『イチケイのカラス』2話ネタバレと感想│明日へつなぐバトン!大事なのは間違いを認めること・・・!

にこ

今回は、2021年4月12日放送『イチケイのカラス』2話のネタバレあらすじと感想をまとめました。

出典:『イチケイのカラス』公式ツイッター

前回は、みちお(竹野内豊)のやり方に反発しつつも、次第に感化されていく坂間(黒木華)の姿が印象的でしたね!

 

でも、そんな型破りなみちおのやり方は人事局で問題視されていました。

 

そんな中、みちおたちは娘を虐待したとして有罪判決を受けた深瀬瑤子(前田敦子)の裁判を合議制で行うことに。

 

これがまた大人の事情が渦巻く厄介な案件で・・・!?

 

はてさて、みちおたちはどうするのでしょうか?

それではさっそく、2話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

 

その他のあらすじ

『イチケイのカラス』2話のネタバレあらすじ

みちお(竹野内豊)たち地裁チームと地検チームによる草野球試合が行われた。

投手はみちお。

バッターは甲子園でベスト4入りを果たしたこともある井出検事(山崎育三郎)

 

坂間(黒木華)は「敬遠」も立派な戦術だというが、みちおは悔いなく全力を尽くしたほうが楽しいと、自信満々でマウンドに立つ。

そのボールは見事にデッドボール!

 

『わざとですか?』

『いや、濡れ衣です』

と、試合会場は大騒ぎに!

みちおは応援に来ていたセントバーナードのみちこに井出を追いかけさせ、大笑い!

 

その時、最高裁の日高亜紀(草刈民代)から連絡があり、坂間は試合を抜け出し、会いに行った。

 

そこで紹介されたのは、人事部のトップ、最高裁事務総局・事務総長の香田健一郎(石丸謙二郎)

みちおの存在は人事部でも問題視されていて、問題行動に改善が見られず処分が必要な場合は教えてほしいと頼まれる。

 

── 翌日。

坂間はさっそく、みちおの問題行動をまとめ、変わってもらう必要性を訴えた。

 

『困るのは入間さんなんですよ』

その言葉に、みちおはピーンとくる。

『もしかして上から何か言われてるとか・・・?』

『い、言われてません!とにかく、改善を』

 

そこに部長の駒沢(小日向文世)が珍しく険しい表情で入ってきた。

合議制で扱いたい案件があります。

1審で有罪判決を受けた差し戻し案件です

 

被告人は、料理研究家の深瀬瑤子(前田敦子)

2年前、当時1歳半の我が子に虐待したとして、有罪判決が下された。

現在3歳の娘は後遺症もなく、回復。

だが1歩間違えれば命を落としていた。

 

被告人は送検時に笑っていた様子が『鬼女の微笑み』と呼ばれ、SNS上で誹謗中傷の的になっていた。

 

だが被告人は虐待なんてしていないと控訴し、高裁に差し戻された。

SBSとは、乳幼児揺さぶられ症候群のこと。

赤ちゃんを強く揺さぶることで、脳に損傷が起きることをいう。

 

今回、高裁がイチケイに差し戻してきた理由は、第1審の裁判官が香田隆久(馬場徹)だったため。

香田裁判官は、事務総長の香田健一郎の息子なのだ!

 

裁判官にとって、判決をひっくり返されるということは、この上ない不名誉。

これは完全なる取り扱い注意物件だ!

そう悟った坂間は、裁判は自分抜きでやってほしいと駒沢に頼んだ。

 

だが『慎重な審議が必要なので、合議制で』と、駒沢は却下!

坂間が黙っていると、

『ふざけんな!このたぬき親父って思ったな』

と、みちおが坂間の心中を代弁した。

 

裁判長は、今回もみちお。

『これは本当に取り扱い注意案件ですからね』と坂間は念を押すが、

『わかりました。いつもどおりやります』と、みちおは全然わかっていないようだった。

 

第1回 差し戻し公判

そして第1回 差し戻し公判の日がやってきた。

弁護士は、土屋里美(西尾まり)

検察側は、井出と城島(升毅)

 

被告人の夫・深瀬啓介(渋谷謙人)と義母の弘子(松金よね子)が見つめる中、瑤子がゆっくりと法廷に入ってきた。

さらに傍聴席に香田裁判官が現れ、監視されてるみたいでやりづらい・・・。

 

『私は虐待などやっていません』

瑤子が言うと、みちおはにっこり。

その笑顔の真意は?

ここからまた、入間劇場が始まる ──。

 

事件当時、瑤子は育児に悩み、うつ状態。

ようやく仕事に復帰したところだった。

 

平成30年11月9日。

事件当日、詩織ちゃんはいっこうに泣き止まなかった。

それに苛立った瑤子は『泣きたいのはこっちのほうよ!』とベビーベッドを揺さぶった。

瑤子が仕事に行った後、夫の啓介が詩織ちゃんの手が動かないことに気づいた。

 

でもイマイチSBSのイメージが湧かないみちおは実際に体験してみることに。

坂間がブンブン揺さぶると、やっとみちおもわかったようだ。

『これは明らかに虐待です!』

 

次に、詩織ちゃんをSBSだと診断した小児科医・足達克己(金井勇太)が証言台に立った。

落下による頭部外傷でもSBSと同じような症状が起こるという事例があるが、事件当日、そのようなことはなく。。

足達は『10人医者がいたら10人 私の意見が正しいと言うはずだ』と答えた。

 

『なるほど、10人ですか・・・』

みちおの発言を聞き、書記官の川添(中村梅雀)は焦った。

やめろ!それを手配するのは私だ!頼むから1人にしてくれ!

川添は必死にジェスチャーで説得を試みるも撃沈・・・。

 

みちおは次の公判で 10人の医者を用意することにした。

 

間違えないように・・・

終了後、みちおたちが廊下を歩いていると、香田裁判官が待っていた。

 

さりげなく父・香田健一郎の存在をほのめかし、プレッシャーをかけてくる香田裁判官。

入間さん、裁判官にとって1番やってはいけないことはなんだと思いますか?

 

その答えは、間違えること。

人が人を裁く。決して間違ってはいけない。

 

それを聞き、『そうかなぁ?』とみちおは首をかしげた。

 

SBSは、ほとんど起訴されないのが実態だ。

裁判所がむやみに動けば、検察はさらに起訴しづらくなる。そして虐待が見逃されてしまう・・・。

 

『だから間違えないようにお願いします』

みちおの肩を叩くと、香田裁判官はイチケイメンバーのことを父に言っておくと圧力をかけ、去っていった。

 

第2回 差し戻し公判

そして、第2回差し戻し公判が行われ、10人の医師による話し合いが行われた。

 

すると意外な事実が判明!

詩織ちゃんの場合、外傷を受けてから症状が出るまでに3日間程度の幅があったかもしれないというのだ。

 

詩織ちゃんが硬膜下血腫を発症したのは、平成30年11月9日。

そうなると、11月6日、7日、8日に外傷を負った可能性がある。

 

そこでみちおは職権を発動!

裁判所主導で、3日間さかのぼって調べ直すことにした。

 

くさや

みちおの決定に、もちろん坂間は抗議した。

でもスッキリすれば正しい判決が下せるし、50年後になっても正しいと思える判決をしたいと言われると、妙に納得してしまうところもがある・・・。

坂間はみちおが勝手な行動をしないように、みちおと一緒に聞き込みに行くことにした。

 

しかしロッカーからコートを取り出し、バサッと羽織ろうとした坂間はその手を止める。。

見るとロッカーの中に、大島のふるさと納税「くさや」が入っているではないか!

 

ロッカーが開いていることに気づいたみちおが、閉めてあげるついでに「くさや」を入れたのだ。

小分けにして密閉袋に入れたものの、封が開いていて、コートから何から臭いこと極まりない!

 

『僕は気にしませんよ、千鶴さん』と、坂間に気のある石倉(新田真剣佑)は近づくが、やっぱりクサッ!!!

 

夫の話

その夜、みちおと坂間は、瑤子の夫・深瀬啓介の実家を訪れた。

坂間が入ると、啓介は『クサッ!』

 

そこには大きくなった詩織ちゃんの姿もあった。

詩織は事件があってから瑤子に1度も会っていない。

瑤子のこともおそらく覚えていないだろう・・・。

 

詩織が硬膜下血腫を発症する3日前の11月6日、啓介は詩織を社内の託児所に預けていた。

保育士の小野田祥子(智順)は、実は啓介が瑤子と出会う前につき合っていた女性だった。

結婚話もしていて、別れるときはかなり揉めたらしい。。

 

そこでみちおは、小野田祥子を次の公判に呼ぶことにした。

 

神の手ゴール!

その後、坂間は香田裁判官に呼び出され、ステーキ屋へ。

入間裁判官が間違いを犯しているならあなたが修正してください、父もあなたに期待しているとプレッシャーをかけられる。。

 

家に帰った坂間は、田舎のじいちゃんばあちゃん、妹と撮った写真を見て考え込む。

思いつめた坂間は、みちおの部屋の呼び鈴を鳴らした。

でもみちおは出ない。

諦めて坂間が立ち去ろうとしたとき、みちおが出てきた。

 

『ドアスコープから見て抗議するつもりなら居留守を使おうと思ったけど、なにか落ち込んでる?』

 

祖父母の悲しむ顔が思い浮かんで眠れません・・・

坂間の言葉に、みちおはドアから身を乗り出した。

 

坂間は物心つく前に母を亡くした。

だから母親の愛情というのはわからない。

父は仕事で忙しく、坂間と妹は祖父母に育てられた。

裁判官になったことを、祖父母は誰よりも喜んでくれた。

坂間のことをいつも誇りだと言ってくれる。

その期待に応えるためにも、坂間はキャリアプランどおりに進んできた。

 

それなのに、このままでは事務総長を敵に回し、裁判官を辞めることになり、地元の漁師と結婚しても価値観の違いから離婚し、自暴自棄になって失踪して日本海に飛び込んでしまうかも。

坂間は『単独事件に切り替えてほしい』と切羽詰まった様子で頼んだ。

 

するとみちおは、元アルゼンチンサッカー代表のマラドーナがある試合で決めた「神の手ゴール」について話し始めた。

ゴール前に上がったボールを、マラドーナは手を使ってヘディングのようにしてゴールを決めたのだ。

 

この試合を裁いた主審は、後に言った。

副審はゴールを指していたし、自分にはハンドは見えなかった。

それに会場にいた8万人の観客も誰ひとり気づいていなかった。

『間違っていたのは僕だけじゃないよ。会場全体だよ』

 

これを裁判に置き換えたら、興味深い。

マラドーナだけは真実を知っている。

しかし裁判官は被告人に判決を言い渡さなくてはならない。

 

被告人を裁いているように見えて、実は裁判官も裁かれているのだ。

 

『何が言いたいんですか?』

坂間が尋ねると、

裁判官の仕事、面白いと思わない?

と、みちおは言った。

その手にはずっと紙パックの関サバジュースが握られている。。

 

『こんな面白いこと抜けるなんて、理解できないな~』

キィ~~イ、バタン。

ドアを閉めると、みちおは鍵をかけてしまった。

 

みちおが笑った理由

翌朝、坂間が早く来て仕事を片付けていると、駒沢がやってきた。

 

被告人が無罪を主張した時、入間くんはどんな顔をしていましたか?

駒沢に尋ねられ、

『満面の笑みでしたよ、あり得ない』

と坂間は答える。

 

でもそれは、被告人が無罪を主張すれば、より注意を払ってえん罪を防ぐことができるから。

だから喜んだのだと駒沢は言う。

 

法廷にはいろんな正義が飛び交っている。

確かに虐待は許されない。

だがそれと同時に、えん罪も許されない。

裁判官はその中で、最善の答えを導き出さなければならないのだ。

これ以上面白い仕事はないと、駒沢は言い切った。

 

すると、入間が取り寄せたのだろうか?

駒沢は瑤子が逮捕、勾留されていたときの記録=被疑者ノートを見つける。

『元刑事弁護士の入間くんらしですね』

 

駒沢が置いていったノートを、坂間は読んでみた。

その中には、瑤子が勾留中にどんなひどい言葉を投げかけられたか、やっていないのにやったことにされ、苦しんでいる様子が見て取れた。

 

義母は、自分が虐待したと思っている。

夫も自分を疑っている。

誰も信じてくれない。

でも私はやっていない。

誰にも信じてもらえないとしても、それが真実だから。

 

世間では私が送検のとき笑ったことが取り上げられ、「鬼女」と言われていることを知った。

でも違う。

あのとき、誰かの携帯着信音が鳴った。

それは詩織が大好きな曲。

それを歌ってあげると、詩織は泣き止んで笑う。

 

〽ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷ らんらんらん

 

だからあのとき、瑤子は笑ったのだ。

詩織のことを思って、笑みがこぼれただけ。。

 

詩織のためにも、私は絶対諦めない ──。

 

第3回 差し戻し公判

第3回差し戻し公判が行われ、保育士の小野田祥子は詩織が頭を打ったり、虐待したりした事実はなかったと証言した。

 

だが祥子は、瑤子の夫・啓介の元恋人。

結婚話までしていたのに別れることになり、瑤子を恨んでいた。

それでSNSに「鬼女のほほえみ」といった誹謗中傷を書き込み、人々をあおっていたのだ。

 

法廷内が一斉にざわめき、

『やってません!私は虐待なんてやってません!』

と祥子は叫んだ。

 

興奮する祥子に、みちおは深呼吸することを勧めた。

祥子だけでなく、法廷内にいる全員に。

あまりに自由すぎるみちおに、坂間は呆れる。

 

『やってないことをやったと言われる。

被告人の主張が正しいのであれば、今あなたが味わった憤りを 被告人はずっと抱えてきたことになります』

 

みちおは静かに、何か気づいたことがあったら教えてほしいと祥子に呼びかけた。

 

すると祥子は、11月6日に詩織に微熱があることに気づき、念のためかかりつけの病院に連れて行ったことを思い出す。

そのとき祥子は途中で電話がかかってきて診察室を出たのだが、戻ってきてもまだ診察が終わっていなかった。

いつもなら10分くらいで終わるところを30分もかかったという。

 

その医師とは、SBSの診断をくだした足達克己だった!

 

香田と足達医師の関係

そこでみちおは、もう1度、足達を呼んで話を聞くことにした。

ところが足達はそれを拒否。

こちらから出向く所在尋問も、時間がないからと言って断られる。

 

そこでみちおと坂間は直接病院へ。

でもやっぱり足達は自分たちのことを避けているようだ。

 

すると看護師から有力な情報をゲット!

足達が昨夜、誰かともめていたというのだ。

みちおが写真を見せると、ビンゴ!

それは香田裁判官だった!

 

足達が最初に証人尋問を受けた時、香田は足達の言動を気にしているようだった。

そして足達も、香田を気にしているようだった。

それでみちおが2人の接点を調べたところ、高校・大学時代、剣道部に所属していたことがわかった。

足達は、香田に逆らえない関係だったのだ。

 

香田はなぜ、足達が出ている裁判を傍聴に来たのか?

なぜ昨日、もめていたのか?

それがどう事件と繋がっているのか?

 

降りるなら今

そんな矢先、みちおにアメリカ長期海外出張の話が舞い込む。

これは明らかに、誰かの妨害だろう。

相手はよほどこの件に触れられたくないと見える。

 

みちおは『降りるなら今のうちだ』と坂間に言った。

ここから先は結構な闇を掘り起こすことになるかもしれない。

 

出世につまづくのは受け入れられません。

でも私は裁判官です。真実から目を背けることはもっと受け入れられません

 

そう言って、グイッと坂間はお茶を飲みほした。

驚いて坂間の横顔を見つめ、ふっと笑うみちお。

 

さて、これからどうするか?

みちおは足達先生に所在尋問をした後、香田裁判官を法廷に呼んで話を聞くという。

そんな話は前代未聞だ!

 

バトンを繋げ!

翌日、イチケイメンバーは検察の井出と城島と一緒に、病院に向かった。

しかし足達は今日、ベルリンの病院に行くことになったという。

飛行機の時間は13時。まだ間に合う!

みちおは急いで令状を作成させ、空港に向かった。

 

だがあいにく、道は大渋滞!

そこでみちおは、足の速い井出に『走って!』と頼んだ。

でもうちが不利になる奴を捕まえてどうするんだよと、応じてくれない。

 

そこで車を降りて、みちおと坂間と駒沢は走った。

その途中で駒沢が脱落。

『託す!』

みちおが脱落。

『託す!』

坂間は令状の入った封筒を持って走った。

でもヒールでうまく走れない。

そこにすごい速さで井出が走ってきた。

『僕のベースランニングは13秒29』

『あとは託します!』

 

井出はハードルを飛び越えるように、歩道の赤白ポールを次々と飛び越え、軽やかに走っていった。

 

第4回 差し戻し公判

そして時は流れ、第4回差し戻し公判の日がやってきた。

証人は、裁判官の香田隆久だ。

 

『あなたは裁判官にとって大事なことはなんだと思いますか?』

みちおは前に、香田に聞かれたことを尋ねた。

すると『間違えないことだ』と香田は即答した。

 

『でも私はそうは思いません』と、みちおは答える。

裁判官だって間違えることはある。

でもそれ以上に大きい罪は、間違いを認めないことだ。

 

みんな、様々な荷物を抱えて生きている。

間違いを認めることは勇気がいることだ。

しかし我々は裁判官だ。

間違えた時にどう行動するべきなのか、それが大事だとみちおは言った。

 

その言葉は、隣に座っている坂間の胸にもちょっとだけ刺さった。

 

『香田裁判官。あなたは第1審判決で間違えていませんか?』

『間違えていません』

 

すると、みちおはもう1人の証人を呼んだ。

それはなんと足達だった!

 

これが真実

詩織が硬膜下血腫になる3日前の11月6日。

微熱があると、保育士が詩織をつれて病院にやってきた。

保育士がその場を離れ、足達は緊急の処方を頼まれ、カルテを確認するため、パソコンに向かった。

 

その間に詩織が寝がえりをして、診察台から落ちてしまったのだ!

すぐに確認し、足達は問題ないと思った。

だが3日後、詩織が急性硬膜下血腫を起こし、運ばれてきた。

 

足達は診察台から落ちたことが気になったが、母親が育児に悩んでうつ状態だと聞き、SBSだと診断した。

でも有罪判決を受けても、瑤子は無罪を主張。

それで疑問をもち、香田に相談したのだ。

 

だが香田は『今さら判決を変えられない』『間違えてなんかいない』と頑なに認めようとしなかった。

 

これは深瀬瑤子さんが、母親としての自信を取り戻せるかどうかの裁判です。

多くの誹謗中傷を浴び、それでも無罪を主張し続けた 母親としての人生がかかっているのです

 

みちおの言葉を聞き、瑤子は泣き出した。

足達は瑤子をじっと見つめると、意を決して話し出した。

 

足達がベルリンに行ったのは、SBSの第1任者である恩師に診断してもらうため。

その結果、詩織が硬膜下血腫を起こしたのは診察台から落ちたのが原因で、SBSではないことがわかった。

 

それを聞き、みちおは今すぐ判決を出したいと検察側に頼んだ。

『わかりました・・・』

 

『主文。被告人は、無罪』

判決が言い渡されると、瑤子は涙を流し、頭を下げた。

 

みちおは法壇を降りて、瑤子の前へ。

『あなたが味わった苦痛は計り知れない。1裁判官としてお詫びいたします。申し訳ありませんでした』

みちおが謝ると、駒沢も坂間も立ち上がって頭を下げた。

 

そして罪のない人を罰することがないよう、いっそう気をつけていくことを誓うのだった。

 

詩織との再会

その後、瑤子は大きくなった詩織と再会した。

『詩織!』

瑤子は駆けだそうとして、覚えてないよね・・・と悲しそうに微笑む。

 

すると『ママ!』

笑顔で詩織が駆けてきて、瑤子の胸に飛び込む。

『ママ、おうたおぼえたよ~』

詩織は瑤子がよく歌ってくれた「あめふり」の歌を歌ってくれた。

 

『上手だね~ありがとう~』

 

わかってない

一方、みちおたちの前に、『お見事でした』と拍手をしながら香田がやってくる。

しかし、香田は全然自分がしたことをわかっていなかった。

 

『君たちは終わりだ。私を敵に回したんだから。

最初に忠告したはずだ。わかりやすいサインも出してあげましたよね~。

察しろよ!

要求どおり判決を出せばよかったんだ。

おまえは間違えたんだよ!』

 

すると『憲法第76条』とツカツカと坂間が香田の前に歩み出た。

 

『すべて裁判官は良心に従い、独立してその職権を行い、この憲法および法律にのみ拘束される。

あなたにとやかく言われる筋合いはありません!』

 

『そのとおり』

みちおが拍手すると、

『坂間裁判官、あなたもただで済むとは思わないでください』

と香田が圧をかけた。

『それはあなたもね』

みちおは静かに2人の間に入り、香田を見つめた。

 

みちおの圧力

そして後日、イチケイに事務総長がやってきた。

事務総長は息子の香田隆久を、懲戒処分にするという。

そして『申し訳ない』とみんなに頭を下げた。

 

そのとき、みちおはお昼を買いにいって留守だったが、事務総長はみちおにも謝ってほしいと伝言を残した。

 

それは案外、みちおが新聞のインタビューで

『無罪判決を出したことで、審理に関わった裁判官がどこかに飛ばされるんじゃないかって噂話があるんですが、そんなの都市伝説ですよ。裁判所って真実に公平な場ですから』

と答えたのが効いたのかもしれない。

 

因縁の事件

それから──。

入間さんの処分は必要ないと判断した』と坂間は、最高裁の日高に報告した。

『改善すべきところは私が責任をもって対処します』

すると『失望させないで。入間みちおに感化されないように』と日高はくぎを刺した。

 

日高はなぜそんなにみちおにこだわるのか?

坂間は過去の公判を調べ、11年前のある事件にたどり着いた。

それは日高が裁判長をつとめ、右陪席が駒沢部長。そして弁護人は、入間みちおがつとめた事件。

 

その裁判で、日高は有罪判決を下した。

その後、刑務所で被告人は無実を主張し、自殺を図った。

みちおは弁護士を辞めて裁判官になった。

 

『判決は正しかったんですか?』

坂間が尋ねると、前を見つめたまま、日高は言った。

『私は間違えていない』

 

謝りたくない!

そしてまた、地裁チームと地検チームの草野球が行われた。

今度こそ勝ちたいというみちお。

バッターは井出。

 

『デッドボール!』

『ちょっとわざとですよね?』

『いやいや、ぶつけちゃだめだと思ったら緊張して』

みちおはなんだかんだと理由をつけて謝ろうとしない。

坂間が謝って!と迫ると、みちおは走って逃げだした。

 

『みちこ~!』

でもみちこは助けてくれない。

 

『みちこぉ~~~!』

みんなに追いかけられ、みちおの悲しい叫び声がグラウンドに響き渡った。

 

~3話につづく~

 

 

『イチケイのカラス』2話の感想

最後まで反省の色が全くなかった香田裁判官…。

『私は間違っていない』って、最高裁の日高さんも言っててドキッとしましたね。

 

間違いを認めて早く対処していれば、11年前の事件でも、被告人を自殺に追い込むことはなかったんじゃないか。

香田に語りかけながら、みちおはその裏にいる、日高や人事局のお偉いさんたちに語りかけていたように見えました。

 

今回は突然のマラドーナの神の手ゴール。

本人が言わなかったら、今も誰も気づいていなかったのかな?

それか、気付いた人がいても見間違いじゃない?と流されてしまったか。

本人のみぞ知る過ちってたくさんありますよね。

 

前半の回想で、瑤子がしおりちゃんのベビーベッドを揺するシーンがありましたが、あれは検察側のイメージで実際にはそんなことなかったのかな?

でなきゃ、あんなふうに『私はやってない』なんて言い切れないですよね。

少しでも思ったり、言ってたりしてたら、これも虐待かもと思ってしまうもの…。

 

私なんて未だにキーッとなってしまうことがたびたびあり、なんであんな言い方をしてしまったんだろう、もっと冷静になれたらいいのにと反省してばかりです…(><)

 

だから、やってないのにやったことにされて、それでも無実を訴えて、詩織の未来を考える瑤子の姿に胸がキュ〜ッとなりました。

拘留されている間の瑤子の言葉が記された被疑者ノート。

あれを読んでるシーンがやばかった!

坂間と一緒に読んでいる気持ちになって、涙腺ちょちょぎれたわ~。

 

あそこから急に坂間の裁判に臨む姿勢が変わって、

これは“瑤子”という人の人生がかかった大切な裁判なんだという想いがググっと増したように感じました。

 

ベルリンに向かう足達先生を捕まえるため、一丸となって空港に令状を持って走っていくイチケイ+井出検事の姿も爽快でかっこよかったですね〜!

山崎育三郎さんて、あんなに足が速いんですね!

障害物を軽々と飛び越えていく姿がかっこよかったです!

 

でも何より、今回は詩織が後遺症もなく、元気でいてくれたのが大きかったように思います。

これが障害が残ったり、亡くなっていたりしたら、話は全然違ったはず…。

 

きっと旦那さん、瑤子の写真や動画を見せてあげてたんだろうな。

詩織がママを好きでいてくれてよかった!

義母との確執は残るだろうけど、幸せになってほしいな!

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/

またの〜。

 

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