今回は『山女日記〜女たちは頂を目指して〜』第7話(最終回)のネタバレあらすじと感想をまとめました。
ロッジ如月のオーナー・直子(かたせ梨乃)の夫・道雄の遺品が見つかった。
それを機に、柚月(工藤夕貴)も過去と向き合うため、想い出の地・涸沢に向かうが、なぜか木嶋(黄川田将也)と陽菜(夏菜)もついてきて…!?
はたして柚月の探しものは見つかるのでしょうか?
原作は、湊かなえさんの『山女日記』。
このドラマは、2016年にBSプレミアムで放送された作品です。
それではさっそく、7話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。
『山女日記〜女たちは頂を目指して〜』7話 頂を越えて~上高地・涸沢(からさわ)ネタバレあらすじ
ある日、柚月(工藤夕貴)がクラフトショップに帽子を置きにいくと、職人の島田さん(山下容莉絵)が柚月の帽子を試着していた。
柚月が嬉しくなって声をかけると、島田は柚月が被っている帽子と同じものを注文したいという。
でもこれは特別な意味がこもった帽子だ。
柚月は他の帽子なら…と必死に勧めた。
けれども彼女は『それならもういい』と断る。
自身も職人である島田は、物を作ることは自分の魂を削る行為だと思っていた。
『あなたに何があったのかは知らない。でも、そうやって自分を守ってるうちは、本当の作品なんて作れないよ。
…私がそうだったから…』
島田は笑顔を作ると、作業に戻った。
そんなある日、白馬大雪渓の調査隊のガイドとして同行した木嶋岳志(黄川田将也)は、ロッジ如月のオーナー・直子(かたせ梨乃)の夫・道雄の腕時計を発見する。
18年間行方不明だった道雄の遺品が発見され、直子は『こんな日が来るのが怖かった…』と呟く。
もしかしたら道雄はこの村を抜け出して、呑気にヒマラヤ辺りで暮らしてるんじゃないかって、心の片隅で直子はそんな希望を抱いていたのだ。
『でも…そんな夢ももうおしまい。
…やっと下りてきたのね。お疲れさま…』
直子は道雄の写真の前で、腕時計を頬にあてながら涙を流した。
道雄の下山祝い
後日、直子は交流のある人たちを呼び、下山祝いを催した。
そこで直子はガイド組合長をやめ、木嶋に後任を任せたいと発表する。
木嶋はびっくりして『無理ムリ!』と騒ぎ立てるが、みんなから拍手が起こり、断れない状況に…。
お天気もよく、賑やかで明るい空気が漂う中、直子は1人ロッジの中に入った。
その顔が淋しそうで、柚月は気になって直子に声をかけた。
すると直子は『あなたこそ大丈夫?帽子屋さんをする決心はついた?』と尋ねてきた。
これからどうしたらいいのか迷っていた柚月は、正直に自分の気持ちを答えた。
それを聞いた直子は『それでいいのよ。迷っていいの』と笑顔で言った。
直子自身も、道雄の遺品が見つかったものの、実際のところ何も変わっていない。
道雄を思う気持ちも変わらないし、これからもこれでよかったのか?と迷う時もあるだろう。
でも直子は道雄と出会った頃の自分と向き合い、やっと『あなたの選択は間違ってなかった。ありがとう』と言えたという。
『人生は誰のものでもない、自分だけのものだから。あなたも少しだけ過去と向き合ってみたら?』
直子に背中を押され、柚月はかつての恋人・吉田(萩原聖人)との思い出に決着をつけるため、涸沢(からさわ)に行くことにした。
想い出の聖地
上高地についた柚月は、ニュージーランドに転勤辞令が出た時のことを思い出す。
その時、吉田はやけ酒を飲もうとする柚月を止め『今から山に行こう』と言った。
それが涸沢だった。
上高地に着いた柚月たちは、ガイドがツアー客に説明しているのを見かける。
その姿は、自信とプライドに満ち溢れ、自立しているように見えた。
『だったらどうしたい?君はどうしたいんだ』
吉田は柚月に問いかけると、先に行ってしまった。
旅は道連れ
柚月が現実に戻り、歩いていくと、後ろから『ゆーづきさん』と声をかけられた。
柚月が涸沢に行くという噂を聞きつけた木嶋が、妹の陽菜(夏菜)を誘ってやってきたのだ。
てっきり柚月は誰かと一緒かと思っていた木嶋は、ノリノリで柚月についていく。
でも柚月がガイドになる前に彼氏とここに来ていたことを知り、木嶋はちょっとショックを受ける。
実はここは木嶋兄妹にとっても想い出の地だった。
まだ陽菜がうんと小さい頃に、家族で一緒に登った楽しい記憶があるのだ。
けれどもその後、木嶋たちの母は自分の夢を叶えるために、フランスのシャモニーに行ってしまった。
幼い陽菜や自分を置いて出ていった母のことを、木嶋はまだ恨んでいた。
でも陽菜は、60にもなって本場アルプスで現役でガイドをしている母を尊敬していた。
そして、それは柚月も同じ。
陽菜には柚月も、自由に生きているように見えた。
『私って自由なのかな…』
柚月は呟いた。
自由?
そして一行は明神橋にさしかかり、柚月はまた過去を思い出した。
目の前に広がる風景を見て、『こんな綺麗な景色を知らずに過ごすなんてもったいない』と、柚月と吉田はまったく同じことを考えた。
でも『ニュージーランドはもっと凄いかもね。行ってみたら案外いいことあるかも』と吉田に言われ、柚月は戸惑う。
吉田は空高く飛んでいるトンビを指差し『あいつが見えてる世界を想像できる?』と言った。
『景色の切り取り方1つで、人生が変わることもある。
そうならないのは、たぶん心が自由じゃないからだ』
柚月の心に、吉田の言葉が響いた。
吉田のお母さん
その後、柚月と陽菜、木嶋の3人は横尾大橋でお昼ご飯を食べ、涸沢にたどり着いた。
そこで陽菜は、柚月の帽子のパッチワークが、この山のイメージだと気付く。
柚月は初めて吉田とここに来たときに、この景色に感動して、写真以外の形で留めておきたかったのだ。
それから3人はそれぞれテントを張り、思い思いに過ごすことにした。
秋なので夜6時にもなると辺りは真っ暗になり、色とりどりのテントに明かりが灯り、とても綺麗だ。
そんな中、柚月は帽子を眺めながらまた吉田のことを思い出した。
涸沢の風景に感動する柚月を見て、吉田は自分の母親も同じことを言っていたと話す。
吉田の母親も昔、山に登っていたのだ。
母1人子1人で育った吉田は、何から何まで母の影響を受けて育った。
山登りもその1つだった。
吉田は大学も就職も地元・仙台でするつもりだったが、母がそれを許さなかった。
『自立しろ。自分だけの夢を持て。長いものには巻かれるな。命懸けで信念を貫け』
それが吉田の母の口癖だった。
『じゃあ今度お母さんと3人で登ろうよ』
柚月は言うが、吉田は何も言わずに行ってしまった。
吉田の夢
その後、柚月はネルドリップでコーヒーを淹れた。
会社を辞めるか迷う柚月に、吉田は自分の夢を語り始めた。
それは国際協力専門員になって、発展途上国で自分の技術を生かすことだった。
学生の頃からそれが夢だった吉田は、既に申し込み、1次試験を通過していた。
でももし採用になったら、砂防計画をゼロから始めるので、その地に骨を埋める覚悟で行かないと駄目だろう。
今まで柚月に言わなかったことを謝る吉田に、柚月は『本当にすごい夢だと思う。お母さんもきっと喜ぶね』と笑顔で言った。
そして自分も登山ガイドになる夢を本気で叶えようと決心した。
2人はすっかり冷めてしまったコーヒーで乾杯した。
吉田との別れ
その後、柚月は会社を辞め、吉田は2次試験を通過。あとは面接を残すのみとなった。
吉田はお母さんにそのことを伝えるために、仙台に向かった。
柚月のこともその時に話してくれると約束して…。
でもそれから吉田の連絡はプツリと途絶え、柚月は登山ガイドの1次試験を受けたことを留守電メッセージに残した。
けれども吉田からの連絡はなく、心配になった柚月は吉田が働いている砂防ダムを訪ねた。
すると吉田は海外協力の話を延期し、こちらの仕事を優先するという。
でも本当の理由は、仙台でお母さんに『行かないで』と言われたからだった。
1年ぶりに会った母は、吉田の知っている母ではなくなっていた。
母はゴミだらけの部屋で、
『今さら私を置いてどこに行くの?そんなの絶対許さない!』
と叫び、すすり泣いた。
吉田の母は自分の意志で息子を東京に行かせたものの、孤独に耐えきれず、負けてしまったのだ。
『でもそれで吉田くんが夢を諦めなくてもいいでしょ?面接試験受けなよ。
自由を愛する吉田くんが自由になれないなんて…。
私が吉田くんの代わりに、お母さんの面倒をみるよ』
『そういうことじゃないから!
人って大きさは違ってもみんな荷物を背負ってるんじゃないかな。
傍から見ればおろしちゃえばいいようなものでも、その人にとってはかけがえのないものだったりするんだよ。
だからなかなか降ろせない。
だからどうしたらそれを背負ったまま生きていけるか、模索する。
…違うかな?』
『私とあなたがお互いの荷物になるんじゃだめなの?…それって許されないことですか?』
『……無理だよ』
結局、2人はお互いの荷物を自分の解釈でしか捉えることができなかった。
あの時もう1度2人で山に登れていたら、なにか変わっていたのだろうか…?
木嶋にとっての山
柚月が泣いていると、木嶋が陽菜の作ったポトフをお裾分けに来てくれた。
柚月が泣いていることに気付いた木嶋は『肩くらい貸すよ。なんちゃって』とおどけるが、柚月は『おやすみ』とテントのジッパーを締めた。
でも時間はまだ夜の6時だ。
柚月は『やっぱり1人じゃ食べきれないから手伝って』と言うと、2人でポトフを食べることにした。
温かいポトフを食べながら、柚月は、木嶋にとっての山とは何か尋ねた。
『……………山』
『なんか最近自信なくなっちゃってさ、生きることとか、いろんなこと。
…ごめん、やっぱ忘れて』
『足の置き場を覚えることかな?
ずっと同じ山に登っていると、自然と足の置き場が決まってくるんだよ』
木嶋は自分が登ってきた山を思い出しながら話す。
白馬とか唐松岳は木嶋にとって、庭のようなもの。
今じゃふもとから山頂まで、どのルートを通っても、一足一足、足を置く場所が決まっている。
そうなって初めて、山と1つになれる気がする…と、木嶋は思った。
『初めて登る山も、何度も登るうちに自然と足の置き場が決まってくる。そういうもんじゃないかな、山って。
自信があろうとなかろうと関係ない。
足の置き場が決まるまで、何度も登ってみりゃいいんだよ。焦ることない』
珍しくまともなことを言う木嶋の横顔を、柚月は涙を溜めた目でじっと見つめた。
その視線に気付き、木嶋はなにか変なことを言ったのかと焦る。
柚月は我に返ると『ほんとにありがとう』と感謝した。
ちゃんと道は続いてたんだね
そして翌朝。涸沢岳に朝日が登り、山々を紅く染めた。
朝から兄妹げんかをする木嶋と陽菜を見て、柚月は目を細める。
その後、木嶋は新聞を読んでいた人から、新聞をもらった。
でもそれは3日前の新聞だった。
柚月はその中に、吉田がネパールで砂防ダムを作っているという記事を見つけた。
吉田はでっかい夢を叶えていたのだ。
それを知った柚月は耐えきれず、涙をこぼした。
その涙がいくつも、吉田の写真の上に落ちた。
希美との再会
下山途中、柚月たちは前にツアーに参加していた雨女の希美(佐藤めぐみ)に出会う。
希美はまた山に登りたくなって、1人で来ていたのだ。
希美によると、姉の美幸(井上晴美)は旦那とよりを戻して、家族水入らずで白馬岳に登っている頃だという。
今日はいい天気で、希美も雨女を卒業!
今はお父さんから農業を本格的に学んでいるようだ。
すっかり迷いの晴れた顔の希美を見て、柚月は『希美さんも足の置き場を見つけたんだ』と呟く。
『じゃあ、また山でお会いしましょう!』
4人は最高の笑顔で、またそれぞれの道を歩き出した。
未来のことなんて誰にもわからない。
でも信じて歩き続ければ、きっといつか霧は晴れる。
大丈夫。
山に登る。それは本当の自分と向き合うこと。
山に登ってみませんか?
あなたの探しものもそこに…
〜 終 〜
昨日行った涸沢が絶景すぎるので誰か見て(ケータイパノラマです)#東京カメラ部 #photography #PASHADELIC #絶景 #Xperia #涸沢岳 #長野県 pic.twitter.com/n9Ho3egrlD
— Satoshi Kawashima|さとし (@pikapi3104) September 29, 2018
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涸沢岳からおはようございます♪ pic.twitter.com/nhNcqEeY22
— すかぞう (@sukazo1) August 24, 2016
『山女日記〜女たちは頂を目指して〜』7話の感想
吉田との別れが痛すぎて、これは確かに引きずってしまうなと思いました。
自分の気持ちもわからないのに、まして他人の抱えているものなんて、なかなかわからない。
わかろうと寄り添ったつもりでも、余計なお世話だと言われたり、すれ違ったり…。
こんなことがあったら、自分だったら登山ガイドの夢も諦めてしまったかもしれない。
でも柚月は山に登ったら答えが見つかるような気がして登り続けた。
人と関わることをやめなかった。
だからたくさんのかけがえのない人たちと出会えた。
山を通して、初めて会った人たちの悩みにも触れてきた。
でも柚月自身の気持ちは晴れなくて、ずっと暗かった。
それを救ってくれたのは、なんと木嶋の言葉だった。
山は、一つ一つ足の置き場を決めること。
それが決まるまで何度も登って、確かめればいい。
それは山をずっと登り続けてる人だからこそ言える言葉だし、
今の柚月は、木嶋がお母さんを許せず苦しんでいることを知っている。
あの時、柚月が、木嶋が話す顔に釘付けになっていたのを見て、『こ、これはもしや新しい時が動き始めたか〜?』と思ったけど、朝起きたら木嶋は木嶋でしたね…。
陽菜とケンカして、軽口を叩く木嶋を微笑ましく見つめる柚月。
この3人の関係が心地良い〜。
そしてサプライズ?で希美が最後に出てきて、嬉しかったなぁ。
もうすっかり迷いの晴れた顔で生き生きとしていて、自分のやりたいこと、居場所を見つけたんだなって思いました。
お姉ちゃんの美幸も、旦那さんとよりを戻して家族3人で仲良く山に登ってるようでよかったです。
最後にツアー客のみんながダイジェストで出てきたのもよかったです!
涸沢岳の朝焼けがとても美しかったです。
夕日は疲れや悲しみを癒やしてくれるけど、朝日は元気とパワーを与えてくれるんですよね。
うわぁ、今すごい懐かしい景色を思い出しました。
高校の頃、合宿中にトラブルがあって落ち込んでたんですけど、そしたら友達と後輩が朝焼けを見に連れていってくれたんですよね。
自転車で二人乗りして、車のいないバイパス爆走して、田んぼのあぜ道に立って、山から昇る真っ赤な朝日を見ました。
そしたらトゲトゲしていた心がまあるくなって、3人で手を繋いで見てました。
あの景色を今、ありありと思い出しました。
誰にでもそんな、忘れられない風景があると思います。
最後に柚月の心が晴れて、本当によかったです。
本当はこの後にスベシャルもあるようなので、それも観たかったですね(>ω<)
柚月と木嶋たちの未来が気になる〜
それではちょっと寄り道してしまいましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/
またの〜。