『恐怖新聞』5話ネタバレと感想│いきなり江戸時代！？詩弦たち前世の因縁とは…

シズの力を利用する仁左衛門

後日、町でお告げのとおり船頭が溺死しているのを見た仁左衛門は、シズとヤエを奉公させることに。

 

仁左衛門がシズの不思議な能力について尋ねると、シズは夫を何者かに殺されて心を病んでから、このような力を授かったという。

 

その後、シズの能力を利用して越後屋は大繁盛。

越後屋はシズとヤエに立派な着物をこしらえ、『欲しいものがあったら遠慮なく言うんやで』と媚を売る。

 

実はシズのお告げは、お腹の中の子どもによるものだった。

シズはそれを聞き、書き写していたのだ。

 

しかも子どもは十月十日を過ぎているのに、いっこうに産まれる気配がなかった。

心配になったヤエは僧侶・空元(横田栄司)に相談に乗ってもらっていた。

 

半次郎との出会い

そんな時、シズがいなくなったという知らせが入る。

 

町外れを歩いていたシズは男たちに絡まれたところを、半次郎(佐藤大樹)に助けられる。

半次郎は身重のシズを心配し、優しく声をかけてくれた。

シズはそんな半次郎に、花を1輪そっと手渡す。

 

そこにヤエが駆けつけ、シズを連れて帰る。

『シズか…』

半次郎はシズに、亡くなった妹・咲の面影を重ねるのだった。

 

悪夢にうなされるシズ

一方、シズは夫を殺された時の夢を見てはうなされていた。

生きるのが辛くなったシズは、ヤエに『私を殺して』と泣きながら頼む。

 

ヤエはそんなシズを叱咤し、『今はどんなに辛くても必ずいいことがある。だから頑張るんだよ』と励ました。

 

件(くだん)

ちなみにドラマ内で件(くだん)と呼ばれてた妖怪は実在しててアマビエで有名な水木しげるも描いていて文献にも残っている。この妖怪は戦争や災害の前に現れ不吉な予言をすることから恐れられることが多い。漫画だと「ぬ～べ～」等にも登場している。#恐怖新聞#オトナの土ドラ pic.twitter.com/A04ayZ5m70

— SAYJOY@えんじょい (@sayjoy_enjoy) September 26, 2020

そんな中、ヤエは僧侶・空元を訪ね、シズの腹の中には“件(くだん)”が宿っているのでは…と相談する。

 

件とは、人の頭を持った牛の怪物。

件の寿命は短く、生まれ落ちると不吉なお告げを残してすぐに死んでしまう。

おそらくシズのお腹にいる件は、その死を避けるために今もお腹にとどまり続けているのだろう。

 

『すべては仏の思し召し。シズの力があれば、多くの人をこれから起こるであろう災厄から救える』

 

現に空元のもとには、シズのお告げのおかげで災厄をまぬがれた人々が大勢やってきていた。

 

でも越後屋の仁左衛門は、その仏の力を金儲けのために利用している。

ヤエは空元に、給料もほとんどもらえずこき使われていると嘘をつき、泣き出した。

 

越後屋に恨みをもつ半次郎

すると『わしにいい考えがある』と空元。

空元に半次郎を紹介されたヤエは、さっそく半次郎のもとへ行き、仁左衛門にこき使われ、家を追い出されそうだと悪口を吹き込んだ。

それを聞き、半次郎はヤエたちの力になることに。

 

実は2年前、半次郎の妹・咲(白石聖・二役)は不治の病にかかっていた。

幼少の頃から病弱だった咲は、若い娘らしいことが何一つできなかった。

咲を不憫に思った半次郎は、せめて1度くらいはいい想いをさせたいと、越後屋に着物を仕立てたさせた。

 

しかし越後屋は勝手にその着物を売った上に、『そもそもあんたにはこの店は身の丈に合ってないんじゃありませんか』と半次郎に言い放つ。

 

結局、咲は若くしてその生涯を閉じた…。

 

『人は変わらぬものよ。俺が必ず越後屋の首を縦にふらせてやる』

半次郎の恨み節を聞き、ヤエはしてやったりとほくそ笑んだ。

 

シズの予言

この頃になると仁左衛門は白髪も増え、体がしんどそうだった。

そんな時、仁左衛門は“越後屋、侍にきり殺される”というお告げをもらう。

 

驚いた仁左衛門は『ほんまか？ほんまに起こるんか？』とシズを問い詰めるが、シズは悲しそうに押し黙るばかり。

 

そこに半次郎が訪ねてきた。

半次郎は仁左衛門に、シズ親子の給金を今までの3倍にするよう頼む。

給金は十分あげているつもりの仁左衛門は『それは法外すぎんか？』と焦るが、すっかりヤエに騙されている半次郎は仁左衛門を睨みつける。

 

『言ったであろう！お主がした妹への仕打ちは絶対に忘れんと！

もしシズ親子を粗悪に扱うようなことがあれば、許さんぞ！』

刀を持って今にも斬りかからんとする半次郎の迫力に、仁左衛門はタジタジだ。

仁左衛門はしかたなく半次郎の要求を飲むことにした。

 

その帰り、半次郎はシズを見つけ、話しかける。

半次郎はシズにもらった花を押し花にして持ち歩いていた。

 

するとシズはお腹をさすり、半次郎をじっと見つめる。

『…どうした？何か言いたいことがあるのか？』

『人を…斬るのね。…！？お腹の子も殺そうとするの！？』

 

驚いた半次郎は、どういうことだとシズを問い詰めるが、シズは何も語らずフラフラと歩いていってしまう。

 

浪人たちに襲われる半次郎

その夜、仁左衛門は激しく咳き込みながら、半次郎を殺すよう刺客に命じる。

半次郎は2人の浪人に斬りかかられるが、見事な太刀さばきで浪人たちをやっつける。

 

シズの言うとおり浪人たちを斬ってしまった半次郎は、空元のところにいたヤエを見つけ出し、どういうことか問い詰めた。

 

すると空元から、シズのお腹の中にいるのは人間ではなく、“件”だということ。

シズは件のお告げを聞いて書き記しているだけだと教えられる。

 

そしてそのお告げをもらったものは、1度受け取るごとに100日ずつ寿命が削られていくという。

 

しかしヤエは仁左衛門にそのことを伝えておらず、3人は急いで越後屋に向かった。

 

悲惨な現場

その時ちょうど仁左衛門は、半次郎を殺すために雇った殺し屋と話していた。

仁左衛門に『殺せ！』と命じられた殺し屋は、問答無用で半次郎に斬りかかる！

半次郎はそれをかわすと、シズのお告げのとおり 殺し屋も仁左衛門も斬り殺してしまった！

 

それを目の当たりにした空元は、件は人が扱えるようなものではないと悟り、どこかに幽閉しようとする。

しかしそれではまたいつか同じことが繰り返されるだろう。

半次郎と空元は、シズごと“件”を殺そうと剣を身構えた。

 

でもそれではヤエの気持ちがおさまらない。

『あんたはならず者に夫を殺されたこの子をかわいそうだと思わないのかい！』

 

ヤエがシズの前にしゃしゃり出ると、『違う！』とシズ。

なんとシズの夫を殺したのはヤエだったのだ！

 

ヤエは、シズのお腹の子を件にしたいと迫ってきた。

でもシズの夫が断ると、包丁でいきなり切りつけたのだ。

 

その後、シズは木に縛り付けられ、ヤエに無理やり何かを飲まされた。

ヤエはシズの周りをぐるぐると回りながら、呪文を唱える。

こうしてシズのお腹の子は“件”になってしまったのである。

 

暴走するヤエ

するとそこまで話を聞いたヤエは、シズの背中に短刀を突き刺す。

シズはヤエを振り返ると、

『永遠に救われぬ定めよ…』とヤエを呪う言葉を残し崩れ落ちる…。

 

『おぬしは自分の娘になんていうことを！』

空元と半次郎に責められたヤエは我に返り、シズを抱きかかえて懺悔する。

ヤエは貧乏ゆえに、お金欲しさで件の書物を手に入れ、件を作ったのだ。

 

『お許しください、お許しください』

ヤエは地べたにひれ伏し、空元たちに許しを乞う。

それを見て空元は『もうよい、おぬしも被害者だ』とヤエを許そうと近づいた。

 

そんな空元の腹に短刀を突き刺すヤエ！

 

『お告げに夢中だった越後屋は寿命を削られてそのうち死ぬはずだった。

主のいない越後屋を乗っ取るなんて簡単さ。

ところがあんたたちが変な義憤心に目覚めちまったから。

あ〜あ、またどっかで若い娘でも拾ってきてやり直すしかないな』

 

ヤエが空元にトドメをさすと、空元は『…この恨み、決して許さぬぞ…！』とヤエを睨みつけて息絶えた。

 

残ったのは半次郎ただ1人。

ヤエは短刀を身構えて後退りするが、『いくら悪人でも、シズの母親は斬れん』という半次郎。

 

その間にシズの体は跡形もなくどこかに消え失せていた…。

 

恐怖新聞の起源

それからというもの、時折不吉な凶事を記した紙が道端で見つかるようになった。

それを拾ったものは寿命が100日減る。

そんな噂を人々は耳にした。

 

件が寿命を集めているのだ。

いつかこの世に生まれてくるために……。

 

詩弦の前世は…

鬼形礼はそこまで詩弦に見せると、詩弦のおでこにかざしていた手を離した。

今、見ていたのは、詩弦の前世。

今、詩弦が苦しんでいるのはその時 詩弦が背負った罪のせいなのである。

 

そこで詩弦は、空元とシズに死に際に言われた言葉を思い出す。

『永遠に救われぬ定めよ…』

『…この恨み、決して許さぬぞ…！』

そう、詩弦の前世はヤエだったのだ！

 

だから空元の生まれ変わりである父・蔵之介は死の間際に、

『絶対許さない…お前は生まれてこなければよかったんだ…』

と言ったのか。

 

『君は自分の娘であるシズを苦しめた。今世で罪を償うといい…。

まだ君の苦しみは終わっていない…』

鬼形はそう言うと、詩弦を地上に戻す。

 

倒れていた詩弦は意識を取り戻し、『イヤ〜〜〜!!!!!!!』と耳を塞いで叫ぶ。

 

こうして詩弦は自分の過去に犯した罪深さに気付かされたのだった…

 

〜6話につづく〜