『生きるとか死ぬとか父親とか』9話ネタバレと感想│松岡茉優さん登場!家族をつなぐ、母のみそ汁。

にこ

今回は、2021年6月4日放送『生きるとか死ぬとか父親とか』9話「過去とか娘とか」のネタバレあらすじと感想をまとめました。

Ⓒ『生きるとか死ぬとか父親とか』製作委員会

母(富田靖子)のお墓参りに行き、思い出話をしているうち、トキコ(吉田羊)の脳裏に、20代の頃の辛い記憶がよみがえる…。

 

それはC型肝炎で入院中の父(國村隼)と、がんになった母、両方の看病をするという過酷なものでした。。

 

今まで断片的に出てきていたトキコの過去がついに明らかに!

 

20代の頃のトキコを、松岡茉優さんが演じます!

それではさっそく、9話のネタバレあらすじをご紹介したいと思います。

 

その他のあらすじ

『生きるとか死ぬとか父親とか』9話のネタバレあらすじ

ある夜。

ラジオの生放送を終えたトキコ(吉田羊)は、編集者が待つ喫茶店に走った。

書き直した原稿を渡すためだ。

 

最近は父(國村隼)とのネタもなくなってきていて、それを話すと、

『お母さんについて書いてみては?』

と提案される。

 

言われてみれば、トキコは母(富田靖子)について今まであまり書いてこなかった。

 

いつも父とは口げんかになってしまうけど、母はいい面しか思い浮かばない。

母の話をすれば前向きな気持ちになるような。。トキコと父にとって、母は“信仰”のようなものだった。

 

でも人はいい面だけでなく、“陰の部分”も書いてこそ、その人の本質が見えてくるものだ。

 

『じゃあ、今度、お父さんと一緒に旅行でもどうですか?』

 

そんな話になり、トキコは今度、父とお墓参りに行くときに聞いてみることにした。

 

母のお墓参り

今回の墓参りは、父の提案で“弁当持参”になった。

おにぎりは父の担当なので、トキコはみそ汁、卵焼きなどを作っていく。

手馴れた手つきで千切り大根のみそ汁を作り、トキコは墓参りに出かけた。

 

母のお墓の前に、作ってきたおにぎりやおかずを並べる。

父はずいぶん豪勢なサンドイッチまで持ってきていて、

『誰が作ったんだか』

と、トキコはツッコむ。

 

『お母さんの前でそういうことを言わない』

父に言われ、トキコは目を閉じて手を合わせた。

 

それから2人は場所を変え、東屋で昼食をとることに。

その前にしっかり父は、隣の川本さんのお墓にも手を合わせた。

(気になる方は、1話をどうぞ!)

 

トキコが作ったみそ汁を飲んだ父は、

『そういえば、俺が入院してたとき、お母さんよく作ってくれたよね』

と微笑む。

 

── 思えば、この父の入院が、我が家の不幸の始まりだった。

 

父の入院

時はさかのぼり、まだトキコが20代の頃。。

C型肝炎で父が入院した。

 

父は昔からマッチ棒のように細く切った大根のみそ汁が好きだった。

それを持って、母とトキコは父の見舞いに行った。

 

その頃、母が毎日のように胃薬を飲んでいるのに気づいたトキコ(松岡茉優)は、心配で検査を勧めた。

でも『胃もたれするのは、きっとコーヒーの飲みすぎね』と、母は笑って答えた。

 

母が病室で温かいみそ汁を振る舞うと、父はご満悦。

調子にのって、甘いフレンチトーストにミルクティーをリクエストする。

 

『え~病気なのに?』

『ちょこっとだけよ』

『しかられるよ~』

 

病室には母が好きな真っ白なカラーが1本飾られていて、3人は絵に描いたような幸せ家族に見えた。

 

母が好きだったもの

入院中、父は毎日母が来るのが待ち遠しくて、廊下を歩いてくる音でわかったという。

 

誰かがつくったサンドイッチに手を伸ばす父を見て、

『ほんとかなぁ~?』

とトキコは冷ややかな視線を送る。

 

そうやって父やトキコが病気になると、母は好物を作ってくれたけど、

トキコたちは 母に何かしてあげられたのだろうか?

お弁当のおかずを作るとき、母の好きなものを作ろうと思ったのだが、トキコは思い出せなかったのだ。

 

すると『俺、覚えてるよ』と父が自信たっぷりな顔で言った。

『ミルフィーユ』

『それ、お菓子でしょ?』

 

でも父は『ママはミルフィーユが好きだったの』と譲らない。

それはトキコだって知っている。

イチゴがたっぷりのったミルフィーユとコーヒーのセット。

どこに行っても、母はそれを頼んでいた。

 

自分を優先していた日々

そんなある日のこと。

母からガン検査を受けることを知らされ、トキコは驚く。

でもトキコは不安そうな顔で話を切り出した母に、こんなことを言ってしまう。

 

『お母さん、お願いだからお父さんより先に死なないでね』

『え?』

『だってお父さんと2人になったらどうしたらいいのかわかんない。

わがままだし、好き勝手やってるし、

お母さんいなくなったら私どうやってつき合ったらいいかわかんない。

だからお願いだから、お母さんのほうが長生きして。

お父さんと2人きりにしないで』

 

トキコは無邪気に笑って手を合わせた。

 

『わかった。トキちゃんとお父さんを残していくわけにいかないもんね』

『絶対だよ?』

『はいはい』

 

母は笑ってそう言ってくれたけど、やはり不安でたまらなかったのだろう。

初めての病院だし、心細いから検査に付き添ってほしいとトキコに頼んだ。

 

でもその日はちょうど、トキコがずっと前から楽しみにしていたライブの日で。。

トキコは自分の都合を優先してしまった。

 

今思えば、どうしてもっと母のために行動してあげなかったのだろうと悔やまれるが、現実を直視するのが怖くて逃げていたのかもしれない。

 

ガンの発覚

検査の結果、母にガンが見つかった。

先生から説明を受けた母は、虚ろな目で黙って話を聞いていた。

 

当時は、ガンといえばすぐに死が連想される時代

どうして母がこんな目にあうのか。。

一緒に説明を聞きに行ったトキコは、母に手を伸ばそうとするができなかった。

そのくらい、母の表情には人を寄せ付けないものがあった。

 

一刻も手術が必要となり、母の入院が決まった。

トキコは入院中の父にどう話していいかわからず、洗面所で顔を洗って気持ちを落ち着けてから病室に向かった。

 

壊れた父

『お父さん、落ち着いて聞いてね』

 

トキコは母が入院することを伝えた。

すい臓の近くにガンが見つかり、すぐに手術しなければならない。

それを知り、父は病室を出て、母のところへ行こうとした。

 

止めようとするトキコを突き飛ばし、

取り押さえようとする医者たちの手を振りほどこうと暴れる父。

 

── 母がガンだと告げた日。父は壊れた。

 

そのときのことを父は覚えていなかった。

毎日気分が悪く、動く気すら起きなかったという。

今思えば、精神安定剤の副作用もあったのかもしれない。

 

『ママの手術に立ち会えないなんて、俺、ほんとに役立たずでさ』

 

父は何もできなかった自分を責めるように遠くを見つめた。

 

母の手術

母の手術は6時間を超えた。

その時間は、実際の時間よりずっと長く思えた。

 

母は転移が進み、かなり切除が必要だった。

麻酔のせいで、数日は何を言っているかわからない状態が続くと医師から説明をうけ、トキコは『はい』と返事をした。

 

お母さんの手って、こんな形をしていたのか。

まだ意識の戻らない母の手を取り、トキコは思った。

 

自分には何もできないことが、ただただ、もどかしかった。

 

風化していた記憶

翌日。

今度は、母の手術が成功したことを父に伝えなければならない。

トキコは見よう見まねで一生懸命大根のみそ汁を作り、病院に持っていった。

 

すると

『昨日、お母さまが病院にいらっしゃってたわね』

と看護師さんに声をかけられ、トキコは顔色を変え、病室へ急いだ。

 

そこには、赤い花が飾られていた。

 

母は、赤い花が苦手だった。

母が好きなのは真っ白なカラーだ。

看護師さんは幻を見たわけではない。

また、あの人が来ていたのだ。

 

トキコは眠っている父を見てふぅ~と深いため息をつくと、トイレに行って花瓶に入った赤い花をごみ箱に捨てた。

花瓶の中に入ってた水も全部捨て、洗って乱暴にドアを閉めた。

 

── あの時のことを忘れていたわけじゃない。

でもいつまでもこだわっていてもしかたないと、記憶に蓋をして生きてきた。

それが母の記憶を風化させていたのだ。

 

トキコはトイレに行くと言って、父のもとを離れた。

そして編集者に電話をかけた。

 

『あの、、次回は、母のことを書いてみたいんです。

光の部分だけじゃなく、陰の部分も、

私が知っている母のすべてを。。。』

 

 

 

第9話

過去とか

娘とか

真実とか

 

~終~

 

 

10話につづく・・・

 

 

『生きるとか死ぬとか父親とか』9話の感想

今回は1話で出てきたお墓参りのシーンが再び!

あのとき東屋でお弁当食べようと言っていたお父さんの話が実現します。

そして今回もちゃんと川本さんのお墓に手を合わせるお父さん♡

すでにお父さんの中では、宝くじが当たったからとかそういうんじゃなく、それが当たり前のようになってるんですね。

私が川本さんならすごく嬉しい。

 

そしていよいよ話は核心へ。

お父さんが入院しているときに、お母さんのガンがわかったんですね。

なぜかそういうものですよね、人生って。

なんでこんなときに?なんで重なるのって。

 

うちの母にガンが見つかったとき、私はまだ結婚したばかりで、母は心配をかけたくなかったんでしょう。

手術が決まるまで何も話しませんでした。

それがある日、急に電話をかけてきて、その声は涙ぐんでいて、ただごとじゃないと思いました。

でも手術の日を告げられた私の脳裏に浮かんだのは、

バイトの面接をして採用されたばかりなのにいきなり休んで大丈夫だろうか?という冷たいもんでした。

 

結局、手術に駆けつけたものの、待っているだけで何もできませんでした。

なんでか手術の日にいたのは、私とおばちゃんだけだったような。

なんでお父さんはいなかったんだろう?

もう、あの頃のことは記憶が断片的になっていて、

部分部分はすんごく覚えてるのにあとはすっかり抜け落ちていて。

あのとき、病院の前のカフェに行ったことや、

切除した部分を見せられてショックで外に飛び出して爆走したことは覚えてるんですが。。

 

だからトキコを見ていて、いろいろ思い出しちゃいました。

思い出さないとほんと記憶って風化しちゃうんですよね。

 

お母さんのことをあんなに愛してるのに、浮気してるお父さんのことも。

真っ白なカラーと、真っ赤な花の対比も。

これが実話ならすごいなと思う。

 

今もお父さんの部屋にあの真っ赤な花が飾られているということは、今回、サンドイッチを作ってくれたのもその人なんでしょうか。。

 

なんだかドラマを見たら、お母さんの味が恋しくなりました!

若いころのトキコが一生懸命、大根を細切りしようとしてできなくて頑張っている姿がすごい愛おしくて。

今のトキコはすんなりできてしまうところに、時間の流れを感じました。

トキコにとっては、母の味=大根の千切りのみそ汁=父の好物なんだろうな。

 

それではここまで読んでくださり、ありがとうございました\(^o^)/

またの~。

 

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