『生きるとか死ぬとか父親とか』最終回(12話)ネタバレと感想│変わってゆく、でも変わらずに。鏡のようなあなたとこれからも一緒に。。

にこ

今回は、2021年6月25日放送『生きるとか死ぬとか父親とか』最終回(第12話)「生きるとか死ぬとか」のネタバレあらすじと感想をまとめました。

Ⓒ『生きるとか死ぬとか父親とか』製作委員会

ついに最終回!

 

いつも相談される側のトキコ(吉田羊)が、父(國村隼)に相談!?

 

それに対する父の意外な答えとは…?

それではさっそく、最終回のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

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『生きるとか死ぬとか父親とか』最終回のネタバレあらすじ

 

悩んでいるとき、誰かに話を聞いてもらうだけで 気持ちを整理できたり。

 

自分では気づけないことに気づいたり。

 

相談することで、少なくとも「解決の糸口」は見つかるはずだ。

 

そう語るのはお馴染み、人生の酸いも甘いも知る「トッキーとヒトトキ」のパーソナリティ・トキコ(吉田羊)だ。

 

トキコが父親について書いたエッセイがついに完成!

タイトルはずばり「生きるとか死ぬとか父親とか」

 

この本は誰かのためというより、自分のために書いたもの。

それでも何か感じてもらえたのなら嬉しい。

 

ラジオの生放送を終え、トキコが帰り支度をしていると、ラジオのプロデューサーがやってきた。

 

何かいつもとは違う様子の落合さん。

なんとラジオの放送時間を夜から昼に変え、月曜~金曜までの帯番組にしたいというではないですか!

 

内容は今と変わらず、お悩み相談が中心。

とはいえ、夜だからこそ言える親密さとか、週1だからこそ1人ひとりの質問に丁寧に答えられていたということもあり、正直トキコは困り顔。。

 

でも『トッキーさんなら大丈夫です』『トッキーさんのままでいいんです』『もっと幅広い層のお悩み相談に答えていただきたいんです』と落合さんに畳みかけられ、トキコは少し考える時間をもらうことにした。

 

母の出刃包丁

そんな中、トキコは父(國村隼)と約束していた買い物へ。

父は亡くなった母の出刃包丁を持っていて、トキコと会うなり、ジャジャーン!

紙袋から存在感アリアリな出刃包丁を取り出し、トキコのほうに向ける。

 

『もう!危ないから』

こんなのをまだ持っていたのかと感心しつつ、トキコと父は出刃包丁を研ぐために金物屋へ向かった。

 

研ぐのには2週間ほどかかるというので、トキコは父の家に送ってもらうことに。

でも父はトキコに渡すつもりで持ってきたという。

 

この店は江戸時代から続く店だった。

周囲がどんなに変わっていこうとも、

『うちは変わらずにやっていくだけですから』

とにこやかに笑って答える女将さん。

そこには「老舗のたくましさ」があった。

 

父に相談

その後、トキコと父はトンカツ屋さんへ。

揚げたてのカツを美味しそうに頬張る父は、なんだか前より元気そうだ。

文鳥から元気をもらっているという父は、にこにこしながらスマホで撮った写真をトキコに見せる。

 

『そういうおまえはどうなんだ?

 

悩みがあるなら、お父さんに相談しなさい』

 

珍しくそんなことを言う父に、トキコはラジオのことを相談した。

 

金曜の夜だからできたことや培ってきたもの、

それを平日の昼間にしたら薄まってしまうんじゃないか?

リスナーも変わるし、正直トキコは気が重かった。。

 

でも時間帯は変わっても、やることは一緒だと知った父は『なら大丈夫だよ』と断言する。

さっきの金物屋の女将さんを見習えというのだ。

 

女将さんは、周囲にタワーマンションが建ち、街が変われば変わるほど、変わらない自分たちの店が目立つということをわかっている。

周りの変化が、あの店の風格を作っているのだ。

 

だから同じことを手を抜かないでやっていれば、商売はうまくいく。

この店の、トンカツのように。。

 

『おまえの仕事もそれと同じだよ。

 

夜が昼に変わろうが、週1回が毎日に変わろうが、同じことをやっていればいいんだよ』

 

『さすが元商売人だね』

『フフ、今は無一文だけどね』

『ハハハッ』

トキコは父にやられたと言わんばかりに上を向いて笑い、涙のにじんだ目で微笑みながら父を見つめる。

 

── 移ろいゆくものの中で変わらずにいること。

常に変化にさらされている場所だからこそ、変わらずにいることが輝いて見える。

 

老舗と呼ばれる店の在り方は、

トキコの身の振りかたのヒントになりそうだ。

 

父からの引き継ぎ

『こうして相談に乗ってもらうのっていいね』

 

目からうろこが落ちたようなさっぱりした気持ちになったトキコは、今度は父に『なにか悩みがあったら相談にのるよ』と言う。

 

でも父は『ない』と言って、代わりにトキコに手紙を渡す。

 

そこには父の字で「申し次ぎ」

「お母さんの好きだった江戸の老舗は次の通りです」

と、店の名前やお菓子の名前などが書かれていて。。

 

トキコが最近、お母さんの話ばかりするので、生きているうちに伝えておいたほうがいいと思ったのだ。

 

『ちょっとやめてよ、遺言みたいじゃない。

こんなのお父さんがいないと私1人じゃ全部回れないから』

 

『じゃあまだ元気なうちに回ればいいじゃないか』

『そうよ!そんなに早くくたばってもらっちゃ困るからね!』

 

突然、死をちらつかせる父に、トキコは駄々っ子のようにムキになって反論する。

 

今にも泣きそうなのをこらえ、大きなから揚げにかぶりつくトキコを、父は優しい微笑みを浮かべながらじっと見つめていた。

 

3人家族

父が書いた母の好物。

それは本来、生きているうちに母から聞いておくべきことだった。

 

でも父のおかげで今日、トキコは実感した。

母がこの街で生まれ、暮らし、そして死んでいったということを。。

 

別れ際、トキコは家族について書いた本を渡した。

タイトルを見た父は『こういう題名なの?』とトキコを見やる。

拍子には母が好きだった真っ白なカラーが描かれていた。

 

『どうせ読まないだろうけど』

 

その言葉には答えず、父は口元に笑みを浮かべ、本を掲げて去っていく。

 

今まで父とトキコを繋いでくれていたのは、亡くなった母だった。

父とトキコの間にはいつも母が立っていた。

 

しかし今日、初めて父が、トキコと母を繋いでくれた。

母とトキコの間にしっかり父が立っていた。

 

『今日はありがとう!!!』

 

遠くなっていく父の背中に声をかけると、父は振り向かず、右手をあげて答えた。

 

その瞬間、今までで1番、父が父親らしく見えた。

 

「お母さん!ようやく、父と母と娘の、3人家族になりました!」

 

トキコはそう天国の母に報告すると、足早に横断歩道を駆けていった。

 

ever since

その後、雨に見舞われたトキコは雨宿りしながら口ずさみ始める。

それはこのドラマの主題歌「ever since」。

 

そのうちトキコは雨に濡れることもいとわず、前に向かって歩き出すのだった。

 

トキコの決断

そしてまた週に1度の「トッキーとヒトトキ」の時間がやってきた。

みんなも驚くほど気合いの入ったトキコは、昼番組をやってみようと心に決めていた。

 

たしかに独身アラフォーのトキコと、

自営業の男性や主婦がメインの昼番組のリスナーでは考え方の違いがある。

 

でも考えてみれば、

父は昔、自営業をしていたし、母は主婦だった。

すべての人の心に寄り添いたいとトキコは思っていた。

 

1週間前、トキコはラジオで「知人に相談するのは恥ずかしくてできない」という男性からメールをもらった。

 

1週間考えて、だからこそ相談者さんのことを知らない自分たちがいるんだと、トキコは思った。

 

だから1人で抱え込まずに、相談してほしい

 

その言葉は電波に乗ってラーメン屋でラジオを聴いていた女の子の心に響いた。

 

流れる高橋優さんの「ever since」。

思わずこぼした涙を拭きながら、女の子はラーメンをすすった。

 

これからも

家族は不思議だ。

近くて遠く、遠くて近い。

まるで合わせ鏡のような存在だ。

 

2羽の文鳥を見ながら、父の脳裏に母と腕を組んで歩いていく自分の姿が浮かぶ。

 

 

風が誘うように白いレースのカーテンを揺らす。

 

 

笑顔の母の写真の横には、真っ白なカラーが飾られていた。

 

 

離れゆく背中へ ──

 

 

生きるとか

死ぬとか

父親とか

 

 

── 終 ──

 

 

『生きるとか死ぬとか父親とか』最終回の感想

最後のシーンでお父さんが見せる表情が「死」を思わるほど暗く、思わず不安に。。

自分も「いつ死ぬかわからないし」と言い出すお父さんに、思わずムキになるトキコはまさに20代のトキコ、松岡茉優さんそのものでした。

 

親だから、家族だから素直になれないことがあって。

今回は素直に相談して、お父さんの話を聞くことができたトキコ。

まるで遺書みたいだと泣きそうなトキコを見つめるお父さんの瞳はいつもより優しくて。

そんな2人をいつもどおり変わらぬ老舗のとんかつ屋さんが包んでいた。

 

どんなに周りが変わろうが自分自身がやるべきことを全うしていれば大丈夫。

 

そう、いつものようにあっさり言い切るお父さんの言葉が、あれほど心強く感じたことはなかっただろう。

 

たとえラジオや本を耳にしたり読んだりしたことがなくても、目の前のトキコを見れば、どんなに真剣に向き合っているかよくわかる。

お父さんもそんなトキコの姿に心打たれ、お母さん自身と向き合おうと思ったんじゃないだろうか?

 

2人はまったく違う考えをもちながら、これからも鏡のように自分自身を映し合い生きていくのだろう。

 

たとえ周囲がどんなに変わっても、2人は親子。

年の離れたお兄さんと妹なんかじゃなく、3人家族。

 

そんな中、ラーメン屋で泣いていた女の子がめちゃめちゃ目立っていましたね。

荷物をバックパックに詰め込んでどこからか東京に出てきたばかりなのか、行く当てもなく途方に暮れている感じとか。

そんなときたまたま流れてきたラジオを聴いて涙する感じとか。

 

情報っていうのはちゃんと必要な人のところに届くんだって、という言葉をひさしぶりに思い出した。

それもなにかの「縁」ですよね。

知らぬ間にトキコはいろいろな人の心を救っているんだな。

これからも寄り添いつづけると決心したんだな。

それはものすごい大変なことだと思うけど『1人で抱え込まず、相談してほしい』と本気で言ってくれる人がいると思うだけで心強い。

 

そして、ドラマの世界観そのもののオープニングとエンディングの2曲がほんと最高でしたね~!

歌詞を見てぼろ泣き。

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました

またの~。

 

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