方、島田と亜花里は、和子と一緒に夕食を食べようとしていた。

 

『退院させられたのよ』と弱気な和子に、

亜花里は『何言ってるの、これからの人生を楽しむために帰ってきたんでしょ?』と笑顔で言う。

 

そんな2人の優しさに触れ、和子はポツリと『私、幸せよね…』と呟く。

 

それを聞いた島田は『寺本に本当のことは言わないつもりですか?』と尋ねる。

 

和子がこの活動を始めた本当の理由は、

実の孫である寺本の夢を叶えるためだったのだ。

 

息子を死なせてしまった和子

和子はシングルマザーで、絶対に息子を幸せにするんだと頑張って会社を大きくした。

ところが息子=寺本の父は尚子と出会い、訪問看護の事業を始めるという夢を持った

 

でも和子はそれに反対

子どもが夢を持つというのは素晴らしいことなのに、その時の和子は何もわかっていなかった…。

 

その後、尚子たちは事業を始め、寺本が産まれた。

しかしトラブルが起きて資金繰りに困り、寺本の父は和子を頼った。

 

だが和子はその申し出を断り、

寺本の父は心を病んで、自殺してしまった。

 

それでも和子は、最後にお願いがあると尚子を訪ねた。

 

『あなたの遺産は受け取りたくありません。

でも今、あの子は訪問看護師をしています。

もし何かあったらあの子を呼んでやってください』

 

尚子はそう言うと『あの子がどんなふうに成長したか見てください』と涙ながらに頼んだ。

それが尚子の、夫を死に追い込んだ和子への意地だった。

 

和子はその後、尚子から寺本がどういう青年なのか、

どういう夢を持っているのか教えてもらった。

 

その時思い出したのが、入院していた時に同室だった大松幹絵(梶芽衣子)だった。

それで最後の願いを叶える財団を作りたいと思い、島田に依頼したのだ。

 

『正解だったわ。

私、やっと正解を見つけたの。息子のために、孫のために。

でも結局、自分のためにお金を使っただけに過ぎなかった…

 

和子の言葉を聞き、島田はそれを正直に寺本に話してみては?と提案する。

でも和子は、寺本があんな素敵な青年になっていたのがわかっただけで十分だと言う。

 

ねぇ、お願い。もうテラちゃんに何も言わないで?

これが私の、最後の願い』

 

和子に頭を下げられ、島田はもう何も言えなかった。

 

和子のしたことが許せない寺本

その後、マンションから出た島田たちは、寺本を発見する。

しかし島田たちに気付いた寺本は逃走!

 

追いついた島田たちに、寺本は『財団をやめたいんです』と思いつめた顔で告げる。

 

そこで島田は場所を変え、事務所でゆっくり話すことにした。

 

 

寺本は、和子が寺本の願いを叶えたいという個人的な理由で事業を起こしたことに腹を立てていた。

 

『佐藤さんがこの事業を始めた動機はあまりにも身勝手です。

そんなんだから!……父のことも死に追いやったんでしょう』

『それは関係ないでしょ?』

『関係ないなら、この活動をすることも関係ないよね?あの人には何も』

 

すると島田は、和子も同じようなことを言っていたよと話し出す。

人のためにと思ってしたことが、いつの間にか自分のためになっていたと…。

 

『でもそれのどこがいけないんだ?』

 

島田も今まで間違ったことばかりしてきた。

その間違いを正そうとして、また間違って…、

そんな人は大勢いる。

 

幾つになったって人は間違える。

けどそのぶん、人のことを想えるようになる。

人を想うことが、自分を想うことに繋がる。

 

それが島田が、依頼人を通して教わったことだった。

 

それを聞き、寺本の頬を涙が伝い落ちる。

 

佐藤さんの願いは、お前に最後まで真実を明かさないことだ。

たとえ間違ってたとしても、それがお前のためになると思ってるんだよ。

どうかその願いを叶えてやってくれないか?

それができるのは寺本しかいないんだ』

 

吹っ切れた寺本

翌日、寺本は和子のもとを訪れ、今日はデイサービスに行ってみませんかと誘った。

下には島田たちが待っていて『ようこそサイレントエンジェルに』と笑顔で迎えてくれた。

 

和子が着くと、寺本の母・尚子が笑顔で出迎えてくれた。

寺本は和子の乗った車椅子を押していくと、

デイサービスに来ていた人たちに、サイレントエンジェルの理事長だと和子を紹介した。

 

『佐藤さんは昔、“さわや”という大きなおもちゃ屋さんを経営していました。

そして今は最後の時を大事にしようとしている方々の力になろうとしています。

僕の尊敬する…、大好きな僕のおばあちゃんです』

 

それを聞き、和子はハッとして、戸惑いながら寺本をちらりと見上げる。

寺本は少しはにかみながら、和子に微笑んだ。

 

さすらいながら

その帰り道、エンジェルカーは海辺の道を一直線に走る。

 

『和ちゃん、何か聴きたい歌はないですか?』

亜花里が尋ねると、和子は『テラちゃんはどんな曲が好きなの?』と寺本に訊いた。

 

それに応えて寺本がかけた曲は、奥田民生の『さすらい』

 

元気よく寺本が歌い始め、一行は途中で海に立ち寄る。

亜花里が歌い、その後を島田が続け、寺本が歌う。

エンジェルカーの中は大盛り上がり。

和子も一緒に口ずさむ。

 

そして最後は海をバックに記念撮影!

 

 

そして今日も人々の最後の願いを叶えるため、エンジェルカーはどこかの街を走っている。

 

〜『天使にリクエストを』終〜

 

『天使にリクエストを』最終回の感想

最後はいろいろあったけど、明るい終わり方でよかった〜!

『さすらい』がこんなにエンジェルカーとマッチするなんて思わず、テンションアーップ!

 

最後にいろんな街を走っていくエンジェルカーの後ろ姿が、

これからもたくさんの人たちの願いを叶えていくんだなという未来を感じさせてくれて、ジーンとしました。

 

でも和子が財団を起こした理由が、寺本の夢を叶えたいという理由だったなんて…。

 

和子が島田を選んだように、

なんで寺本が連れてこられたんだろうというのが心に引っかかっていましたが、

寺本が孫だとわかり、納得でした。

 

自分が援助を断ったせいで、息子さんが亡くなってしまったというのは、

本当に言葉では言い表せないくらい辛いことだと思います。

いつも明るくて包容力のある和子からは想像もできないくらい、

辛い傷を和子自身も抱えていたんですね。

 

入院した和子が急にオーラが消えて、弱々しい感じになってしまって、

寺本を見つめる目が切なかったなぁ…。

 

そして寺本くんが描いたエンジェルカーが夕日に向かって走っていく絵が、ほんとに綺麗で。

 

優しく思いやりのある子に成長した寺本を見て、

自分は息子を死に追いやった…と自分を責める和子が痛々しかったです。

 

だけど最初の理由はどうあれ、家も土地も売り払って財団を起こすというのは凄いことだと思います。

それまでおそらくなんの希望もなく生きてきた和子を、

寺本の夢がキラキラとよみがえらせてくれたんだ。

 

寺本が吹っ切れて、和子のことを僕の自慢のおばあちゃんだと言ってくれたとき、本当によかったと思いました。

 

そういえば、人を幸せにしたかったら、自分がまず幸せになれって、よく言われたっけなぁ。

人を想うことが自分を想うことに繋がるし、

自分が幸せになることで誰かが幸せになることもある。

すべては繋がり、巡っていくものなのかもしれないと思いました。

 

人の傷に触れることは辛く、見ていて辛いときもあったけど、

最後はみんな生き生きとした笑顔でよかったです。

 

私も自分自身を見つめ直すいい機会になりました。

 

それでは最後まで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/

またの〜。

 

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