にこ

Ⓒ『生きるとか死ぬとか父親とか』製作委員会
父(國村隼)が急に「顔のシミを取りたい」と言い出し、呆れるトキコ(吉田羊)。
今や男性の美容は普通だと頭ではわかっているのだが…。
今回は、トキコの学生時代からの親友2人も登場します♪
それではさっそく、3話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。
『生きるとか死ぬとか父親とか』3話のネタバレあらすじ
時刻は夜の8時。
今夜もトキコ(吉田羊)のラジオが始まった。
今回の相談は、48歳の夫と6歳の娘と3人で暮らしている主婦、おかめソーダさんから。
夫は出会った時から髪の毛が淋しく、坊主頭がトレードマーク。
ところが数日前、突然、かつらを被って帰ってきたという。
夫のかつら姿に抵抗があるおかめソーダさんは、なんとかやめさせようとしたが、
夫は『お前も化粧をするだろう』とやめるつもりはないようだ。
どうにも生理的に受け付けられないのだが、夫の意志を認めるべきでしょうか?
これに対するトキコの答えは、
奥さんの意見も聞かず、突然かつらをかぶってきたということは、反対されることをわかっていて、それでもするという強い決意を感じる。
それだけ旦那さんは、髪がないことにコンプレックスを感じているのかもしれない。
おかめソーダさんは、なんでそんなに嫌なのかな?
それは「ヅラをかぶった旦那さんが嫌なだけ」じゃないかな?
もしそうなら、あとはおかめソーダさんの気持ち次第。
周りも最初は戸惑うかもしれないけど、そのうち慣れるはず。
時間はかかるかもしれないけど、認めていけたらいいんじゃないかな。
ラジオではそう答えたものの、自分のことになると難しい。
その後、トキコにも受け入れがたい事実が発生し、戸惑うことになる。。
食物アレルギー?
その夜、父(國村隼)から「体がかゆくてたまらない」と電話があった。
この前は肉を食べてなったし、今回はタラコ。
何を食べたらそうなるかわからず、食事をするのも楽しくないというので、トキコは父に食物アレルギーの検査を受けさせることにした。
一緒に来てほしいという父の強引な願いをうけ、トキコが一緒に病院に行くと、「異常はない」という。
しかも1か月ほど前に、父は食物アレルギーの検査を受けていて、すっかりそのことを忘れていた。
70歳になってからアレルギーになる人はほとんどいない。
父の症状は、加齢による乾燥肌。
そのことも先生は以前、伝えていた。
『まあ、よかったじゃない。これで好きなものを食べられるわよ』
トキコが帰ろうとしたそのとき、
『ねえ、先生、これって取れる?』
父は先生に近づくと、鼻の付け根にあるシミを見せた。
『ああ、このタイプならすぐに取れますよ』
というわけで、今からシミを取ることに。
ずっと気になっていたとはいえ、急にそんなことを言い出した父に、トキコはイライラしてしまう。
すると『お待たせしました~』
先生が白い煙が出た銀色の筒を持って登場し、トキコと父はびっくり仰天。
先生が消毒しようとすると、父は思わず体をのけぞった。
そしてあの得体のしれない筒にめん棒をつけると、
『ちょっとチリっとするかもしれませんよ~』
先生はゆっくりめん棒を顔に近づけた。
『ちょっと我慢してくださいね~』
トキコは後ろから、父の顔から白い煙があがるのを呆れながら見守った。
検査したことを忘れて、落ち込んでいたのもどこへやら。
切り替えの早いところが父の美点だが、
こうやって置いてけぼりにされる周りの人間はたまったもんじゃない。
いくつになっても
『なんで私がお父さんの美肌ケアにつき合わなきゃいけないの?シミなら私もとってほしかったわよ』
外に出ると、トキコは父に文句を言った。
『だいたい、なんで今頃になってシミ?』
『昔からあったシミがだんだん大きくなって、気になってたんだよ』
『いいじゃない、もう老人なんだし』
『トキコちゃん、身だしなみに年齢は関係ありませんよ』
トキコは、もしかしたら誰かに言われて取ろうと思ったのかと思った。
でも『自分で取ろう』と思った、と父は言う。
普段は忘れてしまっているが、あのとき、たまたま思い出したと。
『ふ~~ん。まあ、いいや』
不機嫌になったトキコは父とご飯を食べるのをやめ、友達と会うことにした。
もともと友達と会う予定だったのを、父に付き添うため断ったのだ。
男のくせに、女のくせに
トキコには学生時代から仲のいい女友達が2人いる。
ミナミ(石橋けい)は既婚者で子供もいるが、北野(中村優子)は40歳を過ぎても独身を謳歌している数少ない独身仲間だ。
『じじいのくせに、シミをとるなんて気持ち悪いじゃない』
と、トキコが愚痴を言うと、
『それって”男のくせに”ってことでしょ?いいの?そんなこと言っちゃって』
と、ミナミと北野はニヤリとする。
「女のくせに」とか「ババアのくせに」とか言われて1番嫌なのは、トキコだからだ。
いまや、男性の美容は普通のもの。
頭ではわかっていても、身内がやるとなると受け入れられない。
友達と話しているうちに、トキコはなんで自分がこんなにモヤモヤしているのかわかった気がした。
『でもそれは、受け入れていくべきものじゃないの?』
『お父さんには謝ったほうがいいよ。あとでメッセージでも送っておけば?』
『うーん・・・』
それもそうだと思ったトキコは、
「今日はごめんね」と父にメッセージを送ろうとして、やめた。
「ごはん、ちゃんと食べた?」
そんな複雑な娘心も知らず、
父は洗面所の鏡の前で口笛を吹きながら、病院でもらった軟膏を体に塗っていた。
刺激
ミナミは、小顔になると噂のドライヤーを買っていた。
トキコは試しに使わせてもらうが、効果はわからなかった。
科学的根拠はないが、ビジネスとして目の付け所はいい。
”髪の毛を乾かしながら小顔も叶える”
そんな夢のようなものがあったら、女子はみんな飛びつくだろう。
小顔といえば、北野も面白いものを見つけたという。
顔のむくみとくすみを取るために行ってみた、小顔コースのあるマッサージ店。
クリームをたっぷり塗られて、顔から首筋、胸元までぐいぐいやられて、終わってみたら結構、効果を感じたらしい。
それを聞き、ミナミが今から行こうと言い出した。
『今日は夫にも遅くなると言ってあるし、子供にも早く寝るように言ってある。
だから学生時代みたいに朝まで遊ぼうよ!』
『・・・よし、じゃあ行こうか』
そう言っていたのに、酔っぱらったミナミは、行きのタクシーの中でいびきをかいて寝てしまった。
『疲れてるんだね~』
『大変って言ってたもんね』
『まあ、そのうちまた時間ができたら行けるようになるでしょ』
結局、ミナミは家に帰ることになり、トキコと北野は2人で行くことに。
並んで小顔マッサージを受けながら、北野が言った。
『お父さんさ、刺激がほしかったんじゃないの?』
『え?』
聞けば、北野の母も年を取ってから、
昔だったら絶対食べたいと言わなかった焼肉とかラーメンとかハンバーガーとかを食べたいというようになったという。
『だからトキコのお父さんも刺激がほしかったんじゃないかな~。
長年気になっていたシミをとることで、元気になったのかもしれないし』
どうやら年を取ると、刺激が大事みたいだ。
顔のマッサージが終わると、
トキコたちは首筋と肩をぐりぐりと揉まれ、痛い痛いと大騒ぎした。
── 父もこんなふうに自分を元気づけるために、シミをとろうと言い出したのだろうか?
年老いた父が自分を励まして、何がいけないというのか。
トキコは反省した。
父はアレルギーじゃないとわかり、そばとゆで卵とヨーグルトを食べたという。
鼻のガーゼに手を当てて、父は満足そうに微笑んだ。
おかめソーダさんのその後
それからしばらくして、旦那さんのかつらに悩んでいたおかめソーダさんから返事が届いた。
そこでトキコたちはいつものお悩み相談の前に、そのメッセージを取り上げることにした。
あれからおかめソーダさんと旦那さんは1週間口をきかなかった。
でもこのままじゃいけないと、おかめソーダさんは思い切って言った。
相談もなしにかつらを被って帰ってきたことがショックだったと。
自分は素頭のほうが好きだと。
すると旦那さんも、ちょっとした軽い気持ちで、ファッションアイテムのひとつとしてつけてみたのに、そんな反応をされて悲しかったという。
それに職場や周りの人の反応も様々ながら、概ね好評で、反対していたのはおかめソーダさん1人だった。
トキコに「ヅラをかぶった夫が嫌なだけじゃないか」と言われたのは真理で、「結局、自分の気持ち次第なんだ」と、おかめソーダさんは気づいた。
こんなことで離婚するのも嫌だし、夫は何年もしたことがないヘアセットを楽しそうにしていて、その点はよかったと思っているという。
それを聞き、トキコは『夫も妻もハートが強いよ』と心から思った。
旦那さんにとってはセルフケアのひとつだし、おかめソーダさんも最終的には納得していくのだろう。
旦那さんにとっては、自分を肯定するために必要なことなのかもしれないし。
なんて他人のことは言えても、
自分の身内となると、なかなか受け入れられないのも事実。
トキコはラジオで、父が70歳にしてシミをとりたいと急に言い出し、戸惑ったことを話し始めた。
~4話につづく~
https://twitter.com/tx_ikirutoka/status/1385542131368878082?s=20
『生きるとか死ぬとか父親とか』
第3話「美容とか見た目とかーー」
わたしたちにまつわる揺らぎについて、思案が止まらなくなります。これから時間が経っても忘れたくない、大切なエピソードでした。#生きるとか死ぬとか父親とか pic.twitter.com/mXjwlUlw2F— 山戸結希 (@KURAYAMI_TOWN) April 23, 2021
『生きるとか死ぬとか父親とか』3話の感想
そういえば、うちの父も若い頃から髪の毛が薄くて、ある日ヒゲを伸ばし始めたのです。
それが嫌で嫌で、子供ながらにやめてほしいな〜と思ったのですが、今やないのが想像できないくらい父のトレードマークになっています。
それと同じように、なぜか髪の毛フサフサの旦那も、ヒゲを伸ばしていたときがあって、剃ってくれたときは心底ホッとしたものです。
そんなふうに、他人のことならそういうものなのね〜と思えることも、身内のこととなると心穏やかではいられなかったりする。
その人にはその人なりの理由があるのにね。
なんで受け入れられないんだろう〜(;´∀`)
しかし、シミってあんなに簡単に取れるものなんですねっ。
突然言って、その場で取るなんてこと、あるのかな〜?
いきなりあんな白い冷気の立ちのぼる得体の知れないものを持ってこられたらビビりますね〜。
トキコとお父さんの反応がリアルで、本当にやらないとわかっていても、想像して怖くなってしまいました。
お父さんがシミをとると言い出したのも、誰かに言われたからじゃないかとトキコは怪しんでましたが、
いつもお父さんは1人で食事をしていて、誰かと住んでいる感じはしなくて、ホッ。
私がホッとしてもしょうがないんだけど、トキコの気持ちを考えるとホッとしてしまって。
でもお父さんだって、元気でいたい。刺激がほしい。
楽しく生きるために、ちょっとした刺激を求めてるだけなんですよね。
父の目線、娘の目線、女友達の目線、ラジオのリスナーや一緒に番組を作っているメンバーの考え。
いろんな人たちの考えかたを知り、答えはひとつじゃないんだなぁと考えさせられます。
トキコの女友達も登場し、途中でミナミさんが寝ちゃうシーンがよかったですね♪
タクシーの中でいびきをかきながら北野の肩にもたれて寝ているミナミを、しょうがないな〜と温かく見つめている2人。
北野がミナミをトキコのほうに押しやっても全然気づかず、ミナミはトキコの肩にもたれかかっていびきをかきはじめます。
その平和な感じと、外を流れるビルの明かりがトキコの顔を流れていく感じ。
いつかまた自由な時間ができたら、3人で行けるよとつぶやくシーンがとても印象的でした。
夜に車に乗っていると、時間をさかのぼっているような、タイムマシーンに乗っているような気がしません?
旦那さんのかつらを受け入れられなかった、おかめソーダさんも、旦那さんが生き生きしてる姿を見て、徐々によかったと思えているようでよかったです。
そのあとどうなったのか、後日談が聞けるのって嬉しいですよね〜☆
それではここまで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/
またの〜。