『生きるとか死ぬとか父親とか』10話ネタバレと感想│亡くなるまでずっと、お母さんは素敵なお母さんのままでした。

にこ

今回は、2021年6月11日放送『生きるとか死ぬとか父親とか』10話「母親とか懇願とか」のネタバレあらすじと感想をまとめました。

Ⓒ『生きるとか死ぬとか父親とか』製作委員会

20代の頃、父(國村隼)と母(富田靖子)の同時入院という事態に見舞われたトキコ(松岡茉優)は、父のもとに密かに通う「あの人」を頼るという苦渋の決断をくだす…!

 

ついに「あの人」がドラマに登場。。

 

お父さんとお母さんの間に挟まれるトキコの姿がせつないです。

それではさっそく、10話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

 

その他のあらすじ

『生きるとか死ぬとか父親とか』10話のネタバレあらすじ

トキコ(吉田羊)は、父(國村隼)だけでなく、亡き母(富田靖子)についてもありのままに書こうと決意する。

 

それを知った父は『別に、お母さんに悪い思い出なんてないよ』と反論。

 

でもトキコは、人間として苦しんだり、弱いところをさらけ出してくれた母の姿を書きたかった。

『だから今日は今まで話したことがなかったことも話したいの』

『・・・わかった』

 

そこで話はまたトキコが20代のころにさかのぼる。。

 

トキコはC型肝炎で入院中の父に、母の手術が無事に終わったことを伝えた。

 

ひとまず大丈夫だったとトキコが嘘をつくと、父は安心したのか涙ぐみ、ついには泣き出してしまう。

そんな父に、トキコは母がしていたように、手作りのお弁当と温かいおみそ汁を振る舞った。

 

『大丈夫だって』

 

トキコは、涙をぬぐう父に微笑みかけた。

 

映画好きな母

母はやがて一般病棟に移った。

しかし術後の回復に時間がかかるため、トキコは働き始めたばかりの会社を休職。

母の介護のために、病院に寝泊まりすることが多くなった。

 

1日でも早く家に帰ってきてほしい。

母の回復を願うばかりに、気ばかりが焦った。

 

体調がよくなったら母は、イタリア旅行に行きたいという。

それが無理ならせめて素敵なイタリア映画を見たい。

病室にある小さなテレビじゃなく、映画館の大きなスクリーンで。。

 

いろいろ見たい映画はあるが、母が今見たい映画は「ひまわり」というソフィア・ローレンが主演した映画だった。

 

ナポリの女性ジョヴァンナは、ソ連の戦線に送られてから行方不明の夫を探す。

だがやっと探し当てた夫は、シベリアの娘と幸せな結婚をしていたという物語だった。

 

でも母は、ものすごく悲しいのに主演のソフィア・ローレンがほとんど泣かないところが好きだと言い、トキコにも勧める。

若いころ、映画誌の編集者をしていた母は、

『このぐらいのスクリーンがあったらいいわね』

と、病室の窓を見て目を細めた。

 

介護の日々

夜中。

トイレに行きたいという母に付き添い、トキコは母をトイレに連れていった。

『終わったら声かけてよ』

そう言ってトキコは廊下で待っているうち、居眠りをしてしまう。

 

その頃、父は病室を抜け出し、暗い廊下をずんずん歩いていた。

いつもの徘徊か。。しかしなんだか様子がおかしい。。

『蒲原さん』

看護師(福田麻由子)が声をかけるが、父は歩みを止めず階段をのぼっていく。

 

屋上に出た父はそのまま夜空にぽっかり浮かぶ月に誘われるように金網をのぼって飛び降りようとする!

看護師が必死で止め、事なきを得たが、父に付き添ってくれる人が必要だ。。

 

一方、足にうまく力が入らない母はバランスを崩し倒れてしまう。

しかしそんな母を起こすのもひと苦労。。

 

『ごめんね、寝ぼけてた』

トキコがなんとかトイレから母を連れて帰り、ベッドに寝かせていると、携帯が鳴った。

それは父が飛び降りようとしたという知らせだった。

 

トキコがいなくなった病室で、母は不安そうに暗い闇を見つめていた。。。

 

あの人・・・

父が死のうとしたのは、薬の副作用のせいだった。

でもここまで悪化するのは、なかなか前例がない。

医師はまたこんなことが起きないよう、父にずっとついていてあげる人が必要だとトキコに伝えた。

 

母が必死に死から遠ざかろうとしているときに、父は自ら死のうとしていた。

いったいトキコはどちらの手を取ればいいのか?

別々の場所にいる父と母を、同時に介護することはできない。。

トキコは悩んだ。

 

そこでトキコは、母の妹、ばあばに電話した。

でも母のきょうだいには母の看病を交代で頼んでいるので、父の付き添いまで頼めない。。

トキコは結局、言いたいことは何ひとつ言えず、明るく電話を切った。

 

・・・他に、誰か頼れる人はいないだろうか?

 

頭の中で父の知り合いの顔を思い浮かべた。

そしてついにトキコは、父の元にひそかに通う「あの人」を頼るしかないと苦渋の選択をする。

 

父の携帯の履歴から「小滝さち子」という名前を見つけ、電話をかける。

何コールめかで、その人は出た。

『あの、私、、蒲原哲也の娘です』

 

トキコはたどたどしく、父の状況を説明した。

ひとりっ子のトキコには、母と父を同時に介護するのは不可能だということも。。

 

『ちょっと待って。落ち着いて。それで私は何をすればいいの?』

 

『えっと、あの・・・』

 

トキコが言えずに困っていると、

『お父さんに付き添ってあげたらいいのかしら?』

サチコ(内田慈)のほうから言ってくれ、すぐに病院に来てくれることになった。

 

こんなことを、よりによってあの人に頼まなきゃいけないなんて。。。

電話を切ると、トキコは深いため息をひとつつき、ベッドで眠っている父の脇にしゃがみ、顔を伏せた。

 

認めたわけじゃない

夕方。

トキコがうつらうつらしていると、コツコツと廊下を歩くヒールの音が近づいてきた。

そろそろ母のところへ行かないと。

トキコが外に出ると、真っ赤なコートを着た長い髪の女性が、真っ赤な花を1輪たずさえてこちらに向かって歩いてきた。

 

すれ違いざまに、

『私を頼ってくれてありがと』

と、ささやく女性。

 

『疲れたでしょ?あとはゆっくり休んでね』

 

余裕たっぷりの声音で、トキコの後ろ姿に向かって女性は笑いかける。

 

これで娘に認められた。

あの人は、そう思ったのだ。

でも違う。

ほかに頼れる人がいなかっただけなのに・・・!

悔しさと虚しさで、胸をかきむしりたくなった。

 

トキコは元来た道を戻り、病室に向かう。

 

『来ちゃった。なにか都合の悪いことでもある?』

『いっぱいあるね』

目を覚ました父は、女性を見てつぶやく。

 

カーテン越しに彼女が髪をかきあげるのが見え、トキコは視線を落としてドアを閉めた。

 

トキコは無力だった。

その後、彼女は長きにわたって、陰に日向に父を支えた。

 

父には父の人生がある。

トキコはそう思うしかなかった。

 

大切なこと

『悔しかったけど、そうするしかなかったんだよ。

ひとりっ子だし、両親が両方倒れるなんて想定外だし!』

 

トキコはそう父に訴えた。

もちろん、あの人に父の看病を頼んだことは母には言っていない。

でも全部お見通しだったんじゃないかとトキコは思う。

だからきっと辛かったにちがいない。

 

『じゃあ、なんでママの辛いことを書くんだよ』

 

父に言われて、トキコは涙のにじんだ目でキッと父を見据える。

 

『私もママもなんでもないふりをしてたけど、今思えば傷ついてたんだよ。

それをなかったことにしたら、大切なことまで忘れちゃうんだってことに、ようやく気付いたの』

 

最後まで

『お母さん、もう大丈夫だよ。

だからお母さんも大丈夫でいてね。

絶対イタリアに行こう。

イタリアのひまわり、絶対一緒に見よう』

 

トキコはベッドにぐったりと横たわる母に向かって優しく話しかけた。

 

すると『トキちゃん。あのひまわりはイタリアじゃなく、ソ連に咲いているの』と母は言う。

『たしか今でいう、ウクライナの辺りだったかしら』

 

『そっか~』

トキコが笑うと、母も力なく笑う。

でもトキコはウクライナがどこにあるのかわからない。

『そんなことも知らないの~、トキちゃん大丈夫かな~?』

 

『お母さん。。お母さん。。。』

トキコは、母に呼びかけた。

本当は言いたい言葉を胸の奥に必死にしまいこんで。。

 

『ひまわり、眩しいだろうね~』

母はそう言って目を閉じた。

『まぶしいよ』

トキコは涙をひと筋流し、母の髪をなでた。

 

「お母さん、どこにも行かないで」

 

そう言えたら、どんなによかっただろう。

トキコは涙をこらえ、なんとか笑顔を作ろうとするが、あとからあとから涙はあふれ、止まらなかった。

 

お母さん亡き後

その後。。

「父より先に死なないでほしい」というトキコとの約束をやぶり、母は62歳でこの世を去った。

 

よくできた母親と、好き勝手に生きている父親。

その間に生まれた出来の悪い娘の3人家族は、ここでいったん終了したのだ。

 

母が亡くなってから、父は夜に米を研ぐようになった。

翌朝、炊きあがった米を母の仏壇にお供えしてから、父の1日が始まる。

 

父は死んだ母をかいがいしく面倒みるようになった。

生きているうちに大切にすればよかったのに。

そう思うが、それはトキコ自身にも言える言葉だ。

 

トキコは目玉焼きをつくり、父と朝食をとった。

 

沈黙が流れる中、トキコはふと、母が泊りがけの旅行に行った時、父がチャーハンを夕食につくってくれたことを思い出した。

 

たしか蒸し暑い夜で、父はランニングシャツ姿で台所に立ち、ぎこちなく中華鍋をふるっていた。

 

でもなんだか父は自慢げな顔で、トキコは食べなきゃだめと思い、一生懸命食べた。

食べながら「早くお母さん帰ってこないかなぁ」とずっと思っていた。

 

そのとき、父は気まずそうな顔をしていて、きっと同じことを思ってるんだろうとトキコは思った。

 

『ママの帰りを待ちわびてたのかもな』

そう言って、父は棚に飾ってある母の写真を見つめる。。

 

母の不在を埋めるため、父とトキコの間で次第に母の存在は”神格化”されていった。

 

そうやって母を信仰の対象にすることで、父とトキコはなんとか関係を保っていたのだ。

 

 

第10話

母親とか

懇願とか

喪失とか

 

 

 

~11話につづく~

 

 

 

https://twitter.com/tx_ikirutoka/status/1403326760586932226?s=20

『生きるとか死ぬとか父親とか』10話の感想

結局、お母さんは、

自分のことが自分でできなくなって、それで弱い面を見せることはあっても、

取り乱したり、誰かを罵倒したり、痛いと泣き喚いたり、そういうことは一切しませんでしたね。

 

大好きな映画が見たい、病室の窓いっぱいの大きさのスクリーンで映画が見たい。

ほんとはイタリアに行きたい。

ひまわりは今でいうウクライナに咲いてるんだけど。

そう言いながら、お母さんの脳裏に広がる世界はどんなものだったのか。

 

トキコに見せる顔と、1人になったときに見せる闇のような顔。

徐々にくすんでいく顔色と、弱々しくなっていく声。

 

私の母も、決して私には辛いところは見せようとせず、本当に辛いときは私を病室から帰してしまうほどでした。

でも父には弱いところも見せていたようで、ホッとしました。

それが父には逆に辛かったようですが。。

人間はいつ自分のことを自分でできなくなるかわからない。

嫌でも恥ずかしくても悲しくても悔しくても、生きていたら誰かを頼らなきゃいけない。

 

母と父が同時に入院し、父の浮気相手を頼らなきゃいけなくなったトキコの気持ちはいかほどか。。

皮肉なもので、お母さんが亡くなるときにはお父さんの体調もよくなったようで。

でもトキコは私とちがって、じゅうぶんお母さんを大切にしていたと思う。

自分の時間をすべてお母さんとお父さんに捧げていた。

それに比べ、私は最後まで自分のことばかりだった。

 

お母さんがいなくなってバランスを崩すというのもよくわかる。。

うちは弟が大学に入学し家を出たので、お父さんとしばらく2人で暮らしたのだけど、もうどうしたらいいのかわかりませんでした(;´∀`)

一生懸命つくったきんぴらごぼうより、お父さんはジャンクな味付けのものを好み、思えばあの頃が1番気を遣って暮らしていたかもしれません。

 

思い出したくないことから目を背けると、大事なことまで忘れていく。

本当はお父さんに訊きたいことがたくさんあるけど、うちは再婚してるから聞けないんです。相手の人に悪いと思って。

だからトキコがうらやましい。

 

家族でも、家族だからこそ、いろんなわだかまりを抱えながら生きていることがある。

そこから逃げずにぶつかっていくトキコの姿に、

少しだけ自分も自分の心に問いかける毎日。

11話も楽しみです。

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/

またの~。

 

その他のあらすじ
1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 9話 10話 11話 最終話