『生きるとか死ぬとか父親とか』6話ネタバレと感想│長い年月を経てやっとわかることも。。トキコの決意が潔くてかっこいい!

にこ

今回は、2021年5月15日放送『生きるとか死ぬとか父親とか』6話「子供とか夫婦とか」のネタバレあらすじと感想をまとめました。

Ⓒ『生きるとか死ぬとか父親とか』製作委員会

親戚の結婚・出産祝いに出かけることになったトキコ(吉田羊)と父(國村隼)。

 

そこでトキコは、母の辛い過去と、そのときの父の振る舞いについて聞かされることになり…。

それではさっそく、6話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

 

その他のあらすじ

『生きるとか死ぬとか父親とか』6話のネタバレあらすじ

「トッキーとヒトトキ」

今回のお悩みは、32歳のドテカボチャさんからの相談。

結婚して6年、セックスレスになって3年。

夫とは仲良く過ごしているが、子供のことを考えるとどうしても憂鬱になってしまうという。

 

それに対するトキコ(吉田羊)の答えは、お2人が幸せならいいんじゃないか。

子供がいないから不幸せだとは思わない。

他人と違うから不安になっているだけならその必要は全然ない。

まずは2人で過ごす時間を大切にしてください。

 

なんだかんだ

数日前、トキコのもとに父(國村隼)から電話があった。

母方の親戚に子供が生まれ、そのお祝いについての相談だった。

 

せっかくだからレストランで食事した後、お祝いを渡したらどうかというのだが、父はご祝儀袋しか用意する気がないようで。。

 

トキコが『袋だけ?中身は?』と尋ねると、『じゃあ、1万円だけ用意する』という。

要するに差額は、トキコに払えというのだ。

 

このときトキコはそもそも“お祝いする”ことすら忘れてたんだからと、父から『インテリジェンスの欠如』を指摘される…。

 

ムカついて電話を切ると、すぐに電話がかかってきて、レストランは前に行ったポルトガル料理店がいいとのこと。

 

さらに家賃のことを相談され、トキコは苦笑いしながらも『お父さんのことを路頭に迷わせるわけにはいかないから、大丈夫だよ』と答えた。

こうしてトキコは、事業で失敗して無一文になった父を経済的に援助してあげているのだった。

 

新札探し

会食当日。

待ち合わせ時間20分前に、新札を用意し忘れたことに気づいたトキコは銀行に急いだ。

 

窓口の営業はとっくに終わっている。

ネットで調べたところ、ATMで何度もお札を出し入れして新札をさがすという方法が見つかった。

 

30万円を出し入れして1枚1枚確認するものの、これがなかなか見つからない。

そのうち父から電話がかかってきて、トキコは銀行に父を呼び出すと『早くお父さんの1万円、出して!』と急かした。

 

父が二つ折り財布からくるんと半分に折れ曲がったお札を2枚取り出すのを見て、トキコはがっかり!

どうやらインテリジェンスの欠如は、父から譲りうけたものらしい。

 

その後、ATM2台を使ってどうにかきれいなお札を用意し、2人は急いでレストランに向かった。

 

母の悲しい過去

レストランにはもう、亡くなった母の姉である伯母・ケイコ(三林京子)とその娘・エミコ(渡辺真起子)が来ていた。

 

父はオレンジジュースを、トキコは炭酸水を頼んだ。

インテリジェンスの欠如と共に、トキコはアルコール分解酵素の欠如も父から受け継いでいた。

あるものばかりが遺伝するわけじゃない。

ないものもちゃんと受け継がれるのが、親子なのだ。

 

『でもエミちゃんに孫が生まれるなんてな』

『私もこの年でおばあちゃんになるとは思わなかった』

『私なんて、ひいおばあちゃんだよ?』

 

エミコは、トキコのいとこなのでまだ40代だ。

できちゃった結婚したエミコの娘は、赤ちゃんがいるため、あとで挨拶にくるらしい。

 

トキコは両親のことをエッセイに書いているので、新婚時代のエピソードが聞きたいとせがんだ。

するとエミコはあるとき、母が泣いていたのを見たという。

 

それはエミコとケイコがアパートに泊まりにいったとき。

ふと夜中に目を覚ますと、母が泣きながらケイコと話していた。

いつも動じない母が取り乱しているので、エミコはつい立ち聞きしてしまった。

 

母は流産したばかりだったようで『何回子供を宿しても、なかなかうまく育ってくれない』と言っていたらしい。

 

それを聞き、トキコは自分が何番目かの子供だと、遠い昔、母から聞かされたことを思い出した。

もし兄や姉が生まれていたら、自分は何番目の子供として生まれていたのか。

いや、兄や姉が生まれてこれなかったからこそ、自分はこの世に生を受けたのだ。

 

母は41歳の初産で、当時としては珍しい高齢出産でトキコを産んだ。

 

母は当時、「どうしても子供を産みたい」という気持ちを父がわかってくれないと悩んでいたらしい。

妊娠して間もないのに高いところにあるものを取ってと言われ、台の上に立って手を伸ばしたとき、母は子供が流れたことがわかったそうだ。

 

その話はトキコも幼いころ、聞いたことがあった。

でもどうしてそんな話を幼いトキコにしたのだろうと、トキコは不思議だった。

 

すると

『話さずにいられなかったんだよ。とにかく誰かに聞いてほしかったんだね。

旦那が真剣に聞いてくれないんならそうするしかないだろ?』

とケイコが言った。

 

『でも哲也さんだけじゃないんだよ。昔の男はみんなそうだったんだから』

と、何十年も経ったからだからだろう。

ケイコは諦めたように笑って言った。

ケイコ自身も、旦那に同じような目にあったのだ。

 

『そっか、そんなことがあったんだ。ママ、子供がほしかったんだね』

何も知らなかった父が神妙な顔でつぶやくと、

『あのころは子供を産んで1人前だという風潮があったからね』

とケイコはつぶやいた。

 

今はそんなこともないが、今のあたりまえが 昔のあたりまえとは限らない。

人というのはどうしても自分が生きてきた時代を逃れられないものだから。

トキコの母も、そんな時代の中で悩んだり苦しんだりして生きていたのだ。

 

気まずそうに黙り込む父を横目に見て、

たしかに父は「思いやりの欠如」に心当たりがあるようだと、トキコは思う。

心の奥底で 2度と挽回できない失態を悔いているに違いない。

 

なんで私たちはもっと母に優しくしてあげられなかったのだろう。

母の経験がどれほど辛いことか、この年になればトキコにもよくわかる。

なのに父は、母をじゅうぶんに労わらなかった。

自分が生まれる前の母を労われないことが、トキコは猛烈にもどかしかった。

 

そのとき、エミコの娘と旦那が赤ちゃんを抱っこして挨拶にやってきた。

かわいい赤ちゃんを抱っこさせてもらい、トキコはメロメロに。

こんな壊れやすそうで世話をしないと死んじゃう生き物なんて、トキコにはとても無理だ。

 

幸せそうに笑う父やみんなの姿を見ながら、トキコはふと思う。

ありのままを書くつもりでいたのに、いつしか いい話だけを紡いでいたのではないか。

年老いた父と娘の話を面白おかしく語っていただけなのではないか。

自ら編集した物語に酔っていただけなのではないか。

 

それは父を美化したかったからではなく、トキコ自身が、自分自身の人生を肯定したかったからかもしれない。

 

この男にひどく傷つけられたことがあったことを、もう忘れたのかと、トキコは苦くてつらい記憶を思い出し、暗い面持ちになった。

 

トキコの覚悟

その帰り道、

『変な期待をもたないで。諦めてね』

と、トキコは父に宣言した。

 

美談とは、安く成りあがるものではない。

安く成り下がったものが美談なのだ。

 

父から下戸の遺伝子を受け継いだからこそ、トキコはいつだって素面でいられる。

どんなにゲスな話も、どんなに不都合な話も、笑い飛ばし、書き倒してやろうではないか。

 

トキコがそう決意して原稿と向き合う一方で、

人知れず 父は母の遺影に向かって1人、手を合わせた。

 

2人の問題

そして今夜も、トキコのラジオが始まった。

お悩みコーナーには、結婚して3年になるがなかなか子供を授かることができず、不妊治療したいので夫を説得したいという主婦から相談があった。

 

トキコの答えとしては、2人が幸せならそれでいいじゃないかと言いたいところ…。

だが、みかん星人さんのどうしても子供がほしいという気持ちを考えるとそうもいかない。

子供のことはやはり、1人ではなく2人で考えるべきことだから。

 

大事なのは、不妊治療について同じくらい知識を得ること。

不妊治療を始めるならお金もかかるし、女性は年齢が進めば進むほど難しくなる。

 

そのことをまず知ってもらい、それでも理解が得られなければ、なりゆきでは子供ができない場合もあるということを知ってもらう。

そうして、自分が考える幸せと夫が考える幸せのすり合わせができたらいいね。

 

 

第6話「子供とか 夫婦とか 幸せとか」

 

~7話につづく~

 

 

『生きるとか死ぬとか父親とか』6話の感想

私はATMで出てくるお札が新札ばかりでくっついて困ることのほうが多いんですが、まさか30分も格闘するほど出てこないとは(^-^;

いつもはあるのに探すとないとか、そういうことってありますよね。

そんなこともエッセイのネタにしてしまうところが面白い。

 

今回はトキコがエッセイを書きながら思い返しているという形でドラマが進んでいくのですが、面白いことが書けたとニヤリとしているトキコに思わず笑ってしまいました。

 

そんなピン札探しのバタバタエピソードの後に、お母さんの辛い過去の話題。

これは私も経験ありのことなので辛かったですね。

 

私はトキコのお母さんのように頑張れなくて、もう2人でいいやと好き勝手に暮らしてみたりいろいろしましたが、紆余曲折あって特別養子縁組という形で娘ちゃんと巡り合いました。

そして知ったのは、自分がマジで子育てには向いてないってこと。

自分が考える理想の母親像からはかけ離れているから、娘ちゃんは大きくなったら「なんで私、こんな家に連れてこられちゃったんだろ!」って思うにちがいない。

そう思うと頑張らなきゃと思うんだけど、なかなかそうもいかず、折り合いをつけあいながらやっておるところです。

育児って、自分の未熟さを痛感させられるものだなぁと。

 

だから幸せの形なんていろいろで、過去の遺恨はどうしても残るし、でもこれからはまだ続いてくわけで、それならこれからを楽しく過ごしたほうがずっといい。

 

ここに書いている感想も、こんなことを書いたら引かれてしまうかもとか、いろいろ考えてうまく書けなかったり、書くのをやめてしまったりするけども、

トキコのようにどんな内容も笑い飛ばして書いていこうと決意できたら最高だなと思いました。

 

重いテーマを扱っていても、最後はトキコの芯の強さと明るさに救われているような。

そういうところはお母さん譲りなのかな?

 

トキコの知らないところで、お父さんがお母さんに知らなくてごめんねと謝るかのようにそっと手を合わせていたシーンが挿入されていたのもよかったです。

あのシーンがあるかないかで、印象がまるで違うような気がするものね。

 

いつかあんなこともあったねと、大きくなった娘ちゃんと話ができればいいなと思いました。

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/

またの〜。

 

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