『ライオンのおやつ』4話ネタバレと感想│変わる勇気。このままで本当にいいの…?

にこ

今回は、2021年7月18日放送『ライオンのおやつ』4話のネタバレあらすじと感想をまとめました。

雫(土村芳)は本当のことを父・弘人(石丸幹二)に言えず、悩んでいた…。

 

そんな中、ライオンの家に新しいゲストがやってくる。

 

“先生(三浦浩一)”と呼ばれるその人は、怒鳴りまくる困った人で…!?

それではさっそく、4話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

『ライオンのおやつ』4話のネタバレあらすじ

島に朝がやってきた。

ライオンの家での暮らしにも慣れ、雫(土村芳)はいつも調子のいい粟鳥洲さん(和田正人)に言い返せるくらい たくましく成長していた。

 

でも笑って過ごしてばかりいるわけではない。

父・弘人(石丸幹二)に本当のことを言えず、雫は苦しい気持ちを抱えていた。

 

弘人の家では、娘・梢(新井美羽)が『警察に相談したほうがいいんじゃない?』と言い出すほど話が深刻化していた。

 

何も言わずにマンションを引き払って会社を辞めるなんて、やはり雫の身に何かあったのだろうか?

弘人の不安は日に日に増すばかりだった…。

 

そんな中、ライオンの家に新しいゲストがやってくる。

白いスーツに身を包んだ男性(三浦浩一)は足取りもしっかりとしていて、颯爽と自分の部屋へ入っていった。

 

ライオンの家ができた理由

夜、雫がベッドで寝ているとマドンナ(鈴木京香)がやってきた。

「月桃」という島の名産のオイルを手にとり、雫の手をマッサージしながら、マドンナは自分の生い立ちについて語りだした。

 

マドンナは養子だった。

物心つくころにはもう施設にいた。実の両親のことは知らない。

 

中学生のころ、育ての親が引き取ってくれた。

しばらくして母が亡くなって、それから父と2人でずっと生きてきた。

 

その父も晩年、がんになり、苦しんだ末に病院のベッドの上で亡くなった。

マドンナは『島に帰りたい』という父の願いを叶えてあげることができなかった。。

 

そのことでずっとマドンナは自分を責め続けていた。

治療を切り上げて少しでも父を笑顔にしてあげたほうがよかったんじゃないか?

そう思って、このライオンの家をつくった。

 

1人でも多くの人に、幸せに旅立っていってもらえるように…。

 

百獣の王であるライオンは、敵に襲われる心配がない。

もう安心して食べたり寝たりしていいのだ。

 

『なれたら…いいな。。ライオンに…』

 

雫はマドンナの温もりと優しさに包まれながら、そう思った。

 

怒鳴りんぼうな先生

翌朝、雫が部屋を出ると男性の怒鳴り声が聞こえ、部屋からマドンナが慌てて出てきた。

どうやら男性に、持っていった朝食を拒否されてしまったらしい。

 

『大変ですね…』

雫がマドンナに声をかけると、

『時間が、必要です』

とマドンナは笑みをつくり、去っていった。

 

男性の部屋の前のプレートには「先生」と書かれていた。

 

食堂に行くと、シスター(梅沢昌代)ヘルパーさん(伊藤修子)カモメちゃん(蔵下穂波)が集まっていた。

 

これから歌を歌うというので、雫も一緒に歌うことに。

シスターが選んだのは「君の贈り物」作詞:阿久津英司、作曲:宮本祐也という、昔流行った懐かしのメロディーだった。

 

カモメちゃんのギターに合わせて、雫もカスタネットを叩く。

料理中のシマさん(かとうかず子)舞さん(濱田マリ)も加わって賑やかに歌っていると、

『最悪だ…』

と部屋のベッドで布団をかぶっていた先生が叫び、食堂に乗り込んできた。

 

『へたくそ!静かにしろ!』

 

すごい剣幕で怒鳴りつけて去っていく先生。

でもその気持ちが少し、雫にはわかる気がした。

 

雫も「助からない」とわかったとき、そうだったから…。

 

それはマスター(モロ師岡)もアワトリスさんも一緒だった。

 

怖くて、イライラして…。

なんでこんな貧乏くじをひくんだと思った。

 

そう考えると、雫たちは先生のことを責める気持ちになれなかった。

 

先生と奥さん

マドンナは先生にも、おやつのリクエストについて説明した。

すると先生は怒って、

『そんなになれ合いが好きか?みんなで歌ったり、おやつを食べたり…。

俺は1人になりたくて来たんだ!』

とライオンの家を出ていこうとした。

 

そのとき、チャイムが鳴り、先生の妻・洋子(根岸季衣)がやってきた。

ドアが開いて洋子の顔が見えると、さっきまであんなに横暴だった先生は黙り込み、暗い表情になった。

 

どうやら先生は今までにも何度も、こうして気に入らないことがあるとすぐにホスピスを変えてきたらしい。

 

『阿久津の妻です。主人がご迷惑をおかけしております。

あなた…』

『東京には戻らない。ここで1人で死んでいく』

 

『わかってる。私、あなたを迎えにきたわけじゃないの』

 

洋子は、先生に離婚届を渡しにきたのだ…。

 

無言で部屋に戻っていく先生を見て、

『いつもそう…。都合が悪くなるといつも引きこもって…』

と洋子はつぶやく。

 

床にはクシャクシャに丸められた離婚届が転がっていた。

 

先生の正体

『余命短い夫に離婚届を突きつけるなんて、ひどい妻だと思う?』

 

洋子は陰で見ていた雫に気づき、食堂で話をした。

 

先生の本名は、阿久津英司。

昨日みんなで歌った「君の贈り物」は、先生が作詞した曲。

若い人は知らないかもしれないけど、先生は結構人気のある作詞家だった。

 

才能はあったけど、家ではひどかった。

〆切に追われていつもイライラして、洋子に当たり散らした。

ずっとそれに耐えてきた。

 

それなのに、がんになったとき、先生は言った。

『がんになったのは、おまえのせいだ。おまえがいつも俺を苛立たせるからこんなことになったんだ!』

遺産目的で毒でも持ったのか…と。

 

子どもっぽい人だから、本心じゃないのはわかる。

でももう疲れた。

だから、洋子はこれからは自分の人生を生きることにしたのだ…。

 

洋子は最後に先生のドアをノックし、帰ることを告げた。

でも先生はベッドの上に寝たまま、起きようとしなかった。

 

涙ぐみながら去っていく洋子。

その日の夕食も、先生は食べなかった。

 

後悔

夜、雫は激しい痛みに襲われ、缶の中に入っていた痛み止めを飲んだ。

最後の1錠だった。

 

部屋の外に出ると、先生が冷蔵庫の中を物色していた。

ご飯も食べずに酒を飲む先生に、雫はおずおずと話しかけた。

 

『先生は、ごはんは食べないんですか?

ここのごはん、美味しいですよ。

いつもシマさんが工夫して作ってくれるし、舞さんの作るおやつも美味しいし…』

 

すると『黙れ黙れ!』と先生は缶ビールをテーブルに投げつけ、怒鳴り散らした。

怯える雫の姿が、若いころの妻と子の姿と重なった。

 

雫がスタッフを呼びにいくと、先生はそんなどうしようもない自分を恥じた。

 

そんな先生の目にふと飛び込んできたのは、おやつのリクエストボックスだった。

 

先生のおやつ

そして日曜のおやつの時間がやってきた。

3時の時報が鳴り、マドンナが手紙を読み始めると、先生が部屋から出てきた。

 

『私の思い出のおやつは、靑蘭堂のレーズンサンドである。

大学時代、詩の世界にはまっていた私は、バイト代のほとんどを詩集の自費出版につぎ込んでいた。』

 

それを聞き、雫はその手紙が「先生」が書いたものだと気づいた。

 

給料日前のある日、先生がアパート近くの靑蘭堂で何時間も作業していたとき、

そこで働いていた洋子が『店長には内緒ですよ』と先生に差し入れをしてくれた。

それが、靑蘭堂のレーズンサンドだった。

 

彼女は昔からそういう人だった。

 

私はずっと彼女に頼っていた。

 

後にも先にも、あんなにうまいおやつはない。

 

舞さんがレーズンサンドを再現し、パッケージはスタッフのシンちゃん(名村辰)が再現してくれた。

 

みんなが美味しそうにレーズンサンドを頬張る中、先生はじっとそれを見つめ、涙ぐみながらかぶりついた。

 

そんな先生の姿を、マドンナも雫も温かいきもちで見守っていた。

 

このままじゃダメですよね…?

夜。

眠れずに携帯を見ると、弘人からメッセージが届いていた。

 

今、どこにいるのか教えてほしい。声が聴きたい。早苗(西田尚美)も梢も心配しているという切実さを感じるもの…。

 

雫が部屋の外に出ると、先生がクシャクシャになった離婚届を見つめながら座っていた。

 

立ち去ろうとする先生に、雫は言った。

 

『私も、おんなじなんです。家族に言わないでここに来ました。

今もまだ言ってなくて…』

 

最初は心配をかけたくなくて、1人で死のうと思った。

でも違った…。

雫は心配してほしかった。

こうして心配してくれるのが嬉しかった。

 

幼いころ両親が他界してから、叔父の弘人とずっと二人三脚で生きてきた。

ずっとそれが続くと思っていた。

 

でも弘人が結婚して子供が生まれて新居に引っ越した時、ここにはもう自分の居場所はないと思った。

雫には入れない、別の家庭。

弘人に『一緒に住めばいいのに』と言われたけど、

『1人暮らし、楽しいし』と雫は断った。

 

実の両親と一緒に撮った家族写真だけもらい、雫は帰った。

 

でもやっぱり、こうして心配してくれると嬉しくて。

私も家族なんだなぁと思って嬉しくて。

 

『けどダメですよね。ちゃんと言わないと…』

雫が言うと、

『俺もケジメつけないとな…』

と先生が言った。

 

人を笑顔にさせる曲

『出てけよ!』と洋子に当たり散らして病室から追い出した時も、

洋子は靑蘭堂のレーズンサンドを持ってきていた。

 

床に落ちて砕けたそれを拾い上げ、先生は泣いた。

 

あれが最後のチャンスだったのかもしれない。

つき合ってるころ、洋子は言っていた。

「人の幸せは周りの人をどれだけ笑顔にできたかだと思う」と。

 

なのに先生はいつも家族に当たり散らし、笑顔にすることができなかった。

 

先生は家を出て、靑蘭堂で作詞を始めた。

1枚のレーズンサンドを注文した先生は、持ってきてくれたウエイトレスさんに洋子の姿を重ね、歌詞を書き始めた。

 

君は言うよね

 

人の幸せはどれだけ周りの人を笑顔にできるかだって

 

でも結局、先生は洋子を笑顔にできなかった。

いいかげん自由にしてやらないと…。

 

長い沈黙の後、雫も言った。

もう、私も甘えるのはやめよう。

 

鼻歌を歌い始める雫。

それを聞き、先生はハッとする。

この前、シスターたちと一緒に歌ってからずっと頭の中で回っているのだ。

先生が作詞した「君の贈り物」が。

 

声に出して歌詞を歌ってみて、

『やっぱり、いい歌』

と雫は微笑む。

ライオンの家の人たちはみんな、この歌が大好きだった。

そう伝えると、初めて先生は微笑んだ。

 

〽でも、もう戻れない

 

僕の幸せは、君を笑顔にさせることなのに

 

雫の歌に、先生が歌声を重ねる。

 

暗闇の中で雫の顔がパッと華やいだ。

 

変わる勇気

翌日、鮮やかなオレンジ色のカーディガンをはおった先生が、水色の封筒を手にして出てきた。

 

『郵便局はどこだ?』

これから離婚届を出しにいくのだと気づいたマドンナは、こちらで出しておきましょうか?と笑顔で尋ねる。

 

でも先生は自分で出しにいくという。

『郵便局はちょっと歩きますよ』

マドンナは先生を連れて外へ出ていった。

 

その頃、雫は力強い足取りで明日葉畑へ向かっていた。

 

畑作業をしているタヒチ(竜星涼)を見つけると、雫は息を切らせながら『こんにちは!ちょっとだけいいですか?』と明るく話しかけた。

 

『私、変わろうと思います。

簡単なことじゃないと思うけど、自分の人生、最期まで諦めずに変わる努力をしていこうと思います。

だから田陽地さん、ひと言言ってもらっていいですか?』

 

死ぬのは、お前だ。だから、やりたいようにやれって

 

雫はタヒチに背中を押してもらいたかった。

 

タヒチは迷った末、言った。

 

『死ぬのは雫さんなんだから、やりたいようにやってください』

 

『ありがとうございます』

さっぱりとした表情を浮かべ、でも一瞬泣きそうな顔をして雫は来た道を歩いていく。

 

父への電話

その夜、雫は弘人に電話した。

ウィッグをはずし、ありのままの自分の姿で。

 

がんになって、ホスピスに来ていること。もう助からないこと。

ライオンの家のこと。

マドンナのこと。ライオンの家にいるみんなのこと。

ライオンの家で食べられるご飯のこと、おやつのこと。

 

雫が冬までもたないだろうと言われていることを知った弘人は、すぐにでもライオンの家に飛んできそうな勢いだった。

でも雫はここで1人で死ぬ覚悟をしたと告げる。

 

『1人って…!もう、会えないってことか?』

『……うん。。』

『そんなバカな話!』

『バカな話だよね』

 

でもお父さんといると、雫はクヨクヨしてしまうから。

大好きだから。

一緒にいると死にたくないとか、こんな病気になってごめんなさいとか、お父さん悲しむだろうなとか、考えてしまう。

だから…、だからお願い。

 

『わがまま言って、本当にごめんなさい。

今まで育ててくれて、ありがとう…。

大好きだよ、お父さん 』

 

雫は上を見上げて涙をこらえ、おやすみなさいと言った。

 

『うん…、おやすみ』

 

震える手で携帯を切った。

弘人は何も言えず、涙した。

 

空を見上げていると、チラチラと懐中電灯の明かりが揺れた。

横を見ると、マドンナがいた。

『すいません、聞いてしまいました』

 

『マドンナさん…』

その言葉と共に、こらえていた涙が雫の目から溢れた。

 

マドンナが隣に寄り添い、肩や足をさすってくれる。

よく頑張ったねというように。

ぬくもりの中で、雫は子どものように泣きじゃくった。

 

 

~ 5話につづく~

 

 

『ライオンのおやつ』4話の感想

ついに父に本当のことを告げた雫。

でも死ぬときは1人で死ぬと、父に会うことは拒否します。

大好きだから、死にたくないと思ってしまうから。

そんなことを言われたら何も言えないよな〜。

でもこのまま会わずにいってしまうなんて、雫にとっても弘人にとっても辛いと思う…。

 

それに畑にいきなりやってきて、

『死ぬのはおまえだから、やりたいようにしろ』といきなり言わされたタヒチも。。

その様子を農業研修生の純が見ていましたが、、いくら背中を押してもらいたいにしてもちょっと強引だったような。

でもタヒチはなにも言わずに、雫に言われたとおりの言葉を返します。

 

あのときの雫のすっきりとした顔。

でもタヒチに背を向けて歩き出した時の泣きそうな、でも覚悟を決めた顔。

畑にいた純の姿も目に入っていたであろうことを考えると、

雫は本当は『何を言ってるんですか!そんなこと言わないでください!』って言ってほしかったのかもしれない。

死ぬとわかっていても、それを受け入れないといけないのだとしても、タヒチには雫に生きていてほしいと思ってほしかったのかもしれない。

そう思ったら急に切なくなった。

 

先生の家族に対する想いも、素直になれず怒鳴り散らしてしまう姿が自分と重なり、痛かった。

結局、最後は別々の道を進むことにした夫婦。

あの水色の封筒の中には、離婚届のほかにどんな言葉がつづられていたのだろうか?

 

先生は、最後に変わることができたんだね。

晴れ晴れとした表情の先生は、これからライオンの家で笑顔の日々を過ごせるんじゃないかと思いました。

 

先生と雫の歌もよかったなー。

シスターとヘルパーさん、カモメちゃんが歌う元気な印象と、劇中で流れる曲と、先生と雫で歌うとき。

それぞれ違って、同じ曲なのにこんなに変わるものなのかと思いました。

先生の歌は、みんなを笑顔にしていたんですね。

 

変わる勇気。

負の連鎖を断ち切る勇気。

このままじゃダメだとわかっていても、変わることが恥ずかしいような気もして二の足を踏んでしまう。

 

私も変わりたいな~!と強く思った回でした。

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました(๑>◡<๑)

またの~。

 

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