『生きるとか死ぬとか父親とか』2話ネタバレと感想│たとえ他人からみたら ゴミみたいなものでも。

にこ

今回は、2021年4月16日放送『生きるとか死ぬとか父親とか』2話 「老いるとか思い出とか」のネタバレあらすじと感想をまとめました。

Ⓒ『生きるとか死ぬとか父親とか』製作委員会

父(國村隼)の提案で、トキコ(吉田羊)は 叔母(松金よね子)のお見舞いにいくことに。

 

『外の空気を吸いたい』という叔母の願いを叶えるために、トキコは一緒にスーパーへ。

 

しかし帰ってくると、病室には見知らぬ女性の姿があり…!?

それではさっそく、2話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

 

その他のあらすじ

『生きるとか死ぬとか父親とか』2話のネタバレあらすじ

蒲原トキコ(吉田羊)哲也(國村隼)は、しっかりものの母を亡くした凸凹親子。

時子は父のことをエッセイに書くことに。

生きているうちにもっと母の話を聞けばよかったという思いを、父に対してはしたくないのだ。

 

『トキコさん、そろそろお願いします』

スタッフが呼びに来て、トキコは収録ブースに入る。

時刻は午後8時。

いつものように、トキコとアナウンサーの東 七海(田中みな実)によるお悩み相談「晴れときどきお悩み」のコーナーが始まった。

 

今回の相談は、34歳のしんなりモナカさんから。

今まで仕事一筋だったしんなりモナカさんの楽しみは貯金。

それで彼女は思いきってマンションを購入し、ローンも着々と返済しているのだが、

最近、10年ぶりに彼氏ができて、マンションを買ったことを正直に言うべきか悩んでいるという。

 

それに対するトキコの答えは、

正直に話してみたら?

それでギクシャクして離れていくような男ならそれまでだし、全く気にしないような素敵な彼なら最高のパートナーになるかもしれないじゃない?

 

バーバのお見舞い

そんなある日、父の提案でトキコは叔母(松金よね子)のお見舞いに行くことに。

会えばけんかばかりの叔母に 急に会いにいこうだなんて、トキコは不思議だった。

 

『大事な人には、会えるうちに会っておかなきゃ』

『・・・ふ~ん』

 

『バーバ!』

トキコが声をかけると、

『わあっ!来てくれたの!』と叔母は大喜び。

 

叔母は、亡くなった母の妹だ。

華道の師範として活躍し、ずっと独身をとおしてきた。

バリバリ働き、自力でマンションを購入した叔母は、今は自分で用意したケアハウスに入居している。

数十年後、自分は同じことができるだろうか?

 

母が父を選んだ理由

叔母の部屋には、生徒さんたちが持ってきてくれたお花が窓辺に飾られていた。

 

『バーバ、マンゴーだよ』

トキコは紙袋からマンゴーを取り出すと、冷蔵庫へ。

 

『私、お父さんのエッセイを書いてるんだ。

お母さんと出会った頃のお父さんって、どんなだった?

トキコが尋ねると、

そうね~、嫌なやつだと思ったわ』と叔母はいう。

それを聞き、『嫌なやつってなんだよ』と、父は思わず文句を言った。

 

でも『姉さんにはもっといい人がいたと思うの』と叔母は譲らない。

『だって姉さんは映画雑誌の編集者だったのよ。

あんた、当時はそりゃ、とっても華やかな世界よ。

しかも美人とくれば、言い寄ってきた男はたくさんいたはずなのに、よりによって選んだのがこれだもの・・・』

『これはないだろ?』

 

2人のやり取りを見て、トキコは大笑い。

どうしてお父さんだったんだろう

『そんなの、お父さんに惚れてたからに決まってるだろう』

『何言ってるの。あんたのほうがゾッコンだったんじゃない』

 

どっちにしろ、なんでお母さんがお父さんを選んだのか、トキコはそれが知りたかった。

でも叔母は『聞いたかもしれないけど、もう忘れちゃった』と話すのをやめてしまった。

 

『それより、美味しいもの?なんだろう。なにか持ってきてくれたの?』

叔母は目の前に置かれた折りたたまれた紙袋を指さして尋ねた。

 

トキコはちょっと困って、父の顔を見てから言った。

『さっき、マンゴー見せたじゃない。それが入ってた袋』

『バーバ、しっかりして』

『私、ボケちゃったの?』

叔母はニコッと笑うと、ふと真顔になって救いを求めるように父のほうを見た。

 

父は『俺も最近、物忘れがひどくってね』と言うが、叔母はさっきまで饒舌だったのが嘘のようにぼう然としている。

 

『それより、バーバ。なんかやりたいことない?』

トキコが話題を変えると、叔母は窓の向こうを見て『外の空気が吸いたいわ~』と言った。

 

極上の演出

そこでトキコは叔母と一緒に、近所のスーパーに行くことに。

『どうせならおしゃれしていこう』

自力で外出できない叔母に、ほんのひとときでもいいから楽しい時間を過ごさせてあげたい。

トキコは持ってきたスカーフや帽子を叔母に合わせ、メイクをしてあげた。

 

仕上げは、叔母が持っていたオレンジの口紅。

オレンジの口紅とネイルは、活動的だった叔母のトレードマークのようなものだった。

 

『どれどれ?』

めがねをかけて鏡を覗き込んだ叔母は、ほっぺのシミを気にしていた。でも、

『70代に見えるよ』

父が言うと、

『あら、失礼ね。60代でしょ。うふふ』

すぐに叔母は機嫌を取り戻した。

 

帽子をかぶってスカーフを巻いたら、はいチーズ。

父には部屋で留守番してもらい、トキコは叔母の車いすを押して外に出た。

 

ばぁばとお買い物

外はとてもいい天気で、花が大好きな叔母は、道端に咲いた花を見て『かわいい~』と声をあげた。

 

『名前はなんていうの?』

『アリッサムかな?』

『取っちゃだめ?』

『だめよ~。バイバ~イ』

2人は花にお別れを告げ、スーパーへ。

 

『なんか甘いもの買おうよ』

叔母が抱えた黄色い買い物かごの中に、トキコはどんどんおやつを入れていく。

 

お魚コーナーでまぐろの刺身を見た叔母は、『トキちゃん、まぐろ美味しそうね~』と顔を近づけた。

 

『そんなの食べたら、夕飯食べられなくなっちゃうよ~。

・・・でも、たまにはいいか。

好きなものを好きなときに食べたっていいよね~。

夕飯食べられなかったら残しちゃえっ』

 

『残しちゃえ、残しちゃえ!』

まぐろの刺身をかごに入れてあげると、

叔母は子供のようにはしゃいで言った。

 

レジに行く前に トキコはいいことを思いつき、叔母に待ってもらい、取りに走った。

トキコが戻ると、叔母はじっと何かを見つめていた。

 

『バーバ、何か欲しいものある?』

トキコが尋ねると、

『これ』

叔母は陳列棚に並んだオレンジのマニュキュアを満面の笑みで差し出した。

叔母は本当にオレンジが好きなのだ。

 

赤い花の女性

ところがケアホームに戻ると、見知らぬ女性が真っ赤な花を生けていて、トキコは持っていた洗面器を落とす。

 

── それはまだトキコが20代のとき。

入院中の父のお見舞いに行くと、髪の長い深紅のワンピースを着た女性が花瓶の花を取り替えているのが見えた。

彼女は真っ赤な花を1輪 花瓶にさすと、母がさした真っ白なカラーをゴミ箱に捨てた。

 

それを見てトキコはきびすを返し、家に帰った。

 

『トキちゃん、大丈夫?』

叔母の声でトキコははっと我に返り、車いすを押して中に入った。

 

『あら、タキザワさん、いらっしゃい』

『先生、ごめんなさい。先週も来たかったんですけど、仕事の都合がつかなくて』

どうやら彼女は、叔母の華道教室の教え子らしい。

 

『初めてだったわね、姪のトキコ』

車いすを押して外に出ようとしていたトキコは気まずそうにぺこりと頭を下げた。

『こちらは姉の旦那様』

叔母は、父のことも彼女に紹介した。

『先生の若いころの話を教えていただいてたんです』

 

叔母は帰ろうとする女性を引き止め、『見事な出来栄えです』と彼女の生けた花をほめた。

『先生に教えていただいたおかげです』

『本当にバーバのおかげですか?』

父が尋ねると、『もちろんです』と彼女は答えた。

 

トキコは棚に物をしまいながら、父と女性の顔を食い入るように眺めた。

彼女は、あのときの女性ではないのだろうか?

 

追憶

彼女が帰った後、叔母はまぐろの刺身を食べた。

それから買ってきた洗面器に湯を張り、入浴剤を入れて足湯をした。

トキコが足をさすってあげると、叔母は『いい気持ち~』と、うっとりした。

 

『ねえ、バーバ。昔の話をしてよ』

『最近はね、子供のころのことばかり思い出す』

 

叔母が話してくれたのは、まだ戦後間もないころ。

近所に、真っ赤なマニュキュアと真っ赤な口紅をつけて出かけていくお姉さんがいた。

 

まだ子供だった叔母は、うわ~!なんて綺麗なんだろと思っていた。

でも彼女は一家を支えるために、体を売っていたのだ。

 

『そういう悲しい時代もあったけど、子供だったから何もわかっていなかったわ』と叔母は言う。

戦争を知らないトキコに、

赤紙がくるとブラスバンドがやってきて、

よくその後を追いかけたものだと、父は笑って話してくれた。

 

『でも今は、招集された人の家族はみんな不憫だなと思うよ。

けどあの頃はそんなこと 思いもしなかった』

 

そんな話をしているうちに、叔母は車いすに肩肘をついたまま、眠ってしまった。

 

トキコは叔母が眠っている間に、さっき買ったオレンジのマニュキュアを足の爪に塗ってあげた。

 

『いいね。バーバにはオレンジがよく似合う』

父の言葉に、トキコはウインクを返すと、うつらうつらと子供のように眠る叔母の顔を見上げた。

 

ばぁばのお葬式

それから間もなく、叔母は亡くなった。

もしかして父はなにか予感するものがあったのだろうか?

 

お葬式で、叔母の仕切り声が聞こえないなんて不思議だ。

お焼香の順番も、誰が後とか先とかうるさくて、どおりで今日は静かなわけだ。

 

棺の中の叔母は、今にも目を覚ましそうだった。

『まったくもう嫌になっちゃう。バーバともう会えなくなっちゃうなんてさ』

 

トキコたち遺族が叔母との別れを惜しんでいると、スタッフがそろそろフタを閉めさせていただきますと声をかけにきた。

 

『そうだ、これ。一緒に入れていただけますか?』

トキコは、叔母の口紅とマニュキュアを棺の中に入れてもらえるよう頼んだ。

でもプラスチックや金物は有毒なガスを出すので、お断りしているという。

 

『じゃあ、口紅だけでも。故人が愛用していたものなんです』

トキコはなんとか入れてほしいと頼むが、すべてお断りしているんですとスタッフは答える。

 

すると父が歩いてきて、スタッフに言った。

『いいじゃない、それぐらい。なんでも杓子定規にやればいいというものじゃないでしょ?

あんただってこんな商売してるんだから、遺されたものの気持ちぐらいわかるでしょ』

父はトキコから口紅を取ると、棺に入れようとした。

 

『やめてください!』

『お父さん、やめて』

なおも止めようとするスタッフに、父は言った。

 

『あんたね、こんなちっぽけなものの焼け残りがなんだっていうの?

こんな小さなものから出る有毒ガスがなんだっていうの?

そんなもののために遺された遺族の気持ち、踏みにじってもいいのか?』

 

『お父さん、もういいよ』

『よくないよ。

だいたいね、人の気持ちっていうのは簡単に割り切れるものじゃないんだよ。

そんなこともわかんないで葬儀屋さんやってるの?おかしいでしょ?』

 

父は口紅を棺に入れると、出て行ってしまった。

 

『すいません・・・』

そんな父の姿を、トキコは初めて見た。

 

遺されたもの

そして今夜も『トッキーのひととき』が始まった。

 

今夜の相談は、19歳のおたんこナスさん。

彼女はこの春から祖父母の家から大学に通うことになった。

10年前に亡くなった叔母の部屋を使わせてもらうのだが、

その部屋には大量の本やCD、DVD、服や靴が残されている。

 

本などは嬉しいが、服はサイズが合わないものなどは捨てないといけない。

他にもどうしようもないゴミがたくさんあるのだが、祖父母はそれらを捨てたくないようだ。

どうしたら祖父母に断捨離を承諾してもらえるか?という相談だった。

 

これを聞き、『バカもん!』とトキコは言いたくなった。

でも彼女はまだ19歳。祖父母の気持ちはまだわからないだろう。

自分だって19歳のころはわからなかった。

自分より早く子供を亡くした親の気持ちなんて。

 

『でももう1度、考えてほしいなあ』とトキコは言う。

ゴミが出ると書いてあるけど、祖父母にとって、それはゴミではない。

トキコもいまだに亡くなった母のものを捨てられずにいる。

こうなったら断捨離は諦めてもらうしかない。

 

『他人から見たらゴミに見えるようなものでも、遺族からすれば大切な記憶なんです』

トキコはうつむくと、

少し声をつまらせながら大きく瞬きをした。

 

『使いみちはないけど、ゴミじゃないものが、世の中にはあるんですよ。

・・・人間には捨てられない 記憶があるんです』

 

何度もうなずきながら、トキコは涙をぐっとこらえ、合図を送る。

トキコの目から涙がぽろぽろ零れ落ち、スタッフは手をあげ、曲をかけた。

 

トキコの手元には、叔母が好きだったオレンジのリップ。

昔、母が入院していた病室には、大好きだった真っ白なカラーが3本、ガラスの花瓶に生けられていた。

 

 

 

第2話

「老いるとか 思い出とか 弔いとか」

 

 

〜3話につづく〜

 

 

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https://twitter.com/TVTOKYO_PR/status/1383042497362923522?s=20

『生きるとか死ぬとか父親とか』2話の感想

うぅ~、今回も泣かされた。

テレ東はほんと、曲選びがうまいな~(><)

エンディングの曲ひとつでドラマって全然違うものになると思うから、アーティストさんのドラマへの想いも感じてすごいなぁって思う。

 

今回はとにかくバーバが可愛くて、部屋のカーテンも薄いオレンジで可愛くて、バーバとトキコさんの魅力が満載でした。

このドラマはちょっとドキュメンタリーを見てるような、そんな感覚があるんですよね。

その人の表情にぐっと迫るようなアップがあって、ほんとは人に見せたくないような泣き顔や、とびきりの笑顔、ショックを受けた顔まで、その人がありありと見えてくるような、そんな目線になっている。

 

ひさしぶりに外に出たバーバのはしゃぎっぷりが可愛くて、まるで遠足のおやつを買いに来たような2人が可愛くて。

まぐろの刺身をたまにはいっか~って買っちゃうところがよかったな。

あれで買わなかったら、あのとき買えばよかったって後悔したにちがいない。

 

おしゃれして、メイクもして、大好きなオレンジの口紅をつけて、大好きなオレンジのペディキュアもして。

昔話もいっぱいして。足湯もして。

バーバにとって本当に楽しい1日になったんじゃないかなって思う。

帰りの車の中でぐっすりと眠る子供のような。

 

私もそんなふうな1日をお母さんに過ごさせてあげられたらよかった。

でもまさか本当に死んでしまうと思っていなかったから、私は何もしてあげられなかった。

そのことを後悔してもしきれないけど、

若いころの自分はなんもわかってなかった。

今もわかってないかもしれない。

 

私は遺された人が前に進むために必要なら、片付けても構わないと思う。

実家にあったフタの取っ手が壊れた鍋とか、縦長の蒸し鍋(これでおでんを作ってくれた)とか、お母さんが育てていたたくさんの観葉植物とか、家に帰るたびにだんだんなくなっていってしまうのが悲しかったけど、今も私の頭の中には残っていて。

 

だめだわ、ほんと。

このドラマ見ると、思い出が止まらなくなる~。

そのうち私も、バーバのように子供のころのことばかり思い出すようになるんでしょうか?

 

最初のタイトルは「老いるとか思い出とか」だけなのに、

最後には「老いるとか思い出とか弔うとか」になっているのが衝撃でした。

 

このクォリティーであと10回もされたら、泣きすぎて涙が枯れてしまうかも。

顔がヒリヒリして痛い・・・。

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/

またの~。

 

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