にこ

Ⓒ『生きるとか死ぬとか父親とか』製作委員会
今回は、トキコ(吉田羊)の元カレが登場!
実はトキコには結婚直前で別れた青柳タツヤ(岩崎う大)という男性がいたのだ。
さらにアナウンサーの東(田中みな実)から、結婚・退社の相談をされたトキコは…!?
それではさっそく、8話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。
『生きるとか死ぬとか父親とか』8話のネタバレあらすじ
トキコ(吉田羊)のもとに、半年前に別れたパートナー・青柳タツヤ(岩崎う大)から「久しぶりに会いませんか?」とメッセージが届いた。
最初は断ろうとしたトキコだが、タツヤが金沢に帰ることを知り、会うことに。
タツヤの家は、母1人子1人。
その母親が脳梗塞で倒れ、右半身に麻痺が残ったため、東京を離れることにしたのだ。
今は地元の介護支援センターと連絡を取り合い、介護の勉強をしているという。
『トキコは、お父さんとどう?』
『あいかわらずよ、あいかわらず』
そこで会話が途切れ、タツヤの提案で2人は喫茶店を出て外を歩くことにした。
懐かしい話
この道は2人がつき合っていた時、よく歩いた道だ。
最初にここに来たのは夏だった。
タツヤとつき合い始めたのが5月で、ここに越してきたのが6月の後半。
うるさいぐらいセミが鳴いていて、そこらじゅうセミの抜け殻が落ちていて気持ち悪かったのをトキコはよく覚えていた。
そしたらタッちゃん(タツヤのこと)が、うちの地元ではセミの抜け殻でお茶を淹れるなんて言い出して、トキコは虫が苦手だから内心オエ~と思っていたことを笑いながら打ち明けた。
タツヤはもともと売れっ子のライターだった。
それが不況で廃刊が多くなり、次第に書く場所を失った。
『あたしたち、どこで間違えたんだろうね』
トキコの問いに、
やっぱり自分の仕事が減っていったからじゃないかとタツヤは答えた。
『私はタッちゃんの文章好きだったけどな~』
でもタツヤは、ただ使いやすかっただけだと寂しそうに笑う。
次第に稼ぎもトキコ任せになっていき、気づいたら完全な専業主夫になっていた。
立場とか役割とか
「専業主夫」をするのは想像以上に大変だった。
世の中は、男が専業主夫をすることにまだ適応していなかった。
そして何より辛かったのは、トキコから何時に帰るか連絡がなかったこと。
『それは本当に悪かった。反省してる・・・』
今思えば、トキコは配慮のない昭和のサラリーマンのようだった。
今なら笑って話せるが、当時は夕飯がいるのかいらないのかわからないだけで、あんなにイライラしたりヒステリーを起こしたりするとは思わなかった。
だから世の中の「男はこう」とか「女はこう」とかそういうのは、性別からくるものじゃなく、役割からくるものなのだと、タツヤは思い知った。
続けるということ
するとそのとき、懐かしい人影がトキコたちの前を通りすぎた。
それは5年以上前、トキコとタツヤがこの道を走っていた時、よく見かけたおじいちゃん。
あれからずっと走っていたのだ。
トキコは半年でやめてしまったけど、タツヤは3年くらい走っていた。
あの頃、糖質ダイエットも同時にしていたので、タツヤは炭水化物を抜いたメニューを考えるのが大変だった。
でもタツヤは結構料理にハマっていて、中華鍋を買って練習したりもした。
そういう何事も投げ出さないところを、トキコは尊敬していた。
トキコは何をやっても長続きしないから。
最近、タツヤはまた走っているという。
スタートの時はいろいろグジグジ悩んでいても、走っているうちに全部忘れて空っぽになる。
その感覚がタツヤは好きだった。
『・・・タッちゃん、ごめんね。結婚に踏み切れなくて 』
トキコはそれを聞いて、ふいに謝りたくなった。
『いや、こっちこそ』
今思えば、なぜあんなに籍を入れることにこだわっていたのだろう?
2人でいられればそれでよかったのに。
とタツヤは振り返る。
それはやっぱり田舎の友達から、いつ結婚するの?とプレッシャーがあったからかもしれない。
母親には「あんた騙されてるんじゃないの?」と言われるし、精神的に追い詰められていた。
そしてなんといってもタツヤを苦しめていたのは「何者でもない不安」だった。
家事や炊事ばかりやってると、気になるのだ。
立場とか、拠り所というやつが。。
それが「夫」という立場でもいい。なんでもいいからすがりたかった。
でも本当は、
家事や炊事の合い間にでも、なんでもいいから書き続けていればよかったのだ。
稼ぎにならなくても、バイトやブログ、なんでもいい。
そうすれば、自分を見失わずに済んだのかもしれない。
── 結局、トキコは近くにいたはずなのに、タッちゃんのSOSに気がつけなかったのだ。
フレッシュな新人たち
後日、トキコはラジオで、ひさしぶりに元パートナーと会ったことを明かした。
彼とは男女の役割が逆で、トキコ曰く「未婚の無職」という立場だった。
だからトキコとつき合っている間のことは履歴書に書けない。
結婚していれば、専業主夫と書けるけど、内縁関係だとそういうわけにもいかないのだ。
その収録を新人アナウンサー3人が熱心に見学していた。
収録後、トキコと東(田中みな実)は、新人アナウンサーたちから自己紹介された。
その中には高校時代から東に憧れていたという女性もいた。
すると『ポスト東だな』と、プロデューサーの佐久間さんが言い出す。
東は笑ってごまかすが、明らかに動揺している様子だった。
そこでトキコは東をおしゃれなバーへ連れていった。
東のSOS
『最近、どうなの?』とトキコが尋ねると、
『実は最近、不安定で…』と東は悩みを打ち明けた。
東には1年ほど前からお付き合いしている人がいて、結婚も意識していた。
今までずっとアナウンサー一筋でこれからもバリバリやっていくつもりだった東だったが、仕事をやめて専業主婦をするほうが向いているのかな?と思うようになり、
今、すごく揺れているのだ。
トキコは東や彼氏の考えをよく聞いた上で言った。
今までラジオの悩み相談でもさんざん言ってきたように、本人たちがよければ結婚のかたちはどんなかたちでもいいと思う。
でも東さんは、東さんにしかできない仕事をやってきたんだからと、トキコは仕事を続けてほしいという気持ちを伝えた。
けれども東は、自分の仕事なんて誰とでも交換がきくという。
今までプライドをもってやってきたけど、結局は容姿や若さで選ばれてきたんだということが最近わかってきた。
今まで自分がいた場所には、どんどん後輩たちが進出してくる。
しょせん自分はお飾りにすぎなかったのだ。
そんなことを言われて、トキコは悲しくなった。
『でもそうなんです』と、東は珍しく声を荒げる。
トキコは東の顔を見て言った。
『私は東さんの仕事に敬意を持っているわ』
トキコが失敗したときには悪者にならないように絶妙にフォローしてくれるし、
落ち着いた進行をしてくれるから安心して任せられるし、
相談メールを読むのも抜群にうまい。
スタッフとの打ち合わせも手を抜かないし、疑問に思ったところはきちんと詰める。
一緒にやっていて学ぶところもすごく多いのだ。
トキコの言葉に、
『ありがとうございます・・・』
と東は涙で声を詰まらせた。
仕事がうまくいかなくなって、目の前に結婚話が浮上したら、誰だって心揺れるだろう。
でも東の技術と実績があれば、きっと大丈夫。
だから仕事している自分を否定するようなことはしないでと、トキコは励ました。
すると少し元気になった東は
『すいません!おかわりください!』
と湿った空気を吹き飛ばすように声を張り上げた。
タツヤも言っていた。
たとえ稼ぎにならなくても書き続けていたら、自分を見失わずに済んだんじゃないかって。
タツヤにとって書くことが、自分が自分である証であるように、
東にとってはアナウンサーという仕事がそれにあたるのだろう。
東はたとえ会社にアナウンサーをやめて別の部署にいけと言われても、フリーとしてやっていくつもりだと心に決めたようだ。
後悔
その帰り道。
トキコは、タツヤとの結婚をやめた理由を東に話した。
理由はいろいろあるのだが。。
たとえば結婚して苗字を変えることも、トキコには抵抗があった。
あの頃、トキコは簡単に『そっちが自分の苗字を名乗ってよ』と言っていたのだが、
そしたらタツヤは何も言わず、悲しそうな目でじっとトキコを見ていた。
今思えば、自分が嫌なことをタツヤに押しつけていたのだ。
終わってしまったことや、傷つけてしまったことはもう取り返しがつかない。
それでも、なんとかこの想いを伝えることはできないだろうか?
そう思ったトキコは、タツヤが使っていた中華鍋を見つけだし、金沢に行く前にもう1度タツヤと会うことにした。
あれからトキコはずっと考えていた。
タツヤの仕事が減っていったとき、自分が頑張るからとトキコはタツヤに炊事や家事を頼んだ。
それがタツヤの大事なものを奪うことになったんじゃないか?
するとタツヤは、あの時は自分もそれがいいと思ったんだからと笑って言った。
けど本当は、もう1回奮起をうながすとか、プライドを捨てて出版社に営業にいけと尻を叩くとか、そういうことをすればよかったんじゃないかとトキコは後悔していた。
『そんなことないよ。
専業主夫をやってみて改めて俺には書くことが大切だってわかったわけだし。
まだ間に合うよ』
タツヤはトキコが持っている袋が気になり、尋ねた。
すると出てきたのは中華鍋で、
『これ最後に持ってくる~?』
とタツヤは笑った。
『だってそれ振ってるタッちゃん、かっこいいと思ったから』
タツヤは『これはトッキーが使ってよ』と中華鍋を返した。
機会を奪っていたのはトキコだけじゃない。それを言うなら、タツヤもトキコから料理をする機会を奪っていたのだ。
『だからこれはトッキーが使って。
そして練習して使えるようになってください』
そう言うと、タツヤは金沢に旅立っていった。
タツヤからの贈り物
それからしばらくして、タツヤから便りが届いた。
封筒の中には、地元のタウン誌が入っていた。
このまま介護だけしているのもどうかと思い、直接営業にいき、仕事をもらったのだ。
ふせんのついた場所を見ると、文=青柳タツヤと書いてある。
追伸。僕も母に負けじとリハビリします。
トキコは本棚にそれを飾ると、ひさしぶりに中華鍋を使って野菜炒めを作った。
『お~、おいしそう~!』
第8話 恋人とか キャリアとか 後悔とか 終
~9話につづく!~
https://twitter.com/tx_ikirutoka/status/1398210268044283905?s=20
田中みな実、いい役者!!!#生きるとか死ぬとか父親とか pic.twitter.com/zLV340pAWF
— ジェーン・スー (@janesu112) May 28, 2021
『生きるとか死ぬとか父親とか』8話の感想
今回はオリジナル!
お父さんがまったく出なくてなんか寂しい。
回を増すにつれ、内容も深刻になってきているような。
このドラマはオリジナルだと雰囲気が違ってすぐにわかるから、そこが好きだ。笑
そのときは苦しくていっぱいいっぱいでわからなかったけど、今思えばわかることってたくさんある。
その逆に、今考えてもあの時どうしたらよかったのかわからないこともたくさんある。
でもトキコはタツヤと再会したことで、もう1度あの頃を客観的に振り返れて、すごくよかったんじゃないかなー。
そのままタツヤが金沢に帰っていたら、タツヤがタウン誌で書くことも、トキコが中華鍋をふることもなかったわけで。
その変化ってめちゃめちゃ大きいと思う!
それもこの半年間、2人がずっと考えてきたからなんだろう。
別れてから半年とは思えないスタンスだったけどね(;^ω^)
そして東さんのSOSも。
フレッシュな後輩たちの出現で自分の居場所を追われる切迫感。
なんかわかる気がする。
綺麗で仕事のできる東さんでも自分の代わりはいくらでもいるなんて言っちゃうんだから、悲しい世の中ですね。
ほんと「トッキーとひととき」は東さんありきの番組なのに。
トッキーが東さんのこと褒めてくれて、東さんが涙をこらえるシーンにくぅ~っとなりました。
私も誰かにほめてほしいわ~(そこかい!)
それではここまで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/
またの~。