『イチケイのカラス』最終回(11話)ネタバレと感想│みちおはクビ!?最後までみちおはみちお、坂間はかっこよかった~!

にこ

今回は、2021年6月14日放送『イチケイのカラス』最終回(第11話)のネタバレあらすじと感想をまとめました。

出典:『イチケイのカラス』公式ツイッター

──いよいよ最終回!

 

今回の事件には、佐々木蔵之介演じる政界の大物、安斎が関係しているようで…!?

 

下手をすれば、イチケイ全員のクビが飛ぶ!

 

そんな中、みんなは覚悟を決めて事件に臨みます!!!

 

はたしてみちお(竹野内豊)は裁判官を続けることができるのか?

 

誇りと使命と勇気を胸に。

 

突き進め!イチケイ!!!

それではさっそく、最終回のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

 

その他のあらすじ
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『イチケイのカラス』最終回のネタバレあらすじ

みちお(竹野内豊)が弁護士の青山瑞希(板谷由夏)と癒着し、無罪判決を出しているというゴシップ記事が週刊誌に掲載された。

 

そんな中、みちおは日高(草刈民代)に呼び出され、

『地裁の裁判官の任期は10年。任期終了後、ほとんどの裁判官は再任される。

問題のある裁判官を除いて。。』

と告げられる。

 

もしかして週刊誌の記事は、誰かがみちおを辞めさせようとして掲載させたものなのか?

 

坂間(黒木華)は日高がみちおを呼び出した理由を知ろうとするが、

『カレー屋を始めるんだって』とチラシを渡され、拍子抜け。。

日高は裁判官を辞めたらカレー屋を開こうと思っていたのだ。

 

『話ってそれだけですか?』

『うん、それだけ』

 

・・でもやっぱり 嘘だ!!!

その夜、坂間は気になってみちおの家に押しかけた。

すると『誰?』と奥から女性の声が。

ガチャンとみちおがドアを閉め、ショックで坂間は後ずさる。

しかしまたドアが開き、女性がぴょこんと顔を出した。

実は彼女はみちおのめいっこの柳沢美知恵(筧美和子)

家には、おいっこ(武井壮)も来ていた。

 

3人は『なんで人は働くのか?』について話していて、答えは童話「三人のレンガ職人」にあると思いませんか?と坂間に話をふってくる。。

 

 

中世ヨーロッパの街。

 

旅人が3人の職人に出会い、『ここで何をしているんですか?』と同じ質問をする。

 

1人目の職人は『親方の命令でレンガを積んでいるのさ』と不満をもらす。

 

2人目の職人は『大きな壁をつくっているのさ』と答え、家族を養う仕事があることに感謝する。

 

3人目の職人は『完成までに100年はかかるけど、教会の大聖堂をつくっているのさ。完成すれば多くの信者のよりどころになる』と答え、仕事に使命と誇りを持っていた。

 

 

同じ仕事をしていても、見ているところが違う。

なぜ働くのか?そこを強く意識している人の未来はおのずと変わってくる。

 

実はこの話には続きがあり、坂間は10年後の3人の未来を知っていた。

しかし坂間がしたいのはその話ではない。

坂間はみちおを呼び止め、日高がなにを言ったのか教えてほしいと迫った。

でもみちおはにっこり笑ってごまかした。

 

ところが翌日、みちおが出勤すると、イチケイのみんなは日高が何を言ったのか知っていた。

坂間が直接、日高に話を聞いたのだ。。

 

みちおの任期終了まであと3週間。

みちおがクビになるなんて絶対に嫌だ。。

 

そんな中、部長の駒沢(小日向文世)『これには政治が絡んでいるのかもしれませんね』と言い出す。

 

再任は、最高裁裁判官会議の指名により内閣が任命する。

だが実質的には、入間と因縁のある香田健一郎(石丸謙二郎)が事務総長を務める最高裁事務総局が決定する。

 

ゴシップ記事といい、その裏には何か大きな力が働いているのだろう。

そう思った坂間たちは、みちおが職権発動している”重過失致傷事件”を検証し直すことにする!

 

自転車事故による重過失致傷事件

事件の被告人は、大学生の笹岡庸介(菅原健)

 

自転車競技部に所属する笹岡は、大会に向けて深夜に自主練習をしていた。

坂道でかなりのスピードを出していた上、左側通行を守らずに角を曲がり、旅行帰りの家族連れと衝突。

その事故で、7歳の向井愛ちゃんが意識不明の重体となっていた。。

 

なぜみちおがこの事件で職権を発動したかというと、被告人の主張と実際の状況が違ったから。

 

笹岡は左側通行を守っていたが、角を曲がる際にライトで視界を遮られ、工事用のガードフェンスを避けるために右側を走るしかなかったと主張。

だが深夜に工事を行っていた記録は一切残っていなかったのだ。

 

変わらぬ信念

駒沢が香田事務総長に話を聞きに行くと、やはりこの事件には政治が絡んでいるようで。。

坂間は『万が一、大きな力で真実をねじ曲げるのなら、司法はそれを許さない』と、みちおに協力を申し出る。

 

── なんのために仕事をしているのか?

坂間は、3人目のレンガ職人のように、仕事に”誇りと使命”を持っていたかった。

 

「三人のレンガ職人」の10年後の姿はこうだ。

 

1人目はあいかわらず文句を言いながら、レンガを積んでいた。

 

2人目は賃金は高いけど、危険を伴う屋根の上で仕事をしていた。

 

3人目は現場監督として多くの職人を育て、できあがった大聖堂には彼の名前がつけられた。

 

それを知ったみちおは『10年後、君がみんなを束ねる立場になったらなにか変わるかもね』と微笑む。

 

でもみちおは、今回の被告人が自分と同じようにネットで叩かれていることが気になっていた。

自分が多数派だと安心してボコボコにする。自覚のない悪意は怖い。。

 

『真実が何かを見極めて、正しい裁判を行う。

この案件が最後になっても、僕はいつもどおりにやるよ』

 

みちおの揺るぎない言葉に、坂間はだまってうなずいた。

 

地下鉄工事中の崩落事故

現場で検証していると、この辺りで大型複合施設に接続する地下鉄拡張工事をしていることがわかった。

 

それを知った坂間は、自分が担当している事件と関係があるかもしれないと言い出す。

坂間は今、地下鉄工事中に起きた崩落事故の業務上過失致死傷事件を担当しているのだ!

 

事故の背景には、地盤が軟弱で計画が大幅に遅れ、工事費がかさんだことが関係していた。

それにより崩落事故が起き、多数の負傷者が出て、下請けのイバタ工業の現場監督・本庄昭(大西ユースケ)が亡くなったのだ。

 

責任の所在は、本庄ともう1人の現場監督、鷹和建設の青柳にあった。

本庄は亡くなったため不起訴になったが、問題は本当に業務上の過失だったか?という点だ。

 

本庄はシングルファーザーで、5歳の息子と、本庄の母親と3人で暮らしていた。

 

母親によると、本庄は会社から納期に間に合わせるよう言われて、違法な過重労働をやらされていたという。

もし自転車事故が起きた現場でも深夜に工事が行われていたのだとしたら、記録がなくても当然だ。

 

この大型複合施設のプロジェクトリーダーは、衆議院議員の安斎高臣(佐々木蔵之介)だった。

安斎高臣といえば、大物代議士の安斎康夫の息子。

しかもこの工事を請け負っていたのは、鷹和建設。巨額脱税事件に関わっていた会社だった。

 

こうして点と線がつながり、やばいことになったとイチケイメンバーたちは顔を見合わせた。

もしかしたらみちおだけでなく、ここにいる全員のクビが吹っ飛ぶことになりかねない。

 

『いつもどおり、ですよね?』

坂間がみちおに尋ねると、

『じゃあ、2つの事件を併合しましょう』

と答えるみちお。

だがその顔からはいつもの笑みが消えていた。

 

日高のちゃんぽんカレー

そして併合審理1日目。

大物弁護士を雇った建設会社側は、過重労働を否定。

みちおは地下鉄工事にたずさわっていた職員全員に話を聞くことにした。

 

審理終了後、坂間は日高と会った。

日高が持ってきてくれたちゃんぽんカレーを食べて、坂間は『ウマっ』。

日高は本当にカレーが好きで、自分がつくったもので誰かが笑顔になってくれたらと思っていた。

 

やっぱり日高は3人目のレンガ職人。

坂間はそう思い、嬉しくなった。

 

歩くんがやってきた

併合審理2日目。

崩落事故で亡くなった本庄の母親が証人として呼ばれたため、イチケイで息子の歩を預かることになった。

 

でも歩はみちおが出したへびのおもちゃにも、駒沢が描いた絵本にも興味を示さない。

そして取り出したるは「ジャスティスヒーロー」の漫画。

歩はもともとそんなに話さない子だったが、父親が亡くなってからぜんぜん話さなくなったのだ。。

 

併合審理2日目

本庄の母親・由美子は、息子は上から指示され過重労働を強いられたと主張した。

だが、イバタ工業の作業員たちはみな口をそろえてそんな事実はないと答えた。

おそらく元請けの鷹和建設の社長が、下請けのイバタ工業にプレッシャーをかけ、口封じをしたのだろう。。

 

でも本庄は朝5時には家を出て、帰宅するのは午前0時を過ぎる日々を送っていた。

 

それに由美子は孫の歩に聞かれたのだ。

『お父さんは悪いことをして死んだの?』と。。

だから歩には本当のことを知ってほしい。

 

そこでみちおは、違法労働が行われていたのか、真実を知るために職権を発動!

裁判所主導で捜査をすることにした。

 

捜査開始!

まず駒沢たちが向かったのは、労働基準監督署 過重労働撲滅特別対策班、通称カトク。

すると匿名の告発はあったが、調査の結果、違法労働はなかったという。

 

一方、工期が遅れると莫大な損失が出るため、急ピッチで工事を進めるよう指示を出したのは「安斎高臣」だと判明。

 

秘書の田之上(篠井英介)

『安斎を法廷に呼んで、何もなかったじゃ済まさない。あなたが相手にしているのは、国だ』

とみちおに圧力をかける。

 

『この人には圧力なんてききませんよ』

坂間は強気に出るが、みちおは黙ったまま。。

みちおの任期終了まであと10日。

田之上はそんなみちおをあざ笑うように去っていった。

 

異議なし!

その後、カトクと安斎高臣の父・康夫に繋がりがあることがわかった。

それで、カトクは「違法労働はない」と証言したのだろう。

 

残された1手は、安斎高臣を法廷に呼ぶこと。それしかない。

しかしみちおは珍しく迷っているようだ。。

 

そんなみちおに坂間は言った。

『これが最後の案件になっても、俺はいつもどおりにやるよ』と言ってくれて嬉しかった。

それなのに、保身のほの字もないと思っていたみちおが保身をとるのかと。

 

けどそれはみちおのためじゃなく、イチケイのみんなを思ってのことだった。

 

『ここにいるメンバーはみんな、今の仕事を好きだと思う。

突き進んだ結果、その”好き”を奪ってしまうと思ったら、なんだか・・・』

 

『迷ってる?』

坂間はみちおの言葉を代弁し、

『うん』

『うんじゃない!』

と怒った。

 

正しい裁判を行うためなら、どれだけ周囲に迷惑をかけてもお構いなし。

事件関係者のために、何があっても真実をもって正しい判断を下す。

それが入間みちおだ!

 

『それに舐められたもんですね』

坂間は日本酒をカッと飲んで、厳しい表情で続ける。

 

『覚悟くらいとっくにできている。

私の意見に異議のある方は?』

 

坂間が問うと、駒沢が酒を飲んで『異議なし』と手を挙げた。

するとみんなも声をそろえて『異議なし』と答えた。

 

『バカだなぁ、君たち』

涙ぐんでうつむくみちおをキッとにらみつけ、

『バカにさせたのはあなたです。残りの任期までに決着をつける』

と坂間はみんなの前に手を差しだす。

みんながその手に手を重ね、坂間はみちおの手をその上にのせた。

 

『わかった!いつもどおりやるよ』

みちおが腹をくくると、駒沢が言った。

 

前回の事件で雲隠れした鷹和建設の人事部長、原口秀夫。

下請けのイバタ工業が違法労働をしていたのなら、元請けの人事部長はその事実を知っていた可能性が高い。

 

そこで書記官チームが原口を探し、

みちおはもう1人真実を知っていそうな人と話をしてみることに。

 

それはなんと亡くなった本庄の息子、歩だった!

 

力を貸してほしい

坂間が、歩が好きな「ジャスティスヒーロー」の漫画のセリフを言うと、歩は初めてしゃべってくれた!

そしてお父さんについても話してくれた。

 

忙しくて息子と話す時間のなかった本庄は、歩と交換日記をしていた。

それを読んだみちおは『君も一緒に闘ってくれないか?』と頼む。

あったことをなかったことにしないために。。

 

一方、書記官チームは原口の小学生の娘さんと接触。

2日後の誕生日に、原口と会うことを知る。

それはちょうど3回目の公判日だった。

 

併合審理3日目

そして併合審理3日目。

証言しなくてもいいと言われ、原口が裁判所に連れてこられた。

 

みちおは原口に、イバタ工業の作業員と一緒に証人の話を聞いてほしいと考えていた。

『これはあなたたちのための裁判でもある』と。

その言葉の意味とは・・・!?

 

まず証人として呼ばれたのは、衆議院議員の安斎高臣だった。

 

あの施設ではすでに大きな会議などが決まっている。

工期に遅れが出たらそれらは白紙になる。

それで安斎は信念をもって、急ピッチで工事を進めるよう指示を出したという。

 

安斎にとっての信念は「国民の利益、国益を守る」こと。

1億2千万の国民の利益を考えれば、覚悟をもって選択しなければならないことも多々ある。

未来が見えていない政治家を国民は信用しない。

安斎が相手にしているのは、個人ではなく国民全員。

そのためには多少の犠牲はしかたない。

冷徹にみえるかもしれないが、それが自分の使命だと、安斎は言い切った。

 

対するみちおの使命は「真実を知ること」「正しい裁判を行うこと」

 

安斎は証言台から身を乗り出すようにして言った。

『言っておくが私は、工期を早めろとは言ったが、違法労働をしろとは言っていない。

そもそも違法労働はあったんですか?私も真実が知りたい』

 

歩がくれた勇気

そこでみちおは、本庄の5歳になる息子・歩を証人に呼んだ。

 

みちおは証言台の前に腰かけた歩の横にしゃがみ、ジャスティスヒーローの必殺技、胸をトントンと叩き、“勇気”を歩にあげる。

 

すると歩は『お父さんはいっぱい働いていた』と話し始めた。

 

ある日、歩が夜中に目を覚ますとお父さんは泣きながら歩の頭をなでていた。

 

『勇気がないんだ。間違っていることを間違っているという勇気が・・・』

本庄は、女の子が自転車とぶつかって大けがをしたと泣いていた。

 

そんな本庄に、歩は『勇気をあげる』と、自分の胸をトントンと叩き、お父さんの胸に注入した。

『これで大丈夫!』

 

その後、本庄は『間違っていることをちゃんと言えた』と歩に言っていた。

その証拠に、歩と本庄がしていた交換日記には

『あゆむがゆうきをくれたおかげで、まちがっていることをちゃんといえたよ。ありがとう』

と書かれていた。

 

『きっといっぱい働かなくてもいい。きっとみんな休むことができる。きっとこれで僕と遊ぶ時間ができる』

歩は本庄が言っていた言葉をみちおに伝えた。

 

すると『異議あり!5歳の子供の言うことなんて認められない。茶番だ!』と被告側の弁護士が立ち上がる。

『なにが茶番ですか!』と坂間は法壇から一喝した。

 

『あなたにはわからないんですか?5歳の子がお父さんのことを思ってこの場にいることを!

お父さんの誇りを取り戻すために、勇気をふりしぼって証言していることを!』

 

それでも弁護士は、5歳の子供のいうことに証言能力はないと言い張る。

しかし駒沢はそれに備え、幼稚園の先生から証言を得ていた。

歩は通常の園児より成長が早く、じゅうぶん証言能力があるのだ

 

またカトクに送られた匿名メールは、本庄が送ったものではなかった。

では本庄は誰に違法労働の改善を訴えたのか?

その誰かはこの法廷にいるはず。その誰かが匿名メールを送ったのだ。

 

想像してください

『誰のために裁判はあるのか?』

みちおは法廷にいる全員に向かって話し始めた。

 

『裁判は常に平等であり、すべての人のためにあります。

司法は絶対に真実をねじ曲げない。だからこそ人々は安心して生活できる』

 

今回、笹岡さんはなぜ自転車事故を起こしてしまったのか?

本庄さんはなぜ命を落とさなければならなかったのか?

裁かれるべき人間は誰なのか?

 

『想像してください。

あったことをなかったことにされたら、どれだけの人が傷つくことになるか。

 

想像してください。

あったことをなかったことにして、どれだけの苦しみを抱えて生きていくことになるのか?

 

想像してください。

勇気を出して1歩踏み出したときに、失わずにすむものを。。

 

なんのために、誰のために闘うのか?

少なくとも自分の人生に誇りをもって生きていけるのではないでしょうか?

1歩踏み出す勇気、それは本庄歩くんからもらったはずです』

 

みちおは法廷を見回し、『証言したい方はいますか?』と静かに尋ねた。

するとイバタ工業の作業員数人が手を挙げた。

 

『何をしてるんだ!』

驚いて声をあげる秘書の田之上を安斎は制する。

すると『私が代表で証言します』と震える手で原口が手を挙げた。

 

原口の証言

カトクに匿名メールを送ったのは、原口だった。

亡くなった本庄から直接訴えがあったのだ。

違法労働によって、予期せぬ自転車事故が起きた。

それにもう限界だと。

 

『だから本庄さんは業務上過失など犯していない。

過労で事故が起きた。それを私が社長からの指示で偽装した。

これが真実です』

 

そう言うと、原口は『これで誇りを失わずにすみました』と、みちおに感謝した。

 

こうして、崩落事故と自転車事故の原因は「違法労働」にあると、みちおは判断。

責任の所在は「鷹和建設にある」とした。

 

安斎の告発・・・

安斎が法廷を出ると、城島(升毅)を筆頭に特捜部の面々がぞろぞろと歩いてきた。

鷹和建設が脱税した金の一部が、安斎高臣の父親の政治団体に流れていたことがわかったのだ!

 

しかし鷹和建設の違法労働を指示し、隠ぺいしたのは『私です』と秘書の田之上は言う。

たとえ安斎がそうするよう暗に働きかけていたとしても、それは罪ではない。

『裁くなら私以外を裁けばいい』と安斎は豪語する。

 

『入間みちお。またいつか会うことになるかもしれないな。

そのときが楽しみです』

 

安斎はそう言い残し、去っていった。

 

その後、安斎は父・康夫の指示で、秘書の田之上が鷹和建設の違法労働を黙認し隠ぺいを図ったと告発!

 

その一方で、自転車事故で意識不明になっていた少女は、意識を回復した。

 

みちおはクビ!?

後日。

みちおがクビになったという知らせをうけた坂間は、香田健一郎にその理由を聞きに行く。

 

すると、第3支部の赤字を解消するために派遣されたはずが、助長したとして坂間も責任を取らされるところだったことが判明。

それをみちおが『坂間さんのせいではない』と言い、責任を問わないことにしたのだ。

 

それを知り、坂間は諦められず、去っていこうとする香田の前に回り込んだ。

 

『裁判官にとって大事なことはなんだと思いますか?』

 

もちろん組織運営において赤字を出さないことは大事だ。

でもそれと同時に、話を聞いて聞いて、悩んで悩んで悩んで1番いい答えを決めることも大事だ。

 

みちおは、坂間がどんな裁判官になるか楽しみだと言っていた。

『でも私の方こそ見てみたいです。

裁判官としての入間みちおのこれからを。

香田さんは違うんですか?』

 

そのとき、草野球のユニフォーム姿の地裁チームと地検チームがそろってやってきた。

 

『認めませんよ。入間君をクビにするなんて。

懲戒処分をうけたご子息の香田隆久裁判官、近々復帰されるそうじゃないですか』

 

駒沢が口火を切ると、口々にみんなは言った。

誤審して、さらに証言をねじ曲げようとした隆久が復帰するのなら、みちおのクビはおかしいじゃないかと。

 

『脅しているのか?』

『まさか。私たちは司法に関わるものですよ』

 

そう言うと駒沢はその場にいる全員に大声で尋ねた。

『入間くんのクビは妥当か!』

『異議あり!』

 

法曹界は、みちおを必要としているのだ。

 

みちおの行く末

その頃、みちおはみちこと一緒に誰もいない野球場にいた。

『なんで誰もいないの~?』

 

そこに『入間さん、暖かい場所と寒い場所、どっちがいいですか?』と坂間から電話があった。

 

みちおは暖かい場所を選択。

熊本に赴任することになった。

 

赴任先にみちおのふるさと納税返礼品コレクションが送られ、第3支部からみちおの取扱説明書が届き、熊本の人たちはびっくり(@_@;)

 

坂間は熊本に着いたみちおに電話し、勝手な行動は慎むよう注意した。

 

『ちゃんとやると約束してくれますか?』

『うん』

『・・・今の”うん”は怪しい!

実家の長崎から近いので、定期的に視察に行きますから』

 

『監視されてるみたいでいやだな』

『みたいじゃなく、監視です。約束してくれますか?』

『わかったよ、そっちもちゃんと約束守ってよ、坂間千鶴!』

 

『はい。。

私はイチケイのカラスになります』

 

 

今日も坂間は法服を着て、法廷に向かう。

みちおに教えてもらったこと、みちおとの思い出を胸に。

 

たとえ一緒にいられなくても、2人の想いはつながっている。

 

坂間はドアを開け、光射す法廷に入っていった。

 

 

その頃、みちおは新しい支部に到着。

さっそく被告人と被害者の証言が食い違っている案件があることを知り、

『僕も入れて。職権を発動するから』

と頼む。

 

『職権・・・!?』

『そう、裁判所主導であらためて捜査するんですよ。むはっ』

 

みちおはいつものように笑ってみせた。

 

 

〜終〜

 

 

『イチケイのカラス』最終回の感想

まさかのおいっこ、めいっこ、みちおの3人トークに坂間が加わるという意外な展開が面白かった!

仕事に誇りと信念をもっていたいという姿勢が、最後まで長い話の中に1本光のように筋が通っていて話に入り込めました。

 

やっぱり小さい子どもが証言台に立つって、それだけで心動かされるっていうか、お父さんとの夜中の会話がもう。。

歩くんの勇気がみんなに伝わり、法廷を動かすきっかけになりました。

 

でもお父さんなのは、違法労働を認める証言をした原口さんも一緒なんですよね。。

しかもその日は娘さんの誕生日。

なのにお父さんが逮捕されて帰ってこなかったら、誇りってなんだよ!って泣かれそう。。

 

光の部分ばかりクロースアップされるけど、どこかを立てれば誰かが傷つく。

さらに自分の父親と秘書を告発し、自分に罪はないと政治家を続ける安斎のような男までいる。。

 

『入間みちおとはまた会うことになりそう』って、続編決定じゃんね〜。

でもみちおがクビにならなくてよかった!

坂間もそのままイチケイにいられることになってよかった。

 

物理的な距離は離れてしまったけど、

2人は揺るぎない信念で結ばれている。

恋というよりは同志のような。

相方のようなかけがえのない存在の2人がいいなと思いました。

 

でもこれから職権を発動する裁判官が2人に増えて、法曹界は大変ね。

カレー界に華麗にデビューした日高さんの晴れやかなスマイルもよかったです。

 

みちおの『ムハッ』という力の抜けた笑顔がまた見れる日がくるといいな。

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/

またの〜。

 

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