にこ
歩道橋から転がり落ちた彩子《日高》(綾瀬はるか)と日高《彩子》(髙橋一生)!
はたして2人は入れ替わることができたのか!?
一方、陸(柄本佑)は、日高の双子の兄・東朔也=師匠(迫田孝也)と奄美大島に向かっていた!
警察が 日高と東朔也に緊急配備をかける中、河原(北村一輝)は単独行動に出て・・・!?
それではさっそく、9話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。
『天国と地獄〜サイコな2人〜』9話のネタバレあらすじ
歩道橋から転がり落ちた彩子《日高》(綾瀬はるか)と日高《彩子》(髙橋一生)は、入れ替わりに成功!
『あんた、私を助けようとしたのよね?』
彩子が日高に声をかけると、日高は起き上がり、彩子の前に両手を差し出した。
『・・・じゃあ』
彩子は手錠を取り出し、その手を引っ込める。
『そんなに捕まりたいならお好きにどうぞ。その辺の交番にでも出頭したら?』
彩子の目的は日高ではなく、主犯の東朔也(迫田孝也)を確保すること!
東朔也は今、陸(柄本佑)と一緒に「福岡」にいるのだ。
だから、日高がどんなに生き別れの兄を守ろうとしたって、別々の場所で捕まるだけ。
『今会わないと二度と会えないと思うけど、それでいいの?』
彩子の問いに、日高が答えようとしたとき・・・、
『えらい仲よさそうだな、お2人さん』
河原(北村一輝)が現れた!
八巻(溝端淳平)がかけていた電話をGPSで調べ、ここまでやってきたのだ!
『もう 逃げませんよ』
日高は大人しく捕まるふりをして、河原の急所を ピッピ~~~!
『望月、追いかけます!』
彩子は、走り去る日高を慌てて追いかけた。
すぐに河原は捜査一課に応援を要請!
緊急配備が敷かれ、捜査員がやってきた。
彩子は嘘の情報を与えて捜査員をまき、日高と合流!
日高と東朔也、2人を捕まえて戻れば、あとはなんとでもなる!
『そう、うまくいきますかね・・・』
『こざかしいんだよ!いちいちっ』
彩子が壁に手をついて叫ぶと、日高はフッ。
『ちょっとそれ、言いたかっただけでしょ?』
彩子はニヤリと笑うと、陸に電話をしにいった。
彩子ちゃんで間違いない
彩子は公衆電話から陸に連絡。
自分たちが元に戻ったこと、日高と東朔也に緊急配備がかかったことを伝えた。
彩子としては、2人を会わせてから逮捕したい。
陸には東朔也が捕まらないようにしてほしい。
そう頼むと、
『あなたが日高さんじゃないっていう証拠がほしいんですけどぉ・・・』
陸はとぼけた調子で言った。
『あんた、こんだけつき合っててまだ私かどうかわかんないのっ?』
イラっと声を荒げる彩子の声を聞き、
『間違いなく彩子ちゃんだね』と、陸は失笑。
陸と東朔也はこれから奄美大島に向かうところだった。
がんばれ、八巻!
それから彩子は八巻を呼び出し、日高と共に車に乗り込んだ!
『あの~ いったい2人で何をするつもりなんですか?』
おそるおそる八巻が尋ねると、髪を後ろで1本に束ねながら、キビキビと彩子が答えた。
これから彩子たちは、東朔也に会いに奄美大島に行く。
でもそれはあくまで、日高に主犯の東のところまで案内させるという設定だ。
もろもろの不審点は、東を確保した後でねじ伏せたい。
そこで八巻にしてほしいのは、日高のカードを使って居場所をかく乱させること。
日高の携帯は、1つは彩子が水の中にボチャン。
プリベイドのほうは、さっき逃げるときに日高が投げ捨てた。
よって、日高の居場所を調べるには、カード履歴を調べるしかない。
これで2、3日は警察を誘導できるだろう。
『あ、ついでに私のアリバイも作っといて』
『・・・え~~~ 』
八巻は道端に置いていかれ、泣きそうな顔で車のテールランプが夜の闇に消えていくのを見送った。
検問!
その後、検問があり、日高と彩子は大ピンチ!
でも、事前に八巻の服に着替えていた日高は、コートにつけた捜査一課のバッジを見せ、無事に通過した!
しかし、やっぱり自分の体はいいもんだ。
彩子がそう実感していると、
『なにか気づきませんか?』
彩子の爪がぴっかぴかになっていた。
『一応、人様からお預かりしていた体なんで、ネットで調べました』
入れ替わっていた間に、日高と彩子は互いに男女の大変さに気づいたようだ。
でもそんな生活も、日高と東朔也、2人を捕まえればもう終わり。
おっとり八巻くん
その頃、八巻は東京駅へ。
八巻は日高のコートを着てリュックを背負い、襟で顔を隠しながら券売機で切符をカードで買った。
八巻の携帯の位置情報を追っていた河原は、
『こいつ、”おとり”やってんじゃないか?』と呟く・・・。
翌日、八巻は新幹線で仙台に行き、マツシマにてずんだパンケーキをテイクアウト。
『うまっ』
捜査本部はまんまと騙され、日高は仙台にいるものだと思い込んだ。
── ただ1人、河原をのぞいては。
しかも河原は、また何か企んでいるようで・・・!?
調子に乗る八巻
『おとり、控えめに言って最高だぁ・・・♡』
海をバックに八巻がパンケーキをぱくついていると、彩子から電話が。
計画がうまくいっていることを知った彩子は、もう少し痕跡を残したら戻るよう指示。
『いいっすよ。僕、なんだったら北海道まで行きますよ~っ』
八巻は調子に乗り、『 ゆとってんじゃないわよっ』と怒られた・・・。
やりすぎ、河原さん
一方、河原は彩子のマンションに行き、部屋の中を漁っていた。
きれいに片付けられた部屋を見て、ふと河原は疑問に思う。
そういえば、彩子は日高と会ってから、人が変わったようだった。
あんなに散らかっていた彩子の机の上が、きれいに片付けられているなんて・・・。
そのとき、河原はベッドの一部が乱れていることに気づく。
『なんでここだけ・・・?』
ふとんをはぐと、ビンゴ!
段ボールの中に革手袋や サンプルQなどの証拠品が入っていた。
『あいつら、ここに向かってる気がせえへんか?』
奄美大島行きの航空券の半券を見つけた河原は、相棒の幅 (谷恭輔)にニヤリと微笑んだ。
兄と弟の再会
その頃、陸と師匠こと東朔也は、鹿児島のフェリー乗り場にいた。
『前に、弟が奄美大島に行こうと誘ってくれたけど、行けなくてな~』
『え?弟さん、いるんですか?』
陸が知らないふりをして尋ねると、
『離婚してっから、一緒に育ったわけじゃないけど、自慢としかいいようがないな~』
師匠は誇らしげな顔で、嚙みしめるように言った。
師匠は、日高が弟だとわかっていて、日高の会社に清掃員として入った。
日高と出会ったのは、
お客さんが落としたコンタクトを日高が必死になって捜していた時。
『あの、これですか?』
師匠が布を巻いた掃除機の先っぽについたコンタクトを見せると、日高はとても喜んだ。
そのとき、日高は彼が兄だとはまったく気づかなかった。
ただ、すごく親切でちゃんと答えてくれる感じがして、バニッシュワンダーのモニターを頼んだ。
『よかったら感想を聞かせてください』
日高は師匠の胸のネームプレートを見て、『東さん』と笑顔で言った。
弟に頼りにされて、悪い気はしない。
師匠は張り切って、使用した感想を日高に報告した。
その感想はとても参考になるもので、次々とモニターを頼んでいるうち、自然と日高と師匠は居酒屋で酒を飲むほど仲良くなった。
彼が兄だと気づいたのは、師匠が奥さんとケンカして、あの歩道橋の上で飲みなおしたとき。
奥さんとの出会いは腐れ縁だと、師匠は言葉を濁した。
『社長さんこそ、気になる人はいないのか?』
『・・・僕ですか』
そのとき、日高は思い出した。
昔、「歩道橋で待ってます」という手紙をもらったことを。
思わずそれは自分が書いたと言いそうになり、
『いや、ラブレターか。モテるね、社長さん』と、ごまかす師匠。
『でも誰も来なかったんですよ。親切な男の子が1人来ただけで』
日高はあの手紙の差出人が、ずっと気になっていた。
それを聞き、師匠は嬉しくなって笑ってしまった。
でも「知らぬが花」ということもある。
『じゃあ、そろそろ行きますか』
日高は師匠が飲んでいたお酒のカップを捨てようとして、気づいた。
師匠の右の手のひらに、あの男の子と同じ「ほくろ」があることに!
そのカップと、あのときもらった男の子の歯と自分の髪をDNA鑑定してもらい、日高は「彼が自分の兄」だということを知ったのだ。
自分が連れ子なのは知っていたし、母の様子からほかに子供がいるんじゃないかということも気づいていた。
でも兄は知っていて自分に何も話さなかったのだろうから、ちゃんと時間をかけて話すべきだ。
そう思った日高は、一緒に奄美大島に行きませんか?と誘った。
そのとき、師匠は『ちょっと考えさせてくれ』と話を保留にした。
あまり近づきすぎると、見せたい自分だけじゃなく、見せたくない自分まで見せることになる。
『でも結局、一緒に行くことにしたんだよ。
どっかで気づいてほしいという気持ちもあったし』
そう言うと、師匠は遠い目をした。
『じゃあ、なんで行けなくなったんですか?』
陸が尋ねた瞬間、
『親父っ、・・・さ 』
師匠は急に顔をゆがめ、腹を押さえて倒れこんだ。
『師匠!大丈夫ですか?師匠!!』
『・・・やっぱ奄美、行けないのかな? 行けねえのか?』
師匠は這うようにして起き上がると、奄美大島行きのフェリーを見て涙ぐんだ。
オー!マイガー!
結局、日高は東と一緒に奄美大島に行くことはできなかった。
その理由を彩子に言おうとしたとき、巡回中のお巡りさんが白いハンカチを持ってやってきた。
『これを落としませんでしたか?』
『いえ、私のではありませんが』
『そうですか・・・』
お巡りさんは日高の顔を確認すると、すぐさま本部に連絡!
それにより日高が今、熊本にいることがバレてしまう。
そのとき、
『日高のカードの利用者と思われる映像が入手できました~!』
鑑識の新田(林泰文)が走ってきて、捜査一課に戻っていた八巻はドキリ!
見ると、コートの襟で顔を隠した八巻の姿がバッチリ写っていた。
僕はもう終わりです・・・。さようなら、望月さん。。
八巻は机の上に崩れ落ちるように座ると、天を仰いだ。
15分の違いで運命が変わった兄弟
そして日が沈みかけるころ、日高と彩子は奄美大島行きのフェリーに乗っていた。
奄美大島につくのは、翌朝6時。
『望月さん、港で私を捕まえて降りることにしませんか?
警察に顔も見られたし、このままじゃ、本当に私を逃がしてるってことになりかねない』
日高が彩子の身を案じると、
『じゃあ、とにかく本当のことを教えてくれる?』
彩子は、なぜ奄美大島で日高が「東朔也」と名乗っていたのか、その理由を尋ねた。
彡
旅行に行く前日、「嫁が倒れたので行けなくなった」と東朔也から連絡があった。
それで日高は1人で飛行機で奄美に向かった。
機内で、月と太陽が入れ替わったという伝説を読み、
今日行けなかったのは自分でもおかしくなかったのだと日高は思った。
それで兄の名前を語り、奄美大島に行ったことにしたのだ。
でも旅行から戻ると、東朔也は仕事も辞め、アパートも引き払っていた。
実は、東朔也が結婚していたというのは「嘘」で、認知症になった父親の面倒を見ながら生活していた。
東が奄美大島に行くことを知った父親は、母親のところに行くんだと勘違いし、東を部屋の外に追い出し、ビニール傘で叩いた。
『違う、違うってば』
東はなんとかやめさせようと、傘を取り上げた。
そのとき、バランスを崩した父は階段から落ちて死亡。
部屋にはビリビリに破かれた奄美大島行きのチケットとパンフレットが残されていた。
その後、2人は再会。
東は、名前も変えて何もかもやり直そうとしていた。
だがすでに、東は”すい臓がんで余命半年”。
日高は自分がお金を出すので、治療してほしいと涙ながらに言った。
『僕たちは兄弟なんだから』と。
兄ひとりに苦労をかけてしまったと、日高は責任を感じていた。
『・・・じゃあ、俺、”クウシュウゴウ”になりたい』
『クウシュウゴウ?』
首をかしげる日高に、東は興奮気味にあの漫画を見せた。
『俺さ、こいつ殺したほうが世の中のためなんじゃないかっていうヤツ、知ってんだよね。
俺、掃除屋だし、この漫画みたいに最後はそいつらを掃除しておさらばしたい』
はじめ、日高は冗談かと思った。
でも冗談じゃなかった。
東は、自殺した十和田が撮った殺人現場の写真も持っていた。
『けど、そんなことをしたら悲しむ人がいるんじゃ』
『そんなやつはいない』
『僕が悲しいです』
日高は声を詰まらせ、東を止めた。
すると東は持っていたポケットアルバムを投げ捨て、日高の襟元をつかんだ。
『そうだよ、俺はお前の”兄貴”だよ!
たった15分早く生まれてきただけの。
でもそれで、それだけで俺はこんな人生を送ることになったんだ!
なあ、俺が四方のせいで夜逃げしたとき、何してた!?
日高の家で抜けた歯を並べて、おやつ食ってたか?
やっと入れた会社で、田所にいびりまくられてたとき、何してた!?
久米に濡れ衣着せられて、親父がボケて途方に暮れていた時、おまえがあの会社作ったって、便所ふいてた新聞に書いてたよ!』
いったいこの差はなんなのか?
自分がバカだからか?怠け者だからか?自己責任か?
違う。
── 15分だ。
『おまえが15分早く生まれてくれば、こんなことにはならなかったんだよ!』
東は日高の襟をつかんで、歩道橋から突き落とさんばかりにきつく締め上げた。
『だから、それ以外だったらなんでもします!』
日高が振り払うと、東はその場に倒れ、走っていった。
彡
残された殺人リストや漫画などを見て、東が何をしようとしているか察しはついた。
でも、おそらくやらないだろうと日高はタカをくくっていた。
だがある夜、歩道橋に「2」と赤のスプレーで描かれているのを見た日高は戦慄した。
急いで自宅に戻り、殺人リストを見た。
本当に「2」は田所さんのことなのか、そもそもあれを描いたのは兄なのか?
とにかく現場に行かなければ始まらないと、日高は田所の家に行った。
そこで生まれて初めて、日高は血まみれの殺人現場を見た。
信じられなかった。
これは本当に兄がやったのか?
でも凶器の丸い石も、サンプルQもきれいに並べて置かれていて、兄は自分に迫っているのだと日高は思った。
── 共犯になるのか?それとも赤の他人として、通報するのか? 好きにしろと・・・。
日高は通報できなかった。
15分違ったら、それは日高がしていたかもしれないことだから・・・。
そのとき、日高は兄の共犯となり、逃がすことを決意。血まみれの床をサンプルQで拭いた。
ゴム手袋の先が破れ、しかたなく日高はカーキの革手袋をつけた。
田所と東の因縁は、昔のことだ。
3年前の神奈川の事件と同一犯だと思われれば、自ずと捜査は混乱する。
日高と田所の接点はまったくないし、万が一目をつけられても、その頃、東は死んでいる。
このまま逃げ切れると思った矢先、
彩子がサンプルQに気づき、体が入れ替わってしまった。
それからはもう必死だった。
日高は自分が犯人だと彩子に思わせ、
( ナッツアレルギーで日高《彩子》を殺そうとしたのもそのため )
日高《彩子》が警察に捕まらないよう画策した。
現場に行けば、東と会えるんじゃないかと待ち伏せもした。
だが東は一度の殺人では飽き足らず、リストに載っていない人間まで殺した。
挙句の果てに、現場から日高の乳歯が発見され、完全に日高は行き詰った。
それで彩子と入れ替わり、なんとか兄だけでも逃がそうとしたのだ。
でも、四方さんや田所さんや久米さんが兄にどんなひどい仕打ちをしようとも、殺してもいいということにはならない。
人殺しは人殺しだ。
兄の行為は、常軌を逸している。
『あなたは正しい。
きっと私は、あなたに捕まるためにスイッチさせられたんですよ』
日高は彩子のほうに向きなおると言った。
クウシュウゴウなんかじゃない!
── そんなことを言われたら、誰も憎めないじゃないか。
彩子がそう、夜空に向かって想いを吐き出した時、
陸が師匠の体を支えながら歩いてきた。
なんと4人は同じフェリーに乗っていたのだ!
『・・・なんで? なんでお前、ここにいんの?』
師匠は泣きそうな顔で、日高を見つめた。
彩子は怒りに満ちた目で師匠をにらみつけると、走り寄って、思いきり殴り飛ばした!
『彩子ちゃん!病人!病人だから!』
陸が必死に後ろから羽交い絞めにすると、
『あんたは、クウシュウゴウじゃないからね!
ちゃんといるんだからね!あんたのことが好きで、心配して、守ってやろうっていう人間が!
あんたのためなら、犯罪者にもなってやろうって人が!』
彩子は涙をボロボロこぼしながら、叫んだ。
師匠は、背後から自分を支えるように抱きかかえてくれている日高の顔を見上げた。
『そんな人がいるのに、いるとかいないとか、寝ぼけたこと言ってんじゃないわよ!
私はあんたを哀れんだりしない!
今までどんなひどい目に遭ってきたとしても、
どんな人生だったとしても、
こんなに想ってくれる人を叩き落とせるなんて、あんたは正真正銘のサイコパスだからっ!!』
彩子が刑事だと知った師匠は、日高の腕をほどき、立ち上がる。
その顔はげっそりとこけ、目だけがぎらぎらと光っていた。
『刑事さん、こいつは何も悪くないんだよ。な?なんとかできねえか?
俺はどういう殺され方してもかまわないから、こいつだけは守って・・・』
『だったらっ・・・、初めからこんなことするんじゃねえっ!!!』
彩子は振り絞るような声で叫び、涙を流した。
現場に乳歯が落ちていた理由
そんなふうに、誰かのために彩子が怒ったり泣いたりするのは初めてのこと。
いつも自分のことばかりの彩子は、陸からしてみれば、若干サイコパス気味だった。
でも今の彩子にとって、日高のことは他人事に思えない。
それは日高と入れ替わったからなのだろうか?
一方、東がリストに載っていない人物を殺したのは、久米家の外に刑事(日高と八巻)がいるのを見たからだった。
日高が警察にバラしたんだと腹が立つ反面、それで目が覚めたという。
最後は全部自分でやれば、確実に自分がやったという証明になる。
そう、東は思ったのだ。
現場に日高の乳歯が落ちていたのも、わざとではなかった。
久米家で発作が起き、財布から薬を取ろうとして落としてしまったのだ。
日高に言われて初めて歯がなくなっていることに気づいた東は、財布を確認し、SDカードを落とす。
『あんな大事なものを落としちまうなんて・・・』
東にとって、歯は本当に大切なものだったのだ。
『人間って、つくづく身勝手ですね』
日高が微笑んで東を見つめると、懺悔するように東は涙を流してうつむいた。
師匠、死す・・・
── 翌朝、フェリーが港に着く前に、彩子は日高のもとを訪れた。
日高と東は、フェリーを降りる前に彩子に逮捕される覚悟を決めていた。
そのとき、東が苦しみだし、彩子は船医を呼びに行った。でも、船医はおらず・・・。
港に河原をはじめ、警察が待ち構えているのに気づいた陸は、慌てて部屋に戻った。
陸は東の上に飛び乗り、心臓マッサージをした。
『だめだよ、ここで死んだら!
ちゃんと自分がやったことを言って、クソッたれって言わないと!』
でも東が息を吹き返すことはなく、
『もう、いいです』
日高の言葉で、陸はやっと手を離した。
フェリーが港につき、なだれ込むように警察が乗り込んできた。
騒ぎを聞きつけ、
『早く、手錠を』
日高は自分の手を差し出した。
『私は・・・』
ためらう彩子を見て、日高は近くにあったナイフを手にし、彩子を連れて出ていった。
捕まるならあなたに──
『動くな!』
日高は彩子の喉元にナイフをあてると、河原たちに下がるよう命じた。
『・・・僕を追ってください』
日高はぼそっと彩子の耳元に囁くと、階段を駆け上がり、逃走!
彩子がそれを追いかけ、河原たちはゆっくりとその後を追った。
フェリーの上から海に飛び込もうとする日高を、彩子は後ろから止め、引きずり下ろした。
『どうするかは私が決めるって言ってるでしょ!?』
『捕まるなら、あなたがよかった。
何も2人で地獄に行くことはありませんよ?』
日高は静かに言うと、彩子に向かって両手を差し出した。
『絶対に、絶対に助けるから』
涙ぐむ彩子を見つめ、日高は『待ってます』とうなずいた。
『6時7分。日高陽斗。連続殺人犯の容疑で確保しました』
彩子が手錠をかけると、
『よう頑張ったな、猿芝居』
河原が彩子に近づき、ガチャリと手錠をかけた。
彩子は、犯人隠匿および、証拠隠滅の容疑で逮捕されたのだ!
彡
その頃、八巻は五十嵐管理官(野間口徹)にあることを告げようとしていた。
『実は、望月さんは・・・』
そして時を同じくして、日高のスマホも、新田の手により復元されていた──。
~次回、最終回につづく!~
今週の癒しポイント
←もぐもぐ八巻 とぼとぼ八巻→
←びくびく八巻 しょぼしょぼ八巻→
#天国と地獄 pic.twitter.com/rSnp6xEKQP— 米子@3期視聴中 (@maikakokikako) March 14, 2021
もうあのかわいかったイセ子には会えないんだね… #天国と地獄 pic.twitter.com/tyhaRGghbo
— ジャック (@imperial_bl) March 14, 2021
捕まるなら貴方が良かった。
立派な告白だよ!!!!日高のバカ!!!!!!(号泣) #天国と地獄 pic.twitter.com/0rgJgiIu32— クロ🌳 (@yumimako1164_2) March 14, 2021
『天国と地獄〜サイコな2人〜』2話の感想
殺人現場に「乳歯」が落ちていたのは、わざとじゃなかったんですね。
『おまえが15分早く生まれていれば!』と自分の運命を呪う気持ちと、弟を誇りに思う気持ち。
相反する気持ちだけど、どちらもほんとの師匠の気持ちで。
そんな師匠の葛藤を、まるごと微笑んで受け止める日高がとてもきれいでした。
結局、日高が入れ替わったのは彩子だけで、ほかには誰とも入れ替わってなかったんですね。
最初は悪魔のような顔で彩子を苦しめていた日高だけど、それもすべて、兄を助けるため。
・・・ってことは、日高は日高のまま、陸のことが好きだったってこと?
2人はそのへん、どう思ってるのかな~?気になるー。
それに元に戻って気づいたけど、イセ子の声って思った以上にすごく高かったのね!
日高の落ち着いた声を聞いて、あー男の人だなぁ、日高は周りの評判どおりのジェントルマンだったんだなぁと実感しました。
それもこれも、入れ替わっている間にお互いのことを知り、思い合えるようになったから。
彩子が日高と一緒に地獄に落ちると覚悟を決めてから、
「そうか、だからあなたと入れ替わったんですね」と日高が気づいたあの日から、
2人の関係は変わっていたのだなぁ。
『一緒に地獄に落ちる必要はないんですよ?』
と彩子に手を差し出す日高が健気で、まさかここでこの言葉が出てくるとは思わず、グッときました。
『あんたはクウシュウゴウなんかじゃない!こんなに想ってくれる人がいるじゃないか』って彩子が言って、師匠が日高を見つめるシーンもよかった。
最後にひとりじゃないって、お互い想いあっていることに師匠が気づいてくれてよかった。
陸だって、師匠のことを想ってくれていたし。
バイト仲間だってたくさんいた。
師匠はひとりじゃなかった。
なのに、河原~!
最初から彩子も逮捕する気だったのね。
でも最終回の予告で、彩子が捕まっていないということは、八巻がなんかいいこと言ってくれたのかな?
けど日高と入れ替わっていたと言っても、信じてくれないよね~?
復元された日高のスマホの中身も心配だわ(>_<)
でもきっと彩子は約束どおり、日高を救い出してくれるはず!
師匠が落としたSDカードに、殺人映像が残ってたりするのかな…。
どうやって日高の無実(ではないけど)を証明するのか、楽しみです!
それではここまで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/
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